ドラゴンインストールとは、ASWの対戦型格闘ゲーム『ギルティギア』シリーズの主人公ソル=バッドガイの覚醒必殺技のひとつである。
概要
ソルが奥の手している覚醒必殺技。通称は「ドライン」など。
自身に植え付けられたギア細胞を一時的に活性化させ、戦闘能力を底上げする。
ただし、普段はその力をヘッドギア(額当て)で抑え込んでおり、それをやや強引に解放するためソル自身にも負荷がかかり、使用後は眩暈を起こして隙だらけになってしまう。
2からはソルがドラゴンインストールを長時間使用すると世界への異変が起きるという設定が追加された為、Xrdのストーリーではアクセルが時を止めた状態の数秒でしか使用せず、STRIVEでは自己強化技としてのドラゴンインストールは削除され、代わりにカイがユノの天秤によるドラゴンインストールを行うようになった。
いわゆる界王拳などのパワーアップ技の一種。
ゲーム上の性能としては、シリーズごとに仕様が変わってくる。
初代
対空技『ヴォルカニックヴァイパー』の威力を常時Lv3にする。時間制限は12秒。
それ以外の効果はないものの、Lv3のV.V自体が2、3発当てれば試合終了という鬼威力な代物だったため、使いこなせれば非常に強い。
ちなみに気絶までのタイムリミットは変わらないが重ね掛けが可能で体力半分以下でゲージが使い放題になる本作では威力を数倍に跳ね上げた実質一撃必殺技なヴォルカニックヴァイパーを放つことも可能。
X~ACPR
作品自体の仕様が大きく改良されたことに伴い、その効果も変更。
ほとんどの攻撃モーションのスピードが約2倍になり、さらに『ガンフレイム』『ヴォルカニックヴァイパー』『バンデットリボルヴァー』の三つの技が強化されるようになった。
行動速度が大幅に上がることで、通常では不可能なコンボもある程度可能になり、さらに強化V.Vも覚醒必殺技級の威力を発揮するため、ドライン状態のソルに下手に近づくと大火傷を負うはめになる。
大幅なグレードアップを果たした一方、制限時間が6秒と半減し、さらにシリーズが進むと大ダメージを食らった時点でインストールが解除されるなど、一長一短な性能へと変化している。
さらにシリーズが進むにつれてコンボにゲージを割くことが多くなり、上級者になるほど使われる機会そのものが減るなど、やや死に技のような扱いが定着している……。
一応、発動した一瞬に無敵判定が付くため、相手の技をギリギリでよけたりするのには使える。
しかし、状況さえしっかり把握していれば使いどころはあり、基本的に高性能なソルの能力が底上げされるということを鑑みれば、けっこう強力ではある。
ヴァステッジ
プレミアムART、所謂激アツ演出。
突入するとXrd同様「Ride the Fire!」が流れる。
Xrd
後述の『2』の100%時のように異形の姿に変貌するようになった。
ただデザインが見直されており、『デビルメイクライ』のダンテの魔人体のように、筋骨隆々していながら全体的に赤黒いシルエットで、顔つきもクリーチャーじみていた『~2』に比べるとずいぶんスッキリしている。
本作ではタイランレイブver.β含む全必殺技が強化される、持続時間7秒でヘルファイア時は少し延長される、などネタ技とは言えない程度にまで実用性が上がっている。
ただし、従来作と異なりコマンドがSではなくHSになっている点は注意が必要である。
さらに本作では、発動とともにBGMがDI専用曲『RIDE THE FIRE』に変化するという凝りよう。
しかも楽曲はOUTRAGEの橋本直樹によるボーカルという、とてつもなく豪華仕様で、曲調も処刑用BGMかと思える強烈なテンションの一曲に仕上がっている。
『2』
『2』では覚醒必殺技ではなく、特定の条件で溜まる専用リソースとテンションゲージを消費して発動するソル専用スキル。25%消費時・50%消費時・100%消費時で効果が変わる。
今回は使用後の眩暈モーションが無く、コストは要るもののリスクはあまり無い単純強化技となっている。
25%時・50%時は剣の形状が変化する。ちなみにディスペル不可。
25%時は攻撃力(1.1倍)とソル自身の動作スピードの上昇効果が付く。
また、ステップが連続で可能になるなど機動力もアップする。時間は約30秒。
50%時はスピード上昇効果は無いものの攻撃力が大幅に上昇(1.5倍)。時間はこちらも約30秒。
また、50%時はスキルのクールダウンが無いため25%と重ねがけが可能。(通称75%)
ちなみに25%時と50%時ではそれぞれ剣の形状が違うが、75%時は25%を後がけしているため25%形状になる。
24%以下だと25%・50%発動時と同じモーションを行うものの特に何も起こらない。
24%以下・25%では使用時に効果音が鳴るのだが、バグのせいか50%は効果音が鳴らない。
100%時はソル自身が上記画像の姿に変化。時間は約45秒。
ガンフレイムに必要なゲージ量ダウン、地上版ヴォルカニックヴァイパー強化、一部の攻撃モーション変化、タイランレイヴのモーション変化&威力強化などの効果が付くなど、従来のドラインに似た恩恵が得られる。
