ドイツ東洋艦隊の孤立
第一次世界大戦前、ドイツは中国の膠州湾に植民地を有しており、それを守るために装甲巡洋艦2、防護巡洋艦4を主力とする東洋艦隊を置いていた。
開戦当時、マクシミリアン・フォン・シュペー中将率いる東洋艦隊主力は訓練のため独領カロリン諸島にいたが、イギリスと同盟を結ぶ日本海軍を相手に戦える状況ではなかったため、防護巡洋艦「エムデン」がインド洋で通商破壊戦に挑む一方、艦隊主力は東太平洋の連合国軍拠点を襲いつつ大西洋へ向かおうとした。
一方イギリス海軍も東洋艦隊撃滅の為、クリストファー・グラドック少将率いる西インド艦隊(装甲巡洋艦2、防護巡洋艦1、仮装巡洋艦1)をチリ沖に派遣し、捜索行動をとっていた。
戦闘
1914年11月1日16時17分、チリ南部・コロネル沖でイギリス艦隊の煙を発見したドイツ艦隊は風上となる陸地沿いに進んだ。一方のイギリス艦隊も太陽を背にして照準をかく乱させようとしたが、日没間近の状況では艦影をくっきりと浮かび上がらせるという逆効果を発揮させてしまった。さらにドイツ艦隊は陸地沿いに進んだことで、艦影を隠すことに成功し一方的な戦いになった。
海戦の結果イギリス艦隊は旗艦の装甲巡「グッドホープ」、「モンマス」が沈没、グラドック少将も戦死した。対するドイツ艦隊はさしたる損害もなくドイツ艦隊の圧勝に終わった。