概要
1965年1月。2人はまだお互いを知らない。
舞台は1960年代のベトナム。
ベトナム戦争の渦中において、従軍カメラマンの少年とゲリラの少女の出会い、そして恋愛を描いた漫画作品。
ディフォルメされた可愛らしい絵柄ながら、戦闘シーンは凄惨なものであり、独特の世界観を作り出している。
1巻冒頭には、ティム・オブライエンの「本当の戦争の話をしよう」の一節が引用されており、
この作品は現実ではなくフィクションであるとの意味が記されている。
最初は角川書店から刊行されていた『Comic新現実』に連載されていたが、掲載誌の休刊により中断。
後に小学館の青年誌『月刊IKKI』に連載、以後単行本書き下ろしで12巻まで発表されたものの、再び未完のまま終了。
最終的には双葉社の青年誌『月刊アクション』にて小学館版の第6巻あるいは第10巻からの分岐という形で『ディエンビエンフー TRUE END』のタイトルで連載を再開し、ようやく完結した。
角川発行と小学館発行の1巻に載っている話とでは、似たようなストーリーながら大幅に書き直されている。一方、双葉社発行の単行本は小学館版の第6巻までを新装再刊し、加えて『TRUE END』全3巻が出されるという形になっている。
2019年11月15日よりIKKI版全12巻を元にした、『ディエンビエンフー 完全版』が原作者個人レーベル「島島」から各電子書籍マンガストアで配信中。
画風こそ柔らかいものの、戦争を扱う漫画である以上、作中にはR-18Gに該当する表現が多々あるので苦手な方は注意されたし。
登場人物
主人公
お姫さまと運命の恋をした最弱の主人公。日系アメリカ人。
彼の誕生日は広島にリトル・ボーイが落とされた日であり作者曰く「いろんなイミで、リトル・ボーイな人」。
ヒロイン
お姫さま(プランセス)
ディエンビエンフー陥落の日に生まれた、最強の戦闘美少女。
可愛い少女の外見とは裏腹に、身体能力、戦闘能力は人間離れしたものであり、鮮やかかつ華麗に米兵達を皆殺しにしていく。
陸軍特殊部隊(グリーン・ベレー)
ティムを育てた陸軍特殊部隊の指導者。チョコ依存症。
「野良犬たち」を率いるサバイバル美少年。何故か女の子が嫌い。
ライトニング少尉
ヤーボ大佐の側近。短髪に稲妻の剃り込みがある。
アーロン
ヤーボ大佐の愛犬。
野良犬たち
野良犬たち(ストレイ・ドッグス)。グリーン・ベレーのはみだし者部隊。
パク・メンホ
祖国を捨てた虎。
リトル
静かなるネイティブ・アメリカン。
ダンニャワード
神秘のヨガ・マスター。
インソムニア
不眠症のスナイパー。作者曰く、髪の色は緑。理由は誰にも気づかれずジャングルに潜むため。
ミンチ
白頭巾の解体屋。
カリフラワーのじじい
爆弾の魔術師。
ジャジャマル
アメリカン忍者。作者曰く、髪の色は赤かピンク。モデルはXJAPANのhide。
山岳の50人
山岳の50人(モンタニャード・フィフティ)。ヤーボ大佐に育成された、山岳民族による特殊部隊。
ララ
長男。「山岳の50人」のリーダー。世が世なら王子さま?
ウップ
次男。巨漢で力持ち。
テウ&レウ
双子の三男。女好き。
南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)
おばあちゃん
史上最強のおばあちゃん。お姫さまにレッスンをつける。
フン
お姫さまと行動を共にする謎の犬。
ズオン
心穏やかな仏教徒にして勇猛なゲリラ兵士。
ヤスクニ
ベトナム残留日本兵。
黒い三連華
ズオンに育成されたロング・ヘアー・アーミー三人娘。
ロン
「黒い三連華」の長女にしてリーダー。肉弾戦で敵を討つ。
ノル
PRG砲を構える二女。女子に大人気のクールビューティー。
ティ
天然&マイペースな三女。マシンガンをぶっ放す。
北ベトナム軍
トン
第33連隊を率いる剛将。
ディン
第32連隊を率いる智将。ヘビースモーカー。
サイゴンの人々
バオ
サイゴンの不良少年。腐ったミルク。
ニュー
しっかり者のバオの妹。