全ての攻撃のリーチも大幅に上昇し、一部攻撃のヒットユニット数も増加するため、乱戦に向いている。
100%のみ発動時に攻撃判定が発生し、微量のダメージを与えられるが、狙って使う場面は無い。
この姿で迫られた時はちょっとした恐怖を感じるであろう。
ちなみに最初期ver.だと「100%版を使うと即座にソル自身が死ぬ」というファンキーなバグが存在し、文字通りの死に技だったのは今でも語り草となっている。さすがにすぐ修正されたが。
STRIVE
ソルから強化技としてのドラゴンインストールが無くなり、新しい覚醒必殺技「ヘヴィモブセメタリー」の演出の一環となった(後述)代わりに、カイ・キスクが体力ゲージ30%以下という条件下で使用できるようになった。
(1P側の向きの場合)上半身の左半分が溶けるような演出と同時に青黒いオーラで包まれる異形の姿に変身する。
各種必殺技が強化されるという特徴は過去作のソルのものと近いが、「発動時にダウン効果のある衝撃波が発生し、当たれば起き攻めに移行できる」「効果がラウンド終了まで永続」などの差異も存在する。
初期バージョンでは発動中にテンションゲージが増加しなくなるデメリットがあり使い勝手が悪かったが、後に増加するよう変更され実用性が高まった。とはいえ全体的に攻撃力が高く設定されたゲームバランスであり、残り体力が少ない状態でテンションゲージ50%を消費しての発動というリスクに対して十分なリターンを得られるかどうかは試合展開次第のため、安定行動というわけではない。
そして12月15日に行われたアップデートではショックステート及びドラゴンインストール状態でセイクリッドエッジを使うとガードクラッシュするようになったため、かなり有用性が増したがそれ以上にフードゥルアルクが相手より距離が離れにくくなる調整が行われたことでDI状態で↓HS→フードゥル→↓HS→フードゥルといった感じで壁割りまで永久に繋がってしまうという意図していないであろうコンボが発見されてしまった。
ドラゴンインストール・殺界
聖騎士団ソル専用の攻撃技。
ドラゴンインストールを使用し、次々と攻撃を繰り出して最後に「タイランレイブ」を叩きこむ乱舞攻撃。
この技でとどめを刺すと、ソルがギア形態に変身して『ナパームデス』を相手に決める特殊演出が発生する。
指定されたコマンドを瞬時に連続して入力するという、SNKの『餓狼伝説』のボスキャラであるギース・ハワードのデッドリーレイブと同じ、いわゆる目押し技の一種である。
射程がキャラ半分程度と、ほぼ小パンチレベルしかない上にガード可能、おまけに『アクションゲージLv3・ゲージ100%』というやや難易度の高い使用条件が設定されているため、魅せ技の部類に属している。
ドラゴンインストール・セカンド
アクセントコアにて実装されてはいるがコマンドは当初公開されなかった隠し技。
コマンドは214214214214+P+HS同時押し。
効果時間の制限が無くなりラウンド中ずっとドラゴンインストール状態で立ち回れる。
しかし「ゲージを100%全て消費する」「発動に2秒かかる(隙だらけ)」という使い所の無さに加え、
「テンションゲージが増加しにくくなる」「発動した瞬間から物凄い勢いで体力が減り始める(発動時の硬直中に既に1割ほど減る)」という洒落にならないデメリットまで付いてくるため、ほぼネタ技、魅せ技である。
ネクロインストール
ディズィーがEXモード選択時に使用できる覚醒必殺技。
発動時に、瞬間的にネクロがディズィーのシルエットに重なる演出が入る。
性能は『〜X』以降のソルの「ドラゴンインストール」と類似し、全体の行動速度が上昇するほか、最大の特徴として防御力の上昇とスーパーアーマー(攻撃を受けても怯まない状態)の負荷が発生する点であり、
防御力の低いディズィーにとってはかなりのアドバンテージとなる。
なお、この技の存在がディズィーが他の覚醒必殺技として「インペリアルレイ」と「ガンマレイ」を持つことと合わせて、「ディズィーはソルとジャスティスとの間の子供である」という説が長く語られるきっかけのひとつであった(他にもディズィーの性格や言動もあるだろうが、Xでのストーリーとしてソルがギアであるディズィーを倒したもののとどめは刺さないといった特別扱いをしていること等を理由に挙げる人もいた)。
実際のところどうなのか? という疑問についてはこの技が初登場してから15年近くが経過したXrdRのストーリーにてようやく確定事項が語られることとなった。
ヘヴィモブセメタリー
STRIVEでソルに実装されたドラゴンインストールに代わる覚醒必殺技。
異形の姿に変化(その際の掛け声が「ドラゴンインストール!」となる場合もある)した後、ガードポイントと投げ無敵を付与された状態で突進する移動投げを行う。
当てれば体力5割を持っていける上、多くのキャラの覚醒必殺技を一方的に無力化できる判定の強さの反面通常技からキャンセルで出すことができず、発生も遅く最短距離でも発動を見てからジャンプで避けられてしまう為、相手の飛び道具や硬直の長い行動に合わせての切り返しが主な用途になる。