概要
原子番号74、元素記号Wの金属元素。重くて固い上に電気抵抗も大きい性質を持つ。そのため、電球のフィラメントや鉄や炭素などと合金にして更に硬くし、土木用や工業用工具の刃先としても使われる。また、融点も高いので上記の電球のフィラメントのほかにTIG溶接用の電極などといった他の金属では熔けてしまったり磨耗や摩滅が激しい用途によく使われる。重金属ではあるが毒性がないとされ、指輪などのアクセサリーといった直接人の手に触れるものにも使われている。
タングステンの人体への影響については多くの研究があるが、特に危険性は報告されていない。他の金属同様に加工時に出る粉塵へは健康被害が出るとされている。
軍事用途としては合金化により徹甲弾の弾芯や戦車などの装甲として用いられる(アメリカ合衆国などはタングステンに代わり毒性の強い重金属である劣化ウランを使っているが、劣化ウラン装甲は輸出規制の対象となっている上、環境問題のため日本など多くの国では使用していない)。狩猟用としても環境規制対象となっている鉛の代用として注目されたが、タングステンは高価である上に加工にコストがかかるため、コストが安い軟鉄や鋼鉄の弾丸(スチール弾)の方が代替として一般的に用いられるようになった。
タングステン自体は上記のように粉塵化しなければ健康被害は低いものとなっているが、軍事用途ではニッケルやコバルト、鉄といった金属と合金化しており、それらとの合金化により発癌性が高くなる可能性や他の毒性の強い金属が体内に取り込まれやすくなるなる可能性が実験では判明しているが、まだ人での疫学的報告がなく論文が少ない事から研究は進んでいない。この事から「軍事用途のタングステン合金は毒性を持つ」、もしくは「(タングステンに限らず)弾丸に使用される金属は一定状の濃度では毒性を持つ」という扱いがされる事もある。
なお金と比重が近いため、金の延べ棒のニセモノ作りに悪用されることがある。
創作上のタングステン
テラリア
ゲーム『テラリア』に登場する素材の一種。
ワールド生成時に銀かタングステンのどちらか一方の鉱脈が出現する。
タングステンの装備品は銀のものと同等か、僅かに性能が高い。特にぎんのツルハシではメテオライトを採掘できないが、タングステンツルハシは採掘が可能になる。