タチバナ(搾精病棟)
たちばな
見た目は美人だが、その表情は常に不機嫌そのものであり、刺々しい態度が目立つ超嫌悪ナース。喫煙者で高スペックの彼氏がいる。
仕事はできる有能なナースであるものの、終始不機嫌な様子で業務を事務的に淡々とこなす。さらには聞こえるようにため息や暴言も放つなど一見すると善人とは言い難いが、これでも他の強烈なナースたちと比べればトップクラスにまともな人物。
この性格の悪さは生来のものではなく、かつては心優しいナースだったが、医療ミスで患者を危険な状態に追い込んでしまった（幸いにも大事には至らなかった）ことがあり、現在でもトラウマとして残っている。この経験から自分にも他者にも厳しくなってしまい、最悪な職場環境も相まって身も心も荒んでしまったことで現在の性格となった。
しかし、優しい一面は今でも少しだけ残っており、基本的には同期や後輩に対しては「〜ちゃん」と呼び、同期であるヤマグチとは愚痴をこぼし合う仲。直属の後輩でミスの多いモチヅキに対しては厳しい態度を取ることも多いが、何だかんだで見捨てることなく根気強く接しており、彼女の業務を逐一チェックしたり、肩代わりしたりしている（これについては、ヤマグチから過保護過ぎと引かれている）。ヒラマツとの関わりは少ないものの、彼女の失態を庇おうとしたことも。しかし、クロカワとの相性は最悪で、互いに激しく憎み合っている。
ヤマダからは想いを寄せられているものの、自身は完全に嫌っており、他のナースとは違い馴れ合うこともない。しかし、後半では次第にその関係性もある程度は改善されるようになっていく。
1話で登場。終始不機嫌な態度でヤマダの処置を淡々と繰り返し、彼から想いを寄せられるも一蹴したほか、クロカワの憂さ晴らしに付き合わされていたヤマダに軽蔑の念を示した。
中盤ではヒラマツの失態により看護師長からとばっちりを受けた際、その原因の一端を作ったヤマダに対して激しい怒りを見せ、完全に拒絶したが、院内で起きた集団食中毒とミアの妨害に追われたことによる心労で倒れた際は、付きっきりで看病してくれたヤマダに感謝を示してある程度和解した。
終盤では看護師長一派の悪行を暴くために決起し、お局たちの猛攻にもビシビシと反撃したほか、アマミヤ先生に心酔するあまり彼女を止められなかったオオツカを諭すなどして看護師長一派の逮捕に大きく貢献した。
この事件の少し前には海外転勤を控えた彼氏から共に海外へ行ってほしいと持ちかけられていたが、ヤマダが退院する際は新しい看護師長に昇格し、最後は仲間たちと働く道を選択する（その結果、彼氏には振られてしまったが、特に後悔はしていない模様）。ヤマダのことは紆余曲折を経て認めるようになり、「もし怪我したらまた来てもいい」とまで言うようになった。
その後は新しい看護師長として他の面々をまとめる日々を送っている。
作者のあとがきによると、作者が運転免許証の住所変更で警察署へ赴いた際、免許証を自主返納することを褒めてもらおうと絡んでいた高齢者のかたに対して、目も合わせずに塩対応していた女性警官のかたがキャラクターのモチーフの1つになった（ついでにヤマダの設定もこの時に考えついた）とのこと。
なお、エンディング案の候補の1つでは私服姿を描く予定だったらしいが、結局ボツになったとのこと。
全年齢版
ヤンマガwebで連載されている全年齢版でも登場。原作に比べ若手ナースと上司の間で苦労する場面や業務に追われる場面が多数追加されており、それぞれのナースとの絡みも多くなっている。特に自分がプリセプターを務めるモチヅキを目にかけている描写が増えており、過保護すぎる指導を行うタチバナと、必要以上にタチバナの期待に応えようと意気込むモチヅキで、結果的にトラブルが増えるという悪循環を起こしている。
また、酔うと非常に不機嫌かつハードな愚痴をこぼすようになり、口が悪くなって凶暴化するほか、急性アルコール中毒を起こした女子大生に「経口補水液」と称した酒を飲ませようとしたことも（モチヅキの制止で未遂に終わり、その後は正気を取り戻している）。
その後、強すぎる責任感と仲間意識から、仲間を守るために一人で全ての敵を排除することを誓うなど修羅の道へと堕ちそうになるが、自分がいなくてもそれなりに上手くやっている同僚達の姿や異動を経て成長した後輩達の姿を見ると、強硬的になっていた心を氷解させて、なんでも一人で背負い込むという自らのスタンスを改めるようになった。
どうやら根元の部分は、本作のラスボスである看護師長と似た者同士だったようだ。
