※親記事は事業引継ぎをしたユニバーサルミュージックにしています。
概要
プレイステーションが出たばかりの1994年に発売されたPS初の格闘ゲーム。
二次元と三次元の夢のコラボを成し遂げたゲーム。具体的に言うなら、主人公二人とラスボスは実写だが、それ以外は全てドット絵である。ドット絵のデザインは結構しっかりしているが、実写部分のキャラはかなり化粧が濃く衣装も豪華とは言い難い。背景も完全にドット絵なため、戦闘画面の違和感は半端ではない。
それでも声にはちゃんと力を入れたようで、ナレーションに飯島直子、吹き替えに緒方恵美、置鮎龍太郎、龍田直樹、永島由子、太田真一郎、住友優子といった有名声優を用いている。
音楽の大半はミュージシャンの湯川トーベンが手掛けている。
OP「1-2-3」 歌:湯川トーベン
ED「Forever You and Me~永遠の愛~」 歌:桑名晴子(桑名正博の妹)
ストーリーは、要約すると「平和の王国ラブラディアンに、ある日突然魔女カーミラとその配下の妖怪五匹が現れ、国王ラブ三世を殺害。王国を支配して恐怖と憎悪の国に変えてしまう。遺されたラブ三世の双子の娘は、全能の神ゼウスの力を借り、王国を奪還すべく魔女たちに戦いを挑む」という内容‥なのだが、これを冒頭で約2分半、やたら「ラブ」を連呼する飯島直子のナレーションと某SF映画風の英語字幕のみで延々と説明される。これにその後のムービーとやたらノリの軽い主題歌を合わせて約6分と結構長いオープニングなのだが、飛ばせない。
ゲームは全6ステージ。アイテムという概念があり、店で購入することで戦闘中に使用できる。敵AIの強さは難易度によって極端で、「NORMAL」以上では非常に強いが、「EASE(EASYではない)」では途端に弱くなる。このゲームのプレイヤーキャラは、実写に合わせているせいか当たり判定は非常に狭いのに何故か喰らい判定は広いため苦戦必至。そのため全体的なゲーム難易度は高め。
登場キャラクター
プレイヤーキャラクター
- ニーナ : 主人公の一人で双子の姉。実写。パワータイプ。心優しい性格のはずだが、勝利時のセリフがかなり上から目線なものが多い。仮にも王女だが、ヒップアタックに代表される身体を張った攻撃をする。攻撃力は高く「削り」も優秀だが、あくまでプレイヤーキャラとしては強い程度。身長168cm。スリーサイズ(オープニングムービーで表示される)は85・58・85。
- シリン : 主人公の一人で双子の妹。実写。スピードタイプ。勝ち気でお転婆な性格で、かなり子供っぽい言動がちらほら見られる。しかし、どう見ても妙齢な女性が実写で演じているので割と無理がある。身体を張った攻撃をするのは姉同様。どういうわけか彼女だけクトゥルフ神話ネタが混じっており、勝利セリフによると旧き神々と契約して守護されているらしく、飛び道具技が「エルダーサイン」になっている他、隠し技「エルダーボウ」ではヌトス=カアンブルと思わしき戦女神を召喚する。コマンド技によるスピードが武器だが、総合的なキャラ性能は姉より低い。身長161cm。スリーサイズは80・58・86。
敵キャラクター
- カーミラ : ラスボス。敵キャラ唯一の実写。化粧がかなり濃い。冷酷でプライドが高い。実写なため主人公と並んでも違和感はないが、背景からはかなり浮いている。中の人がやけに良い演技をしている。倒すとケバい化粧と共に邪悪な心が落ち、美しい女神として復活。部下たちを連れて全宇宙を愛で満たすという贖罪のために去っていった。ちなみにこの辺もEDに字幕で語られる。
- プリンス・ゴールドラッシュ : 金の妖怪。妖怪のリーダーで、妖怪四人に勝つと挑むことになるステージ5のボス。アラブ風の格好をした男性で、ナルシストで自信家な性格が窺える。ガードが固くバランスが良いため、敵キャラの中でもかなり強い。身長はそれほど高くないが、実写の主人公と並ぶと違和感が半端じゃない。
- レッド・ドーン : 火の妖怪。戦闘好きな熱血キャラ。体力とリーチが長い。炎をイメージした燃え盛るような頭髪とかなりの巨漢の持ち主なため、主人公と並ぶと違和感が半端じゃない。
- エルフ・ジーニー : 風の妖怪。子供っぽい性格をした少女。スピードタイプで遠距離攻撃が得意だが投げ技も強い。妖精を思わせるような小柄だが主人公と並ぶと違和感が(ry。
- ファットマン : 水の妖怪。白い髭を蓄えたのんびりした大食いキャラ。接近戦と投げ技が得意。かなりの肥満体だが主人公と並ぶと(ry。
- ノーム・ゴーム : 土の妖怪。緑の肌をした老人。身軽な連続技を繰り出してくる。敵キャラで一番小柄だが主人公と(ry。
その他
- 店員 : ゴブリンで、アイテムショップの店員。入店時に桂三枝のギャグ「いらっしゃ~い」をいちいち挟んでくる。魔法攻撃やステータス強化、攻略に有用な情報などを売っているが、その多くは費用対効果が悪い。特に「攻略に有用な情報」に至っては『強力な投げ技を使うから気を付けて』だの『スキを狙って一気にたたみこんでしまえ!』だの具体性に乏しいため何の役にも立たない。ちなみにラスボスのカーミラの時は『(中略)カーミラを倒すには、あいつの必殺技には必殺技を、魔法には魔法で反撃してやるんだ。(中略)あきらめずに戦えばきっと勝つことができるはずだ!』である。なお、キャラ性能差のせいで、このアドバイスを実践すると大体判定負けする。
余談
- 参加声優やナレーションが軒並み有名な人物であるのに反して、実写を演じた三名は極端に情報が少ない。ニーナ役の広田由美はグラビアアイドルとしての活動歴があるが、シリン役の高橋ゆりとカーミラ訳の吉田幸子は現在も名前を除いて詳細不明とされている。
- EDではメイキング映像として実写組の格闘技指導の様子が流れるが、その過程で脱臼したり捻挫したりと意外とハードだった模様。
- スタッフロールの最後には「To be continued」と表示されるため、続編制作の可能性があったことがうかがえる。