概要
1922(大正11)年にドイツのアルゲマイネ社で製造された直流電気機関車。
銚子電気鉄道に移る前は、山口県宇部市にある沖ノ山炭坑(現・宇部興産)の専用線(沖ノ山旧鉱新沖山)で使用されていた。
1930(昭和5)年、宇部電気鉄道(JR小野田線の前身となる会社)が沖ノ山炭坑の専用線の沖ノ山旧鉱~新沖山間を引き継いだが、その際同社の車籍には入らなかった。銚子電気鉄道に売却されるまでの動向は不明。
1941(昭和16)年に銚子電気鉄道に移籍し「デキ3」に改称、ヤマサ醤油の工場へ原料塩などの材料を積んだ貨車、そして旅客輸送用の客車の牽引に使用された。
1984(昭和59)年の銚子電気鉄道貨物営業廃止に伴い、営業運転から退いた。現在は仲ノ町車庫で有志達により動態保存されている。
サプライリスト(納入実績表)
- 製造年:Baujahr 1922
- 電圧:Spannung 550 V
- 納入期日:Lieferdatum 04.09.1922
- 納入先:geliefert an: H.C. Okura & Co., Osaka, Okinoyama
こぼれ話
- 全長4.47m・全幅2.1m・全高3.25mと、現代からすれば保線車両並に車体が小さい。さらに同車両をNゲージに落とし込むと、最小限のモーターですら積むのが困難になる程。
- 銚子電鉄公認の「デキちゃんはトコトコ走る」(byまこぴぃ)というイメージソングがある。
- 「まいてつ -pure station-」のPS4発売に際して、関連企画の一環で「アルジェ(CV:尾崎真実)」の名前でレイルロオドが製作(擬人化)され、犬吠駅にお目見えしたことがある。
関連イラスト
関連タグ
デキ1形···上信電鉄の保有する電気機関車。1924年製造という、デキ3に負けず劣らずの超古参機。黒色の凸型機であること、同じ名前の「デキ3」が現存すること、元々貨物輸送を担っていたが貨物営業廃止により出番が大きく減ったことなど、共通点が多い。ただしこちらはシーメンス製で、車籍も残っている。