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概要

シクラメンは、サクラソウヤブコウジ亜科カガリビバナ属の多年草。名前の意味は「キクロス」(ギリシア語螺旋若しくは)からきており、「Cyclamen」を発音に忠実にして表記すると「キクラメン」となるため、文献によっては「キクラメン・〜」と表記する場合もある。

球根性で、は下を向いて咲き、花びらが反り返って上に突き出るという特徴的な形をしているが、八重咲きや花弁にウェーブが入るロココ咲きなどもある。に咲き、花色は赤・赤紫・ピンク・白が多いが、青・紫・黄・オレンジ・複色などもある。同時に多数の花が咲いているため、華やかである。

最盛期は11~12月。冬の鉢花として人気があり、大量に流通しているが、シクラメンにとって日本の冬は寒すぎるので、主に室内用の鉢花として利用される。ただし、最近は小型で寒さに強い「ガーデンシクラメン」が屋外に植えられることもある。

可愛らしい花であるが、名前の「シク」が「死」「苦」との語呂合わせになることや、赤色の花が血をイメージするなど、病院への見舞いにシクラメンを持っていくことは縁起が悪いとされている。

呼び名

シクラメンには多数の呼び名がある。

和名では「篝火花」、または「篝火草」。そり返った花弁の形を見たある貴婦人(九条武子だといわれている)が「これは篝火のような花ですね」と言ったことから牧野富太郎によって名づけられた。

また、別の話にはシクラメンが日本に入って新しい時に、丸パンのような形をした球根をみて、別の植物学者である大久保三郎がこの花を英語で「Sow Bread(豚のパン)」と命名した。これはシチリア島でシクラメンの球根を豚が食べ荒らしたことに由来する。

しかし、日本ではまだ「パン」という言葉がわかりにくかったため、「パン」を「饅頭」にして「豚の饅頭」という名前で紹介された。

この花をヘブライ語で「ラケフェット」と呼び、また「ネゼル・シュロモー(ソロモンの王冠)」というニックネームを持っている。それには、ソロモンに関わる逸話が起因していると言われている。

ユダヤの伝承「王様に愛された花」

偉大なソロモン王は、自分の王冠を作るときに花のデザインをあしらいたいと思っていました。

彼は万物と会話ができる力を得られる指輪を持っていたので、あらゆる花にお願いするのですが断られて、気落ちしている王に「元気をだして」と言葉をかけたのがシクラメンだと言われます。

ソロモン王はその優しいシクラメンを気にいり、私の王冠にとシクラメンに頼みました。シクラメンは静かにうなずきました。しかし、本当はとても嬉しかったのですが、恥ずかしくて顔を上げることが出来ず、それ以来シクラメンの花は、うつむきかげんになったのでした。

花言葉の由来や、イスラエルではシクラメンが国花となっているのは、ここから起因していると思われる。また、この伝承にはいくつかバリエーションがあるとされている。

花言葉

「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」

白「清純」

ピンク「憧れ」「内気」「はにかみ」

赤「嫉妬」※そり返った花びらが炎に見えることから、燃え上がる嫉妬心を連想したもの。

海外

「timid hope(遠慮がちな期待)」

「shyness(内気、はにかみ)」

「resignation and good-bye(退職と別れの言葉)」

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