概要
『遊戯王シリーズ』に登場するカード。強敵の1人のペガサス・J・クロフォードが使用したことで知られる。『遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』では第2期のパック「ファラオのしもべ」で初収録。
登場初期のイラストは背表紙をこちらに向けた漫画本、もしくは絵本だけだった。別のイラストだと本の世界から城が飛び出してきた構図となっている。
当カードを含めてペガサスの使った「トゥーン」というカード群は、原作においては反則級であったのだが、オフィシャルカードゲーム(以下OCG)で商品化されたときは見るに耐えない弱体化を施されていた。
原作・アニメ
自分のフィールドのモンスターを全てトゥーン化して、トゥーン以外のモンスターからの攻撃を受け付けないという、反則級の能力を持たせる魔法カード。どうやら劇中の世界では一般流通していないらしく、創造主であるペガサスのみが保有しているという、まさにチートという他ない切り札。
海馬はこれが決定打となって敗北するほか、エースモンスターの青眼の白龍をトゥーン化されるなど、屈辱的な目にも遭っている。
魔法カードであるゆえ、破壊や無効化させるのは割と簡単。やはりと言うべきか、ペガサスは「魔法カードを無効化する魔法カード」を用意することで対処していた。しかし主人公との対決において、《魔法効果の矢》(内容はOCGとは異なる)で跳ね返されて逆にトゥーン・ワールドを無効化されたことで突破を許してしまう。
アニメで再登場した際にはOCG版に寄せる形になったが、「トゥーン以外のモンスターからの攻撃を受け付けない」効果はそのままだった。
OCGのカード性能
カード効果
- エラッタ前
プレイされた時に1000ポイントライフを払う。
さらに、毎回自分のスタンバイフェイズに500ライフポイントを払わなければ、
このカードは破壊される。
このカードがフィールドから墓地に送られた時、
それまで払った分のライフポイントを自分のライフポイントに加算する。
- エラッタ後
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
解説
チートじみた性能の原作とは打って変わって、凄まじくライフ消費が激しく、モンスターが居ない状態でもライフコストを払わされるのみで何らメリットの無いカードに成り果てている。
その上で、特徴だったはずの「トゥーン化」が削除される。大胆な改訂だろう(皮肉)。代わりにトゥーンモンスターという新たなモンスターカードが採用されることになり、「トゥーン以外のモンスターからの攻撃を受け付けない」効果は「相手の場にトゥーン以外のモンスターが存在しない場合に直接攻撃できる」効果に変更された。トゥーンモンスターが登場時期に応じて能力を変えられたのはこの仕様のおかげであるにはあるが、後に登場したコミック・ハンドを見るに時代が早すぎたという他ない。
しかもOCGの一部トゥーンモンスターにはせっかくこのカードと共に場に並べても召喚・特殊召喚されたターンには攻撃できないという他のTCGで言う「召喚酔い」を思わせるデメリットが付いてしまい、せっかくの直接攻撃効果を十全に活かすにも時間がかかってしまう。
OCG版ではトゥーンモンスター側もやや微妙な性能だというのにこのカード自身もライフを消費するばかりで何の効果もない、総合的に見ると素早くライフポイントを削る事がメリットである直接攻撃効果を活かすカテゴリのはずなのにライフコストによりそれ以上に自分のライフポイントの方が高速で削られていくという「これでどうやって戦えばいいんだ」状態であった。
あまりにもライフ消費が問題と判断されたか、のちにOCGでは珍しくエラッタがなされた(効果が効果なので計算がめんどくさいからではないかとも囁かれる)。
エラッタにより大分マシにはなった方だが、やはりメリットはトゥーンの召喚が出来る事だけであり残念性能なのは否めない。一応、効果を持たない事でマジック・キャンセラー等の影響を受けない程度のメリットはあるが大したことはない。
最近では同名カードとして扱う効果を持ち、コストがより扱いにくい代わりに自分のトゥーンに原作を思わせる破壊無効を付与できる《トゥーン・キングダム》の登場により、このカードの出番はそちらに奪われる事となった。
もっとも、トゥーンのもくじで容易にサーチでき、魔法カードの発動回数を稼いだりライフをある程度減らせるカードと割り切る形で、稀に【大逆転クイズ】【魔力カウンター】などの地雷デッキに投入されることもある。