諸説あるでよ
薄切り牛肉とタマネギをデミグラスソースで煮た「ハッシュドビーフ」を飯の上にかけた料理。
正確には「ハッシュドビーフ・ライス」なのだが、こちらの名前の方が有名。
『ハヤシライス』の名前は諸説あるが明治の初期、書店の丸善創業者の早矢仕有的(はやし ゆうてき)が考案したという説が広まっている。それ以来ずっと丸善とハヤシライスは関わってきた為、早矢仕有的の誕生日(9月8日)を「ハヤシの日」として制定されている。
なお、2021年に改訂された三省堂国語辞典第八版では「ハヤシライス」の由来欄で「「ハヤシ」は「ハッシュ 〔hash=こま切れ肉の料理〕」の変化。「実業家の早矢仕有的が作ったから」というのは俗説。」と記載されてある。
また、近代や昭和初期にはハイシライスとも呼ばれており、そう書かれた小説も店もお目にかかることができるので、林さんによるライスはこじつけという意見も一理ある。
作るのに時間がかかる上、カレーほど日持ちしないことから、洋食専門店でもメニューにない店は多い(京都市の洋食屋は比較的ハヤシライスがメニューにある)。
余談もあるでよ
ハヤシライスといえば、「ハヤシもあるでよ」というコピーが非常に有名であるが、これは中京地盤の企業オリエンタル食品による南利明主演、スナックカレーのCMによるもので、CMの最後に補足的な台詞が入った「ハヤシもあるでヨー」という名古屋弁から来たもの。だが、この独特の言い回しが妙に受けて、全国的にはスナックカレーよりハヤシのほうが有名になってしまい、ハヤシライスが全国的なブームになってしまったほど。それでオリエンタル食品も、本末転倒にならぬよう「ハヤシもあるでよ」でおなじみのオリエンタルカレーです、という宣伝を打ったりした。また、赤城乳業のカレーアイス(!?)にも南利明が出演し、「ハヤシはありゃせんぞ」というパロディCMもあった。
この台詞はいろいろなパロディに使われ、今もなお風化することなく残っている。
ちなみにインターネット上には「カレーもいいけどハヤシもね」という台詞が出回っているが、ハウスバーモントカレーの「おせちもいいけどカレーもね」と上記の「ハヤシもあるでよ」の記憶がごっちゃになったものである。
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カレーライス:ライバルにして親戚。
外部リンク
9月8日は「ハヤシの日」 | 丸善ジュンク堂書店コーポレートサイト