CV:檜山修之(ドラゴンクエストライバルズ)
たとえ 全ての麦が倒れ
水が干上がり 涙が枯れても
お前の声が かれない限り
救いは 必ず訪れる
俺は 必ず駆けつける!
ある村を救ったとされている英雄。
熱い心と優しさを持ち合わせているが、現在は消息不明だと言う。
(公式引用)
概要
『ドラゴンクエストⅩ』のバージョン2「眠れる勇者と導きの盟友」から登場したキャラクター。
レンダーシア大陸にあるメルサンディ村で「小さな英雄」と呼ばれる青年。「英雄に必要なのはふてぶてしさ」とも語る豪快な性格である。
村の者からはザンクローネ様と呼ばれ慕われており、特に村長の息子であるラスカは心から憧れている。
背負った大剣は「火燐刀」といい、これで悪者をザクーーーッ!メコメコーッ!とまっぷたつにするらしい。
↓↓以下ネタバレ含む
眠れる勇者と導きの盟友(Ver2.0)
主人公がその姿を目にするのは、メルサンディ村を訪れた時。
と言っても本人ではなく、メルサンディ村の広場にある「小さな英雄 ザンクローネの像」という大きな像。
メルサンディ村はここのところ立て続けに魔物の襲撃を受けており、最初に現れた巨大な足の魔物はザンクローネが撃退したものの、次に現れた巨大な頭の魔物とザンクローネは相討ちになり、消息不明となってしまったという。
ザンクローネを信じるラスカはザンクローネの死を否定するも、村人たちはすっかり魔物に怯えてしまっていた。
そしてある夜、再び魔物が村を襲い、村の少女ミシュアが攫われてしまうという事件が起きる。魔物を追ったラスカ、そして主人公はこもれびの広場の井戸の奥で巨大な手の魔物、悪夢の右手と戦う。
何とか勝利したと思ったその時、今度は悪夢の左手が現れる。倒したはずの右手も起き上がり、絶体絶命となったその時、ラスカはザンクローネの名を呼ぶ。
「助けて ザンクローネ様ッ!」
すると、主人公の懐が強く赤く輝き…
「待たせたな ボウズ!」
光の中から、ザンクローネが現れた。
主人公が直前に手に入れていた紅蓮の大宝石は、魔物と相討ちになり力を失ったザンクローネが力を蓄えるために姿を変えていたものだったのだ。
そして現れたザンクローネの姿は----
小さい。
子供であるラスカが四つん這いになってなお目線が合わないという、手乗りサイズの小さな青年であった。ポカーンとしてしまったプレイヤーも多数。
しかし小さな英雄と言われるその力は本物で、悪夢の右手を大剣の一閃で吹っ飛ばし、左手に押し潰されるも簡単に殴り飛ばして、最後に爆発を浴びせてあっさり消滅させるという、英雄の名に恥じない実力を見せつける。
そして主人公のおかげで早く復活できたことへの礼と、ラスカへの激励の言葉を残して、ザンクローネは去って行ったのであった。
重なりし運命の大地(Ver2.1)
真のメルサンディ村のシナリオ「英雄と少女の物語」では、ザンクローネに関する衝撃の事実が発覚。
彼は真のメルサンディ村の作家パンパニーニが作った童話「小さな英雄ザンクローネの物語」の登場人物である。
ラスカもミシュアも魔物も、偽りのメルサンディ村で起きた一連の出来事も全てが童話に記されていた。偽りのメルサンディ村は、童話の世界が具現化したものだったのだ。
主人公すらも、「不思議な旅人」として作中に名を連ねていた。なお、物語はパンパニーニの逝去により未完となっている。
ところが、偽りのメルサンディ村で出会ったはずのいたずらウサギが真のメルサンディ村で目撃されるということが起きる。
パンパニーニの孫娘であるアイリがそれを追うも、いたずらウサギは身体の弱いアイリを散々に嘲った挙句に逃亡。
