ジギスヴァルト
きんこ
尊大な弟に比べると穏やかで優しそうな印象の青年。
しかし生まれた時から王族であり、目上の者は父しか知らないためナチュラルに傲慢。
エグランティーヌを巡り弟アナスタージウスと王位争いをしていたが、弟が玉座よりもエグランティーヌを求めたために次期ツェントに内定する。
物心ついた頃には既にグルトリスハイトは失われていたため、グルトリスハイトが存在した正しき治世を知らずグルトリスハイト無しでの王権回復を目指している。
エグランティーヌがアナスタージウスに嫁いだため、ドレヴァンヒェルの姫アドルフィーネを第一夫人に迎える。またそれより前に、中領地ハウフレッツェからナーエラッヒェを第二夫人に娶っていた。
ローゼマインの膨大な魔力量と神秘的な神事に目を付け、何かとうるさい中央神殿を黙らせるため彼女を中央神殿の神殿長にと望む声に同調。また彼女がグルトリスハイトに一番近い存在だと判明した際には、彼女を王の養女として確保した上で自分の第三夫人にしグルトリスハイトを献上させようと企んだ。
ローゼマインの王族入りをエーレンフェストに強要しようとするも抵抗され、ローゼマイン側から切り崩そうと2人きりでの対話を持ちかける。が、商人モード全開となった彼女に完膚なきまで言い負かされ、王族の横暴さと要求の理不尽さを真正面から非難された。エーレンフェストからの要求を呑むことで結果的にはローゼマインの王族入りは成立したのだが、この一件でジギスヴァルトは彼女に苦手意識を持つ。
さらにはローゼマインを迎え入れる中央の離宮に空きが無く新たな離宮を用意する魔力の余裕も無いために、彼女をアダルジーザ離宮に迎えさせるという案を承諾していた。
フェルディナンドがアーレンスバッハで毒に倒れた際、救出へ向かうローゼマインへ「他領へ攻め入る許可証」として求愛の魔術具を贈る。しかしジギスヴァルトから魔術具を渡すよう託されたジルヴェスターは、王命で無理矢理ローゼマインを奪うくせにまるで両思いかのように周囲へ喧伝するような行為に反感を抱き「王族からの許可証」としか伝えなかった。しかも戦場で魔力を大量に使ったせいか、鎖部分が魔力飽和し金粉化しかけているのをハンネローレやハルトムートに目撃される。
貴族院を巡るランツェナーヴェとの防衛戦では離宮に閉じこもり、次期ツェントにもかかわらず王族の義務である礎の防衛や外敵排除を放棄している。
貴族院防衛戦後の話し合いでは、真にメスティオノーラの書を取得し女神をその身に降ろしたローゼマインに、求愛の魔術具を大勢の前で完全に金粉化された。
気を取り直し自分にグルトリスハイトを授けるよう願い出るが、防衛戦では離宮に籠り国防のために戦わなかった事、王族が歪めたツェントの在り方を正すための女神への契約魔術を厭った事、女神の御力をまとったローゼマインに近づくため名を捧げる事を厭った事で、ツェントの資格無しと父に烙印を押される。
さらにアウブ降格が決まった事で、第一夫人であるアドルフィーネが離婚の意思を表明。元々アドルフィーネはドレヴァンヒェルの影響力を高めるために王族へ嫁いだ政略結婚であり、ジギスヴァルトがアウブとなるならドレヴァンヒェルの利は失われ契約違反となる。加えて彼女は本来アウブになりたいと望んでいたため王族への嫁入りそのものを嫌がっており、さらにジギスヴァルトの傲慢さにも嫌悪感を抱いていた。なので例え最高神からの加護が減ろうとも彼女の離婚の意思は固く、契約違反の慰謝料としてドレヴァンヒェルに隣接する新領地の一部をアドルフィーネが就任予定のギーベ領として割譲する事となった。
「ハンネローレの貴族院五年生」
第三位コリンツダウム領のアウブに就任。未だ権力への執着を捨てきれておらず、第一位ダンケルフェルガーの姫君でありローゼマインの親友ハンネローレに元王族の権威を傘にきて求婚を迫っている。
また、ハンネローレに時の女神ドレッファングーアが降臨した際にも再度求婚。女神の化身となったハンネローレからグルトリスハイトを授かりツェントに返り咲こうと目論んでいるのではと周囲から推察されている。
なおアウブ・ダンケルフェルガーからは元王族の権威で第三位でいられるのは今年までだろうと言われ、未だアウブとしての振る舞いが身に付いていないことを批判されている。
愛称の由来である「求愛の魔術具 金粉化事件」だが、これは「私は魔力量の差にも気付かないまま、恥知らずにも魔力の釣り合わない女性へ求愛しました」と大勢の目の前で露呈したことを意味する(魔力量に差があり過ぎると子供ができない)。
さらにはフェルディナンドが意味ありげに虹色魔石の髪飾りを触っていたが、これも「私が作った魔術具は平気なのにお前のは金粉化したな」と言外に煽られている。これらの事件はジギスヴァルトの名誉のため「女神の御力のせいで金粉化」ということで隠蔽された。
なお、ローゼマイン本人はこのやり取りの意味を全く理解していないが、彼女にとっては本一冊も用意せずに求婚する事がそもそも恥知らずなので心底どうでもいい。
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