組織体制
最高評議会、最高法院、長老会などと訳される。 構成員は71人で、おもに祭司とパリサイ派の律法学者などからなる。 律法の解釈によってユダヤ人の宗教生活全体を規定し、さらに宗教共同体の徴税と裁判を担当した。
主な去就
サンヘドリンの源流はモーセの時代までさかのぼるという。だが、サンヘドリンというギリシャ語名が、その起源がヘレニズム時代にあることを示唆している。ラビ伝承によるとサンヘドリンのメンバーに加わるための条件はモーゼに由来するセミカの口伝を受けていることであったという。
新約聖書における福音書では、イエス・キリストの逮捕はこの最高法院による陰謀であり、最高法院のメンバーがイスカリオテのユダを買収しイエスを捕縛したが、イエスになんら罪を見出せなかったため、偽りの証人をたてて、神への冒涜の咎で死刑を宣告し、ローマ総督ポンティウス・ピラトゥスに引き渡したという。これは当時のサンヘドリンには死刑をおこなう権限が与えられていなかったからである。サンヘドリンはもともと死刑を含むあらゆる刑を執行する権利を持っていたが、紀元30年ごろ、ローマの指示によって死刑の執行を禁止されていた。
「使徒行伝」によれば使徒ペトロ、ヨハネ、ステファノ、パウロといった人々はいずれもキリストの教えを広めた罪でサンヘドリンに引き出されている。
本来のサンヘドリンは神殿崩壊とともに消滅したが、やがてパリサイ派の指導者たちによって新しいサンヘドリンが作られ、はじめヤブネ(ヤムニア)に置かれ、バル・コクバの乱以降、ガリラヤのティベリアスに移転している。