その帰り道、こもれびの広場の井戸に差し掛かったところで、なんとザンクローネまでもがいたずらウサギを追って真のメルサンディ村に姿を現してしまった。
いたずらウサギを成敗し、ザンクローネを真の世界に呼び込んだ目的を問うが、いたずらウサギは「間も無く魔女が現れ、メルサンディ村は滅びる」と言い残して消滅してしまった。
「魔女」という言葉に反応したザンクローネは、主人公に真実を打ち明ける。
いたずらウサギ、以前に偽りのメルサンディ村を襲った足や頭、そして手の魔物は全て、元はザンクローネ自身の体であったこと。
「魔女」の呪いで体をバラバラにされ、今のザンクローネは魂だけの存在であること。
魔物を倒したことで体を取り戻し、これで最後に残った心臓さえ取り戻せれば、本当の身体に戻り村を救えると言い残して、ザンクローネは去って行った。
しかしそのすぐ後に、魔女グレイツェルが真のメルサンディ村に現れる。グレイツェルはザンクローネを簡単にあしらい、メルサンディ村の滅亡を予言。
さらにアイリを攫い、メルサンディ村滅亡の前夜祭と称してザンクローネを真の夜宴館に呼び寄せ、ザンクローネの心臓とアイリの二者択一を迫る。
ザンクローネはアイリを守り、心臓は釜で茹でられ魔物ハートボイルドと化してしまった。ハートボイルドは主人公によって撃破されるが、心臓を失ったザンクローネは危機に陥ってしまう。
しかし、希望を取り戻したアイリの呼びかけによって、ザンクローネは力と身体を取り戻す。分が悪いと判断したグレイツェルは偽りの世界へ逃亡、ザンクローネもアイリへの励ましを残して後を追っていった。
アイリはザンクローネに貰った希望を胸に、未完となっていた「小さな英雄ザンクローネの物語」を自らが完結させることを決意する。
天翔ける希望の双翼(Ver2.3)
メルサンディ村の外伝クエスト「英雄と魔女のフィナーレ」にて、ついに魔女との因縁に決着がつく。
アイリが物語の続きを執筆し始めたことで、偽りのメルサンディ村に変化が起き始める。
身体を取り戻したザンクローネだが、やはり心臓を失ったダメージは大きく窮地に陥っていたところを主人公に救われる。
さらに、グレイツェルはメルサンディ村の住人を洗脳し、ザンクローネの力の源である村人の希望すら奪ってしまった。
もはや存在を維持するのが精一杯のザンクローネだったが、主人公が持ってきた激辛のザンクローネパンを食べて少しだけ力を取り戻し、自らの遥かな過去について語り出す。
ザンクローネは人間ではなく、元々はメルサンディ村を見守る精霊であった。
長い年月により村人からの信仰も薄れてしまったが、とある村娘だけは毎日精霊のほこらを訪れ、激辛パンをお供えして精霊を詣でていた。
その村娘に礼が言いたいと思った精霊は、精霊の禁忌を破り肉体を得てザンクローネとなり、魔物に襲われていた村娘をその大剣で助け、他の村人たちも助けているうちに英雄と呼ばれるようになっていった。
そんなある日、村娘は唐突に「村を捨てて自分と一緒に逃げて欲しい」と訴えてきた。しかし土地の精霊であるザンクローネにはそれは不可能であり、断らざるを得なかった。村娘はその後姿を消したという。
ここでアイリがスランプに陥ったことでしばらく物語は停滞するが、実は偽りのメルサンディ村に転生していたパンパニーニから構想ノートを貰ったことで執筆を再開し、物語はクライマックスへと展開していく。
グレイツェルと決着をつけるために偽りの夜宴館へと向かったザンクローネだったが、惨敗。駆け付けた主人公もグレイツェルの罠にかかり、身動きが取れなくなってしまう。
「自分の命はくれてやるから、もうメルサンディ村には手を出さないでくれ」と懇願するザンクローネ。しかしその言葉に何故か怒気を強めたグレイツェルは、ある人物を呼び寄せる。
