概要
型式番号:TRV-06k-H
戦術偵察バーチャロイド・バイパーの改良型(ちなみにバイパーはゲーム未登場)。VRによる高機動戦闘に重点が置かれた機体。『折り紙飛行機』と呼ばれることもある。
性能は分かりやすく、高機動で低体力。
ジャンプ力・機動力はトップクラスだが、装甲はゲーム中最低といってよく、ライデンの立ちレーザーなんか直撃した日には体力8割が吹っ飛ぶ、目も当てられない惨状になる。
基本的にはテムジンをスピード仕様にしたものと考えていい。
武器として右腕の武装にビームバルカン(右手トリガ)7wayミサイル(左手トリガ)、胸部のホーミングビーム(両手トリガ)を装備するほか、特殊武器として空中から体当たりを行う「S.L.C.ダイヴ」を備える。
このS.L.C.ダイヴは無敵時間を備え、かつ攻撃力・追尾性ともに高いことからバイパーⅡの決め技として広く知られている。
近接武装はバルカンの砲口から形成したビームサーベルを装備。右トリガで右から、左トリガで左から横薙ぎに振るう。当たり判定はテムジンより広く、斜め後ろの敵を斬る事も可能。
偵察機なのにやけに重武装なのは、戦術偵察のコンセプト上『1.戦闘を行っている主戦闘VRに随伴・連携を行うことから戦闘に巻き込まれる可能性が高い』『2.機動性能への要求から装甲が犠牲になる傾向が強い』ことより、一撃離脱が可能な攻撃力が必要と判断されたため。
S.L.C.ダイブについて
バイパーIIの代名詞の一つともいえる特殊技であるが、実は当初から想定されたものではなく、実験中に起きた暴走・自壊事故を起こした現象からついたものであるという。
TRV-06バイパーも含めて経緯を説明する。
TRV-06 バイパー
テムジンのスケルトンを流用、ジェネレーター・アンプを強大化しつつテムジンを上回る機動性能を確保した、名前通りバイパーIIの初期モデル。
もともと戦場偵察機として開発された経緯があり、戦闘能力を捨ててスピード特化にしたものの、後に偉い人からの指摘で戦闘もできるようにせざるを得なくなり、結果とんでもない紙装甲のVRになってしまった。
テストも順調だったため各部隊に配備が進められたが、徹底的な軽量化が祟り、ジェネレーター・アンプの出力が機体に凄まじい負担を掛け圧迫していた。
そこにバーチャロン・ポジティブの高い人間が乗った場合、余剰出力が逆流し制御系を破壊、機体自身が炎に包まれて突っ込んで自壊するという事故が頻発してしまった。
しかし代替機の目処は立たず、TRVの必要性から補強作業を徹底的に繰り返した結果、機体重量は増加するわ、機体外見もトゲトゲに変化するわで、偵察用とも戦闘用とも言えないどっちつかずのVRが爆誕した。機動力は格段に落ちてしまったが、それでも空中機動力は当時でもトップクラスであり、問題となっていた暴走事故も改善された。
逆にその暴走現象を突進攻撃に転用し、暴走時のパイロットの台詞「She's lost control!!(制御不能!!)」から『S.L.Cダイブ』と命名。型番も変更され、TRV-06k『バイパーII』として生まれ変わった。
開発経緯のゴタゴタから色々危なっかしいVRであったが、この高機動&空中戦特化コンセプトは後に後継機とも言える第2世代VR「サイファー」に引き継がれ、第3世代VR「マイザー」にて完全な安定化を果たす。