概要
巨大ロボット作品「UFOロボグレンダイザー」に登場するベガ星連合軍の幹部で、科学長官。ベガ星人ではなく、ベガ星連合軍に征服されたズリ星人。
冷静な頭脳派の幹部だが、後述する通りテレビ版と桜田吾作によるコミカライズ版では言動がかなり異なる。
メイン画像右の息子・ズリルジュニアはテレビ版のみ登場。
テレビ版
テレビ版では第28話から登場。前話で戦死したブラッキー隊長の代わりにスカルムーン基地に着任した。ただしブラッキー隊長と違い、ズリルはガンダル司令と同格の協力者ということになっている。科学長官の名の通り、各種兵器の開発に携わる。左目の眼帯にコンピュータや映写機が内蔵されている。
頭脳派で狡猾な性格のためレディガンダルとは相性が良かったが、武闘派のガンダル司令とは馬が合わない。当初は互いに反目し合っていたが、次第に共同戦線を張ることも増えていった。
息子であるズリルジュニアを父親として心配しているが、素直に表せない不器用で優しい父親の一面も持つ。
頭脳派ではあるが行動的な面もあり、作中で単身地球へ降り立つこともあった。
第67話で切り札の海底基地を破壊されたが、グレンダイザーを倒すまではとスカルムーンへの帰還を拒否。意地を見せたものの第72話でついに力尽き、甲児に射殺された。
漫画版(桜田吾作版)
いろいろな意味で有名な桜田吾作版のコミカライズだが、この作品でのズリルはテレビ版をある程度踏襲したキャラクターでありながらも、地球の自然環境を非常に気に入っており、公害などで地球環境を悪化させている地球人を憎悪しているという過激な環境保護主義者という側面を持っている。
そのため、占領した地域の多くの地球人を全て特殊な処理装置にかけて、わずかな水分や炭素に分解するという恐るべき虐殺行為を作中で平然と行っている。
この独自の過激な環境保護主義の思想ゆえに、過剰な開発によりベガ星だけでなく周辺の星域を巻き込んで破滅させる原因を作ったベガ大王やダントス国防長官を陰で罵っている。この時にズリルの母星であるズリ星も巻き込まれて滅亡しているため、恨むのは無理もないが。
その後、ガンダル司令と一時共闘して政敵となったダントス国防長官を暗殺する。
さらに物語終盤、グレンダイザーを倒せず地球に移住できない事に業を煮やしたベガ大王が命じた地球人に核戦争で同士討ちさせて地球人を滅ぼすという作戦に反発、ベガ大王とガンダルを始末してベガ星連合軍の実権を握ることに成功、作戦中止の命令を出す。
しかしズリ星人であるズリルに従うことを良しとしなかった一部のベガ星の軍人が作戦を続行したため、結局は地球人同士の核戦争が勃発という結末を迎えることになる。
もっとも戦死したテレビ版と違い、ズリル本人は終幕まで生き残っている。
グレンダイザーU
第5話にてコマンダー・シュラの口から存在が示された。のち7話にて本格参戦。7話冒頭に彼の秘書と思われるコマンダー・マリーネと共にスパイのような姿で水族館に訪れ海洋生物の多様性に興味を持つ。その後にベガ・スターでの運用の最適化を行う形で登場、対グレンダイザー用に水中戦に最適化されたベガ獣キングバニバニの開発をする。
キングバニバニで追い込むも突如現れたマリンスペイザーとドリルスペイザーの連携で撃破され想定外の事態に驚くもデータ収集をマリー根に残すように頼み次のベガ獣運用の開発に着手する。
また、第9話では艦隊指揮だけではなく自ら生み出した試製光波円盤獣コアコアに自ら搭乗するパイロットとしての一面もあったり何とか戻ってきたブラッキー隊長に「よく戻って来れたな、ブラッキー。」と言葉をかけたり「グレンダイザーの天敵は何?」と質問を問いかけた時に「司令の他にグレンダイザーを倒せる者はいない!」と答えたブラッキーに対し『答えは…地球人です。』と彼なりの結論を言って新開発の「超ベガ曲射砲」を使いベルリンを破壊『24時間後ワシントンD.C.を消滅させる。
最終話ではグレンダイザーの暴走でベガ・スターが半壊すると、宇宙船で逃走するものの死亡を示唆する描写もなく安否は不明。
そのためか本作における彼はアニメ版(策士)とコミカライズ版(興味津々)を掛け合わせたキャラになっていると思われる。
担当声優の関智一氏は永井豪作品の大ファンであり、ダイナミック作品では真(チェンジ‼︎)ゲッターロボ世界最後の日にてゴウ、AMON デビルマン黙示録では飛鳥了を演じている。
関連項目
ガンダル司令:同格の協力者という扱い。
環境問題:コミカライズ版では、公害などの環境問題に着目した物語展開になった。