概要
『ストリートファイターⅡ』以降のストシリーズに登場するザンギエフの必殺技。プロレス技のパイルドライバーをアレンジしたもので、相手を捕えた後、地面にたたきつける前に高く飛び上がって空中で回転し威力を増加させる。
格闘ゲームにおける所謂「コマンド投げ」のはしりで、ストⅡの時点では「吸い込む」と称されるほど広い間合いと、体力ゲージの三分の一のダメージを与える高威力を誇った。
しかし、相手の近くで【レバー1回転+パンチボタン】というコマンド入力は手間がかかる上にプレイヤーの意図しないジャンプを招く恐れがあり、当初は自らジャンプして入力時間を稼ぐなどプレイヤーは試行錯誤を強いられた。
その試行錯誤によるプレイヤーたちの研究の末、「レバー1回転」の入力は実は十字キーの上下左右だけを感知して発動することが判明。つまり←・↓・→・↑と斜め方向を無視したツギハギな入手でも発動する。それでも↑からパンチボタンへの入力はシビアなもので、タイミングが合わないとジャンプパンチに化けてしまう。
だがこの発見により【下半回転+↑+パンチ】で繰り出す「立ちスクリュー」が編み出され、当時ゲーセンを席巻していた待ちガイルに反逆の牙を剥く熟練のザンギ使いを生み出し、待ちガイル戦法に甘えるガイル使いたち次々と餌食にしていった。
ストリートファイターⅡでは、スクリューパイルドライバーをかけたあとすぐに近づき、またスクリューパイルドライバーをかけるという『スクリューハメ』というのがあったが、ストリートファイターIIダッシュ以降は技をかけたあとの間合いが離れ、連続でスクリューパイルをかけることはできなくなった。
スクリューハメ(初代スト2)
- しゃがみ強K等、何らかの手段でダウンを取る
- 降りジャンプ弱Kで起き攻め
- 連ガになるようにしゃがみ弱Pを1~2回(相手の投げ範囲外へ)
- 離しスクリュー
- 降りジャンプ弱Kで起き攻めして以後ループ
抜ける猶予が数Fしかないとか初心者には対策困難だから実質ハメという意味ではなく、正真正銘のハメ技である。ザンギエフ側がミスらない限り抜ける方法はない。
理屈として初代スト2にはリバサはないので、起き上がりピッタリにジャンプ攻撃を重ねられたらガード以外の回避方法がない。そしてジャンプ弱K>しゃがみ弱Pの繋ぎが正確なら連続ガードになるので、ここも脱出不能。
しゃがみ弱P後は有利フレームによりザンギの方が早く動けるので、相手のガード硬直が解かれた瞬間にスクリューを入力すると発生0Fにより回避不能のコマ投げが成立する。仮に入力が遅れたとしても投げ範囲外なので投げ暴れができず、むしろ投げを入力すると立ちP/Kの暴発によって数Fの隙を晒してしまい、ザンギのハメ成立を手伝ってしまう構図となる。
ジャンプも始動モーションが数Fあり、この間は地上にいる判定なのでいわゆる「いれっぱ」もできない。わざと被弾してもしゃがみ強Kに繋げばダウンを取れるので食らい逃げも不可。
でもスクリューのコマンド入力は高難度だから机上の空論じゃね?と思うかもしれないが、スト2には”ボタン離し”でも入力を受け付ける仕様があり、しゃがみ弱Pおしっぱ>レバー1回転>Pから離す、でコマンドが成立するのだ。コレはコレで難しいが、目押しよりは遥かに簡単で特訓すればできる範疇だし、仮にミスっても何も技が暴発しないのでフォロー可能。
なおこの離しスクリューは立ち回りにも応用可能で、前歩き>離しスクリューでいきなり掴むこともできる。
当時のザンギ使い達はこのテクで待ちガイルほか、あらゆる強敵を打ち砕いてきたのだ。
余談
スーパーファミコンのゲーム・ファイナルファイト2では、市長マイク・ハガーもスクリューパイルドライバーを使うようになった。(前作ファイナルファイトでは普通のパイルドライバー)
『デビルメイクライ4』では主人公ネロのバスター(掴み必殺技)演出のひとつに、このスクリューパイルドライバーが採用されている。
お別れです!
KOFシリーズに登場するやみどうこくはコマンド難易度こそ上がっているが、こちらは半回転投げであり、ジャンプが暴発することは無い。
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