シュミーズ(chemise)とは、下着の一種であり、現代においては肩から紐で垂らした筒型が胴部をゆるやかに覆うものである。
詳細
この下着は主に着用により保温の目的及び衣類への汚れ付着防止の効果を主として着用されるという建前になっている。実際には日本ではスリップと同様の物を指す言葉として扱われるが、これは誤りである(スリップは、ペチコートの丈があがったものであり、現在ではキャミソールとペチコートの合体したもの)。
一応男性用も建前上は存在することになっているが、シャツと同じ意味とされる。
名称の誤解に関して
日本ではスリップとシュミーズは同一のものとして扱われるが、これは日本にまずシュミーズが入ってきて、戦後スリップがアメリカより入ってきたため、混同されたものと推測される。実際、この下着の用途に近い下着はババシャツである。
歴史
この下着が普及したのは中世以降、13世紀以降であるといわれている。そのころは男性用及び女性用が存在していた。
女性用
この衣装は13世紀から14世紀にかけては、女性用の場合足首まである長いものを着用し、上着やタイツのようなものを着用していた。
15世紀以降、装飾がつき始めたが、それは17世紀くらいまで続いた。18世紀になると袖及び襟が短くなった。現在のスタイルに近いスタイルである。
また19世紀ごろから、スタイルによりこの下着の形式が変わる(ボタン止めや裾の短いものも登場した)、あるいは着用しないということが起こるようになった。さらには下着の装飾もなくなってしまった。
20世紀はじめには一体型の下着が出てきたためこの下着は一時廃れたものの、まだ存在はしていた。しかし、ペティコートから発展したスリップの登場、生活スタイルの変化による衣装の変化などによりこの下着はほとんど着用されることはなくなってしまい、名称のみが残ることになった。
男性用
男性用は女性用よりも短いものを用いていたが、下着の性質とは異なり、ルネッサンス時代くらいから見せることを目的として着用されていた。そして襟元や袖口や裾がレースで装飾されるようになった。この装飾はフランス革命のころまで続いた。しかし、礼装用のこの衣装には装飾が施されていた。
このころのこの衣装は麻製であり、たて襟がつき、袖にはカフスがつく。これはシャツの原型となった。19世紀中ごろにはボタンで前面をとめる形式が現れ、ワイシャツのようになっていった。