そこに現れたのは剣を持ったラスカ。グレイツェルはラスカにザンクローネを殺させることでフィナーレとしようとしていたのだ。
救ってやれなかったことをラスカに詫びるザンクローネ。「希望なんてどこにもない」と高笑いするグレイツェル。目に光を宿さぬラスカは、ザンクローネに向けて剣を振り下ろし-----
「………………ちがう。
どんな時も……希望は 消えない。」
しかし、その剣は途中で止められた。他ならぬ、ラスカの手によって。
自分の魔法に抗われたことに狼狽するグレイツェル。その隙に、ラスカの信頼に奮い立ったザンクローネは、残った力を振り絞って火燐刀を一閃。主人公を捕らえていたグレイツェルの罠を破壊し、主人公に全てを託す。
怒りに震え、自らの手で幕引きを図るグレイツェル。英雄と魔女の物語の結末は、「不思議な旅人」に委ねられた。
メルサンディ村と英雄を幾度も苦しめた悪しき魔女は、不思議な旅人によりついに討たれた。
力無く倒れ込むグレイツェルに、ザンクローネが問いかける。
「どうして そんなんになっちまったんだ?……クレル。」
ザンクローネは、グレイツェルがかつて自分の前から姿を消した村娘であることに気づいたのだ。
グレイツェルは自嘲気味に、昔話を語り出す。100年前、かつて魔女の娘と呼ばれた娘がいたこと。
絶え間ない魔物の襲撃は、魔女の娘のせいであると村人に迫害されたこと。英雄に見捨てられ、村人に追い詰められて谷底に落ち、死の淵で深い恨みを抱いて魔女と化したことを。
話を聞いたザンクローネは、それでも村人にしたことは許せないと剣を向ける。
本当に斬ってもいいのかと問うラスカに対し、ザンクローネは笑顔を向ける。
英雄に必要な物は、ふてぶてしさだと。
「それでも 俺は ふてぶてしく
全てを 救ってやる。」
ザンクローネは、グレイツェルが持つ恨みを全て引き受けようとしていたのだ。
そんなケガレを取り込んでしまえば精霊であるザンクローネは消えてしまうと、狼狽えるグレイツェル。しかし、ザンクローネはクレルを救えなかったことをずっと悔いていたと告白する。
ケガレが祓われ、グレイツェルはクレルの姿に戻る。しかし、ザンクローネの体は光の粒と化しつつあった。
クレルには、生きて罪を償えと。ラスカには、村とクレルを頼むと。そして主人公には、感謝を述べて。
メルサンディ村の小さな英雄ザンクローネは、ここに消滅したのだった。
「どんな時も 希望は捨てんな。
メルサンディ村…は 俺と…ともに…」
…メルサンディ村の英雄は もういません。
しかし その心は
永遠に 村とともにありました。
アイリの手で完結した「小さな英雄ザンクローネの物語」の最初の読者となった主人公。
「不思議な旅人」のおかげで物語を完成させることができたと、感謝を述べるアイリ。
あの結末について、彼女はパンパニーニのノートにこう書いてあったからだと話すのだった。
「英雄は すべてを救う……って。」
それは敵すらも例外では無かったのだ。
ストーリークリア後はゲーム中には登場しないが、「がくぶちモンスターの秘密の部屋」の「一期一会」の絵で会えることがあり、この時はアクセサリーを貰う事ができる。
2014年のホワイトデーイベントの「アストルティア・ナイト総選挙」では見事1位に輝き、栄えある初代ナイトの称号を手にした。
(なお、前年にも同様のイベントが行われており、そこではヒューザが1位となっている。しかしこれはゲーム的に正史ではないらしく、初代ナイトはザンクローネとされている)
関連タグ
ローシュ…同シリーズでの声優繋がり。こちらは勇者。