最強と謳われる陸上自衛官・真田聖人の妻が斬殺された。妊娠六ヵ月、幸せの真っ只中だった。加害少年らに下った判決は、無罪にも等しい保護処分。この国の法律は真田の味方ではなかった。憤怒と虚無を抱え、世間から姿を消した真田は復讐を誓う。男は問う--何が悪で、何が正義なのかを。本物の男が心の底から怒りをあらわにしたその瞬間……残酷で華麗なる殺戮が始まった!
曖昧さ回避
概要
PSYCHO-PASSシリーズの脚本を担当したことで知られる深見真が執筆した小説作品の一つ。
主人公は日本有数の特殊部隊として知られる特殊作戦群出身の元自衛官。
妊娠中の妻を不良少年たちに惨殺された彼は、特殊部隊時代の経験と知識と技術を活かし、不良少年たちに復讐を挑む。
一言で言ってしまえば復讐の物語だが、不良少年らはヤクザ組長の息子だったり、大企業の重役の御曹司だったり、そのくせ本人たちは親の威光を笠に着ているだけの小心者という絵に描いたような不良ばかりで、代わりにヤクザや政治的に彼らを守らざるを得ない警察など、不良少年らの周りを固める存在の力が強大。それを最強の自衛官と謳われた元特殊部隊の主人公が、特殊部隊仕込みの戦闘術や密輸した銃火器など、あらゆる手段を用いてヤクザも警察も除け、少年たちに復讐するのである。
しかも作者はガンアクションや格闘戦、拷問の描写に定評のある人物である。不良少年らを一人一人捕まえた主人公が拷問して復讐していく様や、復讐に動く主人公をあくまで犯罪者として捕まえるべく奮闘する警視庁特殊犯捜査係の刑事、警察の特殊部隊。そして密輸品の銃火器で武装した主人公と警察との激しい銃撃戦など、躍動感満載の一冊。
作者の小説作品の中では特に評価が高い一冊で、Kindleストアでは600件超のレビューに星5満点中4.2点と高い評価を得ている。
注意点としては、上記のように拷問シーンがあるのだが、これが拷問描写に定評のある作者なのでかなり生々しくグロくなっている。
登場人物
- 真田聖人:主人公。陸上自衛隊特殊作戦群に所属していた元自衛官。妊娠中の妻を不良少年たちに惨殺されたことで復讐に動く。
- 長間宗一郎:もう一人の主人公。警視庁の刑事で、特殊犯捜査係SITを率いる特殊部隊員。不良少年らを復讐のために殺し始めた真田を追って捜査し、最終的に真田と対決する。
- 古馬里香:主人公・真田の元部下。特戦群初の女性自衛官だったスナイパー。真田を追って自衛隊を退職し、真田の復讐に協力する。