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概要🐟️編集

古生代カンブリア紀(だいたい5億3000万年くらい前)の中国に生息していた小魚。大きさ2~3センチくらい。

近縁のミロクンミンギア共々史上初の魚にして「最古の脊椎動物」と位置付けられており、それまで脊椎動物の祖先とされたピカイアは「その辺にいた原索動物」と格下げされてしまった。

なお原索動物とはホヤとかナメクジウオなどが属すグループで、背骨はないが、脊索(せきさく)という筋肉の束が芯棒のように体を支えているのが特徴。これが後々背骨に進化した。

 

名前は「海口(ハイコウ)の魚」という意味。

海口は中国広東省の地名で、中国本土の下にある島。ここで発見されたのでこの名前がついた。

 

特徴🐟️編集

脊椎動物ではあるが、実はまだ背骨がなく、脊索によって支えられていた。これはヌタウナギが受け継いでいる(ヤツメウナギは軟骨)。

しかし脊椎動物特有の特徴である「V字型の筋肉」は化石に残っており、その点で「最古の脊椎動物である」と位置付けられた。つまり後に大躍進を遂げる魚たちも、イクチオステガも、果ては我々人類に至るまで、脊椎動物はみんなここからスタートしたのだ。

 

ヒレが未発達で泳ぎはゆっくりしていたが、それでも脊索による体の支えがあることで当時としては機敏だった(イカとクラゲ辺りを思い浮かべればイメージしやすいか)。

またあごがない故に口はただの穴に過ぎないので、海底の泥をかき散らしたり、水中を漂ったりしながら流れてくる微小な有機物や微生物などを食べていたようだ。

ちなみに背骨やあごを備えた魚の誕生はシルル紀になってから。カンブリア紀→オルドビス紀と経てざっと1億年後である。

※それでも古生代の魚たちの背骨は軟骨質で、固い背骨を持つ魚(真骨類)の誕生は中生代になってからであった。

  

その他の特徴としては、視力が低くてなんとなく何かが見える程度、光の明暗を感じられる程度だった事、えらぶたが発達してないのでエラ穴の数が多かったことなどが挙げられる。エラ穴が多い点はヤツメウナギやサメ・エイ類などに見られる。

 

意外な人気?編集

魚類の始祖とはいえ、知名度的には結構マイナーな部類のハイコウイクチス。しかし昨今の古生物ブームに乗っかってか、一部ではぬいぐるみとしてグッズ化されている(大きさは23センチ程)。

同じメーカーから出ている他のラインナップは大抵が茶色や緑など単色のおとなしい色使いなのだが、ハイコウイクチスはなんとピンク・青・黄色の迷彩柄というビビッドな色使いがインパクトを放つ。彼に何があったのだろうか。

 

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