スピードブースター
すぴーどぶーすたー
メトロイドシリーズのサムス・アランの装備の1つ。初出は「スーパーメトロイド」。
一定方向にある程度の距離を走り続けると背面のブースターが起動し、通常よりも高速のダッシュに移行。更に強力な攻撃判定を纏う。
またこの状態でしゃがむとブーストをチャージすることができ、それを解放することで一直線に高速飛行するシャインスパークに派生可能。
ダッシュの高速化により、通常では通行出来ない急な上り坂や逆風、崩れる足場などを走破出来る様になる。タイムアタックの観点からも有用。
攻撃判定の威力もかなり高く、雑魚敵なら大抵は触れるだけで倒せる。
また、これかシャインスパークでないと壊せないブロックも存在する。
欠点はブースター起動までにある程度の助走が必要な事や、逆走しようとしたり立ち止まると簡単に解除されてしまう事が挙げられる。
非常に爽快で人気の高いアクションだが、今のところ『メトロイドプライム』等の3D主観視点の作品には登場していない。まあ3Dでどうやって表現するのかという問題があるのだが。
その代わりなのか、モーフボール状態で加速を付ける「ブーストボール」という能力が登場している。
また『メトロイドサムスリターンズ』には登場していないが、逆に周囲の時間を遅くすることで崩れるブロックを渡ったりできる「フェイズドリフト」という能力が登場している。
初出だが、最高速度に関しては歴代一である。
後のシリーズでは「これを使わないと突破できないギミック」が多数登場し、その操作難易度緩和のために速度自体は抑えられているのだが、今作においてはそのギミックはまだ少なく高速の体当たりで敵もブロックも破壊して進むという爽快感が重視されているようだ。
事実、「スピードブースター必須ではないが広くて走り抜けやすい部屋」が後のシリーズよりも多い傾向にある。
なお起動までの少々条件が特殊で、「走っているモーション中の特定の箇所でダッシュボタンを押していると貯まるブーストポイントが4になったらブースト状態になる」というもの。
これは言い換えると、特定の箇所以外ではダッシュボタンを押している必要は無いということになる。
ダッシュボタンを押している間はずっと速度が上がり続けるが、ダッシュボタンを小刻みに押してブーストポイントのみ貯める方法の場合、起動までの助走距離がかなり短くなり、起動時の速度もその分遅くなる。このテクニックを「クイックブースト」等と呼ぶ。
『スーパー』はかなり綿密にマップ構成が練られていて、(スピードブースターによる爽快感を重視しつつも)使われたら困るような箇所ではギリギリ助走距離が足りないように地形が変形しているのだが、これはあくまで最初からダッシュボタン押しっぱなしの通常プレイの場合。このクイックブーストを用いればスタッフの想定外の場所でブースターを起動させてシャインスパークで飛び回ることが可能であり、シーケンスブレイクやタイム短縮に大いに活用できる。
ちなみに「特定の箇所」とは、サムスが動き始めて二歩目のあたりにある。なので人力でも「十字キーより一瞬遅れてダッシュボタンを押す」という操作で簡単に助走距離を短縮できる。2ポイント目以降を縮めるには相応の練習が必要だが、1ポイント目までを縮めるだけでもかなり効果的である。達人になると十字キーを一瞬離して慣性歩行を行うことで通常の半分ほどにまで助走距離を縮める(ブーストポイントは十字キーを離した時点で0になるので、1ポイント目限定のテクニック)。
この仕様は非常に複雑で、しかも一般のプレイヤーにはあまり意味の無いものだったので、以降の作品では単純に一定の助走距離が必要な仕様に統一されている。
ボタンの少ないゲームボーイアドバンスのゲームなのでダッシュボタン自体が廃止され、単に一定距離を走ったら自動で発動という方式に変更された。
上記の通り『スーパー』から大きく能力が調整され、速度自体は落ち着いたものの使用機会は大きく増えている。
特に重要なテクニックとして、「横方向へのシャインスパークから坂道に突入したら再び地上ダッシュ状態に戻れる」というものがある。
これにより、その場では助走距離が足りないが別の場所で発動してシャイン→坂道からダッシュ移行することでブースター状態を持ってくる「シャイン維持」が後のシリーズで定番化した。
これは本編攻略するだけなら不要だが、アイテムコンプリートには必須となる。
なお本作は攻略順序が完全に固定されておりシーケンスブレイクは一切できないが、このシャイン維持を使えば一か所だけ必須アイテムを取らずに次に進むことができる。
この場合、「本来の進行ルートに戻れ」というメタ発言の混じった隠しメッセージを見ることができる。
速度はGBA時代よりやや上がった程度だが、発動時にボタンが必要な仕様に変更された。
これ自体はダッシュボタンではなく、発動前の速度は通常ダッシュと同じ。
ジャンプにも使っている背中のブースターが速度を高めているようだ。
ギミック突破に必要なのは相変わらずだが、同時に爽快感も重視されており、発動時の自由度が大幅に上がっている。
具体的にはジャンプや壁キック、スライディングおよびそこからのモーフボール変形を挟んでもブースターが維持される。また前に進めない強風に向かって走り続けることでも発動可能。
GBA時代は「坂道があればブースターを維持できる」というのがギミックのヒントになっており、地形を見るだけでなんとなく発動場所がわかってしまっていたが、今作は平な地面や一マス通路も考慮に入れなければならず「どこから走り始めてどこで解放するのか」がかなり読みづらくなっている。
しかし高速でマップ中を跳ねまわってアイテムを取った時の達成感・爽快感は格別で、速度一点特化の『スーパー』に勝るとも劣らない。