概要
「プラモ狂四郎」に登場するキャラクターで、主人公・京田四郎ことプラモ狂四郎の最大の敵として立ちふさがる。
日系二世のアメリカ人。
父親の精作は、倉田や村岡の大学時代のプラモ同好会の先輩で、プラモシミュレーションの原型を作った人物であるが、渡米後に事故死してしまった。
アメリカの特撮映画を研究し、プラモ製作に応用している。その作例もすばらしく、アメリカのモデラー大賞を受賞している。
輝かしい実績とは裏腹に、自己顕示欲が強く、傲慢で利己的な性格。他者を利用し、自身の使い捨てのコマにすることも多い。
平気で他人を傷つけ、勝利のためなら手段を選ばない卑劣漢。
電子工学にも詳しく、初登場時には自身が改造した「キットにダメージを食らうと、プレイヤーにもダメージを与えるプラモシミュレーション」を持参。天満兄弟を負傷させた。
そのことに激怒した狂四郎のパーフェクトガンダムに対し、パーフェクトジオングで対抗するも敗北。シミュレーションマシンを廃棄し互いに初心に戻ってモデラーとしてやり直そうと約束するも、改善どころか卑劣さを増して再登場、狂四郎の敵としてしばしば立ちはだかった。
ワールドシミュレーションでは、家の都合で渡米した狂四郎の盟友である丸山健に接近し、彼のプライドを刺激して自分の陣営へと引き込んだ。
特殊素材製のブラッディ・マリーで鉄紛製の狂四郎のヘビーガンダムと決勝戦で再戦。この時、敗者が死ぬように自分と狂四郎のシートに機体が破壊されると爆発するよう細工を施しており、上記のように性格面は外道さを増している。
戦いは相討ちになり、四郎はとっさに脱出したが自分はシートの爆発に巻き込まれ行方不明になる。劇中の描写から死体は見つからなかったようだが……。
やはり生きており(爆発の時の後遺症で顔に火傷の跡がある)、模型秘伝帳編では「ヒゲのプラモ怪人」こと小澤勝三氏に変装し、模型秘伝帳を奪取していく。
そして、模型秘伝帳すべてをかけた関ヶ原ウォーズで狂四郎と最後の決戦に臨むが、魔改造まで使用する卑劣なやり方に幻滅した健が離反。狂四郎に敗北したことで自分の手元にあった秘伝帳を返却して姿を消した。
本編終了後、数年が経過した頃には性格も丸くなったのか、四郎と和解したらしい。渡米した四郎とともにコンピューターゲームソフトを共同で製作。ヒットを飛ばす。
数年後の番外編では、成人した四郎らの元へ、祝いの電子メールを送っていた。
ガールフレンドのジュンと、「サッキーファイブ」を名乗る五人組のモデラーたちを引きつれている。なんだかんだで仲間たちからは慕われており、劇中では健以外離反者はいなかった。
「SDガンダム GGENERATION」に、四郎ともども登場。その際のCVは、森川智之が務めた。
主な乗機
四郎のパーフェクトガンダムに対抗し、作り上げた機体。
光ファイバーを搭載し、電飾を施している。
天満太郎の足つきジオング同様、1/144ジオングに1/100ドムの脚部を合わせた機体であり、腕部も天満と同様、有線サイコミュ式ビーム砲としてではなく、有線の打撃武器として使用している(手首から鎖を伸ばし、鎖分銅のようにして相手に叩き付ける)。
体内には接着剤を内蔵し、下手に攻撃すると飛び散って浴びてしまう。この接着剤で健のGMキャノンと小朗太のザクキャノンをくっつけ、蹴りを入れて一撃で破壊した。
山根のサラミスにより、脚部の関節を破壊されるも、脚部を切り離し反撃。やはり体当たりの一撃で破壊してしまった。
装備している巨大な実体剣を抜き、四郎のパーフェクトガンダムと切り結び、その頭部を縦に真っ二つにする。
しかし、コックピットを狙う前に、パーフェクトガンダムのショルダーキャノンに内蔵されていた水鉄砲の水を浴び、光ファイバー用の電飾用電池を漏電させられ自壊する。
- ブラッディ・マリー(デビルガンダム)
ワールドシミュレーション世界一決定戦で、使用した機体。
グラスファイバー、ラテックスなどの新素材で作った、オリジナルデザインのガンダムで、腕は四本ある。
頭部はガンダムタイプのフェイスを有するが、その下にはエイリアンのようなグロテスクな素顔を有し、液状のラテックスを放つインナーマウスを口から放つ。
メカデザインは小田雅弘。機体紹介の時、デビルガンダムの名は、機体名ブラッディ・マリー(作中では『ブラッディー=マリー』表記)を名乗った後、サッキー本人から放たれた「君(四郎)流に名付けるならデビルガンダムだ」というセリフから。劇中でもデビルガンダムと呼ばれており、本名ではほとんど呼ばれていない。
後年になり、コレクションフィギュア「狂四郎マニアックス」で立体化されてラインナップに加わるが、Gガンダムにおけるデビルガンダムと差別化するため、「ブラッディ・マリー」の名称になっている。
- パーフェクトジオングMk-II
関ヶ原ウォーズにおける乗機。
1/144スケールで、通常はアッシマーより小さい。しかし水分を含ませたスポンジ製の外装を、キットに内蔵したニクロム線で加熱して、巨大化が可能。これをヴァンパイアパワーと呼称する。
パーフェクトジオングに似た外見を有するが、あくまでもオリジナルの機体。専用の槍を有し、巨大化時にはバックパックに変形するMAと合体する。
- 赤い馬
関ヶ原ウォーズにおける乗機。上記パーフェクトジオングMk-IIが破壊された後、炎の中から出現した。赤いケンタウロスのような姿をしており、下半身の馬部分の後半身が分離して、人型MSに変形する(これにはジュンが搭乗)。武器はビームガン兼用の槍。
実は以前南郷が使っていた魔改造と似た仕掛けで、キットを入れ替えていた事が戦闘の後で判明する。
南郷の魔改造がタイマーを介して一定時間の経過によりプラモが切り替わるのに対し、こちらはセットしたプラモがシミュレーション上でやられた時点でジオング→赤い馬合体形態→分離形態の順にプラモが切り替わるようになっていた(つまり、本当は分離機能はない)。
この卑怯なやり方で四郎の武者ゼータガンダムを追い詰めるが、サッキーファイブの山野辺に変装していた健がついに離反。復活した健と四郎のタッグに逆転されて敗北する。
- エクソシストのパスズ像
乗機ではないが、サッキー竹田が自身を重ね合わせるイメージ映像として登場。
サッキーファイブのデモンストレーションに、破壊される目標の対象として登場した。形状記憶合金製。
デモンストレーションの内容は、サッキーファイブが高機動型ザクIIおよびゲルググ(肩の可動干渉および外れる胴体部などの欠点を改造し克服した作例)を駆り、一分以内に敵コロニー内部に突入。攻撃をかわしつつ進行し、最深部にあるパスズ像を破壊する、というもの。
ミッションは成功し、体当たりによって破壊されるが、形状記憶合金の特性を活かして元に戻った。サッキーは「この邪神像に賭けてきみ(四郎)を倒す」と、自分と像とを重ね合わせて宣言した。
しかし、その傲慢な物言いと平気で人を傷つけるやり方は四郎の闘志を燃え上がらせるだけだった。