◆忍◆ ニンジャ名鑑#129 【パラゴン】 ◆殺◆
ロード・オブ・ザイバツの腹心の配下。
ニンジャ学、古事記、歴史学、カラテ学に深く通じ、百科事典めいた万全の解説で、主君の戦闘観戦をサポートする。
(ネオサイタマ電脳IRC空間「ニンジャ名鑑」より抜粋)
「ドーモ、パラゴンです。今の技はサマーソルト・キック。マケド・ズンイチが平安時代に編み出し、当初はマケドズ・デッドリーアーチと呼ばれた」
人物
時系列上の初登場は第2部「ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル」。
秘密結社ザイバツ・シャドーギルドに所属するニンジャで、ロード・オブ・ザイバツの側近的存在であり、時折大参謀と称される。
位階はグランドマスターであるが、実質的にはロードに準ずる権限を持つナンバー2であり、いくつかの特権がある。
生体LANやサイバネ技術等の身体改造は忌避する風潮にあるザイバツで唯一LANの連結を許されており、それらで情報を入手し目の前の光景の詳細、及び右手人差し指をレーザーポインター機能があるサイバネに置換したもので指標をするなど、ロードの観戦補助に使っている。
それでいて大したカラテやジツを持っている様子はなく、頭脳とロード以外に常に向ける懐疑心を武器にここまで昇り詰めたと周りからは思われている。
その名の通り(paragon:模範、手本)完璧主義者であり、何度も会話の中で自己申告するほど。そのため裏での工作や始末は念入りにこなす。
立場に恥じない知識量を有しており、ニンジャスレイヤーの戦いぶりにドラゴン・ニンジャクランの流派が混じっていることを当てる等の「カラテ学」、ケジメニンジャに憑依したニンジャソウルをそのワザを持って見破る「ニンジャ学」「歴史学」といった、作中で明かされなかった真実や詳細をいくつも露にするなどロードの観戦補助のために惜しみなく披露している。
他にもワビチャ等の礼儀作法も完璧に会得している。が、イグゾーションやパーガトリーのような貴族出身ではないようで、作中ではそのオテマエは「無骨」と表現されている。やはり成り上がりであることを思わせる。
実際に、いつもの冷静沈着な態度は作っているものであるようで、激昂した際はヤクザスラングを発しながら暴行したりしている。
言わずもがなロードへの忠誠を誓っており、「マイロード」と呼んで心から敬っている。しかしそれはもはや心酔を通り越して狂信の域であり、ロードの採決のたびに度が過ぎた感激を催し何度もその名を呼ぶほどである。
通常のグランドマスター以上の権限を持つ者ということもありロードからも扱いは別格であるようで、ロードの素顔と正体を「健常」なまま知っている唯一の存在である。
他にもロードの素顔を見たことがあるものは何人かいるのだが、目と口を縫い合わせられる、思考能力を奪われる、挙げ句の果てにはその場で殺されるなど凄惨なケジメを受けており、彼の特別扱いが窺える。
容姿
メイン画像でもわかる通り小柄であり、通常時はさらに猫背。その目は泥沼のように暗く猜疑心に満ちており、声や所作の描写は大抵「陰気」と言われる。
大柄なガンドーと相対した時「スーパーヘビー級(体重91kg以上)とストロー級(47.627kg以下。現在はミニマム級)ほどの体格差」であるということから、身長は150cm前後と思われる。
ワザマエ(本編のネタバレ注意)
「……実際、私の真のカラテ力量を知るグランドマスターは、一人もいない!」
第二部最終章まで一切戦闘描写はなく、ガンドーからも戦闘特化ではないと判断されていた。
しかしそれは持ち前の猜疑心によって隠蔽されており、深く精通していた先のカラテ学を「実演」をもって体現できるほどの、実際グランドマスターにふさわしい強烈なカラテを誇る。
油断があったとはいえ耐久力に優れたガンドーを瞬く間に叩きのめして見せたほど。
「貴様は私に指一本触れる事ができぬ。掠り傷ひとつ負わせる事ができぬ。私は完璧主義者なのだ」
宿すニンジャソウルはアイキ・ニンジャクランのレッサーニンジャのもの。
実際アイキドー(合気道)とは明言されないもの、現実のそれに酷似したカウンター戦法が得意。
しかし激昂すると一転してグラップリング・スタイルに変化し、積極的に相手へ組み付いて関節をゴキゴキ外していく。
また拳銃、ドス・ダガーなどの得物も隠し持っており、指のレーザーポインターも目潰し用の暗器として活用した。
最期
第二部最終盤、キョート城にて「ニューワールドオダー」を高らかに宣言すると、城の神秘的な古代機構を操作。
キョート城を浮上させ、一般市民からソウルを吸い上げて衰えたロードの生命力とし彼の全盛期の肉体の復活を目論む。
その後、裏切り者スローハンドを始末し、天守閣にてユカノを尋問するも、ニンジャスレイヤー、ダークニンジャ、デスドレインなどの敵対者が次々とエントリー。
ロードを補佐しつつ、キョート城の制御端末たる水盆を死守するが、やがてそこにタカギ・ガンドーが現れる。
二部開始より数年前、琵琶湖上の大型客船『グランド・オモシロイ号』上で起きた怪盗スズキ・キヨシ逮捕事件の裏で、ガンドーの探偵助手シキベ・タカコを射殺した者こそ、他でもないパラゴンであり、両者は因縁の相手と言えた。
一度は隠し通していた己のカラテで退け、続いてユカノも己のカラテ知識を活用して返り討ちにするも、再び挑んで来たガンドーの奇策に不意を突かれ、因縁の『グランド・オモシロイ号』を再現したローカルコトダマ空間へと引きずり込まれてしまう。
過去の再現のようにシキベのコトダマ自我を襲うも、ニンジャとなったガンドーに助け出され失敗。
そして、ガンドーとシキベが放つ二人4丁の49マグナムの連続射撃に撃ち抜かれ、執念のまま突き進むも届かぬまま自我を粉砕され、死亡した。
詳細は控えるが、パラゴンは「ロード・オブ・ザイバツ」を名乗る男がニンジャとなる以前から側に居り、そして最終章でも最期のザイバツ構成員としてロードに仕え続けていた。
思想や言動は邪悪そのものであったにしろ、敬愛するロードのために彼が捧げた覚悟は本物であったと言えよう……。