概要*
日本国召喚での日本国の敵国その2。世界五大列強の一つ。そして、現時点で最も日本を怒らせた国家。
フィルアデス大陸南部にある第三文明圏唯一の列強国で、第三文明圏周辺では最高の国力と軍事力を有している。首都は南部の海に面した港湾都市である皇都エストシラントで、元首は物語開始時点で皇帝ルディアス。
ルディアスが即位してからは積極的な拡張政策をとっており、周辺国に領土や奴隷としての国民の献上を要求し、拒否した場合は技術供与の停止や軍による懲罰攻撃を行う。
極度にプライドが高い国民性で、周辺国を強大な軍事力による恐怖で支配しているため、自分達に少しでも舐めた態度をとる者には決して容赦しない。
しかし、この極端な恐怖政治がパーパルディア皇国の破綻に繋がる。
技術水準は地球の16世紀後期~18世紀初頭のヨーロッパと同レベルであるが、総数800~900隻にも及ぶ戦列艦や、ワイバーンを搭載・運用する機能を有した空母である竜母、同世代の火砲と比べて長射程・大火力の性能を持つ魔導砲など、同年代の地球と比べても隔絶した国力と技術を有している。(単行本では「19世紀の大英帝国も真っ青になるほど」と表現。それどころか「第一次世界大戦の英国や日本なら負けていた」(防衛装備庁職員)と高評価されている。そもそも竜母や砲艦の運用思想は第二次世界大戦以降の「海からの支援火力の機動的投射」というレベルにまで至ってるため、戦闘教義に関しては拡張政策のお陰で他列強よりもはるかに速い速度で経験蓄積が進んでいると思われる。
歴史*
成立まで
パーパルディア皇国は元々は『パールネウス共和国』というフィルアデス南部の中規模文明国家であったが、北部の敵対国家に対する防衛戦争で大量の資源が必要となったため、侵略戦争を開始。
しかし、侵略する度に新たに膨大な資源が必要となって、負のスパイラルに陥る。
1:侵略を防ぐための自衛戦争で大量に軍備増強
↓
2:防衛には成功するが資源不足に
↓
3:資源獲得の為に侵略
↓
4:侵略で手に入れた属国の支配にさらに資源が必要
↓
5:属国から搾取するだけでは足りないため3に戻る
結果、数十年の期間をかけてフィルアデス大陸南部、72ヵ国の属国・属領を支配する大国にまで成長した。
上記の国民性も、他国に対する劣等感が元となっている。
導かれし太陽編
物語開始時点で、国内の組織の一つである国家戦略局が、独自にロウリア王国に対して軍事支援(軍事費借款・軍隊の教導・ワイバーンの提供等)を行っており、ロウリア王国がクワ・トイネ公国とクイラ王国へ攻め入る原因を作った張本人となっている。
次に、フェン王国の国家行事である軍祭に対し、フェン王国に出した要求を拒否した事に対する懲罰攻撃を実行するが、軍祭に招かれていた日本の海上自衛隊と海上保安庁の正当防衛射撃によってワイバーンは全騎撃墜され、監察軍艦隊も半数を航行不能にされて撃退される。これが日本国とパーパルディア皇国の最初の武力衝突となる。
この時点ではパーパルディア皇国は、列強としてのプライドと慢心から日本の事をほとんど調べておらず、自分達の常識から日本を『脅威であるものの恐れる程のものではない』と決めつけていた。
滅びゆく栄光編
今度は南部の島国で第三文明圏外では文明国水準とも言われているアルタラス王国に対し、国内の魔石鉱山の譲渡・王女の身柄引き渡しという余りにも屈辱的な要求を行い(しかも王女の件は、アルタラス王国に派遣されていた大使が、自らの性奴隷にするために行った独断)、戦争が勃発。パーパルディア皇国は強大な軍事力を以てアルタラス王国軍に圧勝し、アルタラス王国を新たな属領とする。
そしてついにフェン王国にも侵攻するのだが、そこでパーパルディア皇国は大きな過ちを犯してしまう。
フェン王国の都市ニシノミヤコを占領した際、第三外務局から第一外務局に管轄を移し、交渉担当を務める事となった外務局監査室のレミールは、日本国使節団を呼び出すなり、突然彼らに属領化を命令。それを日本国使節団が拒否するや否や、いつも他国に行う様に、同市中で捕らえた女性や子どもを含む日本人観光客200名余りを全員惨殺する様子を生中継で外交団に見せつける事で、日本の逆鱗に触れる。
結果として、フェン王国に侵攻していた皇国軍は、自衛隊が日本人観光客保護のために編成した救出部隊により、激烈な反撃(報復とも言う)を受けて文字通りの全滅(ほとんどが戦死し、生き残った者は全員捕虜になった)。
一方的惨敗だったにもかかわらず、皇国上層部は日本の実力に気付こうとせず、フェン王国侵攻の失敗を知った瞬間に逆ギレして、日本国民を皆殺しにする殲滅戦を宣言。
その余りの醜悪さから、外交官の朝田達が、それを通達したレミールに対し面と向かって「あなた方ほどの愚か者と交渉したのは初めて」「個人的には二度と交渉したくない」と吐き捨てたほど。
その結果、占領したばかりのアルタラス王国を解放され、そこから飛び立ったBP-3C(爆装化改修したP-3C)による空爆で本土がこれまた激烈な攻撃を受けた末に、これまで属領から巻き上げた富によって築き上げていた軍事力の大半を損耗。
支配してきた属領には次々に武装蜂起され(しかも連合を組んで逆に侵攻してきた)、完膚無きまでの惨憺たる大敗北。過去の努力がほぼすべて無駄になった上、敗戦どころか国が無くなる寸前まで追い詰められる。
しかし、日本との繋がりを得たカイオスが、クーデターを起こし権力を掌握。日本と講和(実質的には条件付き降伏)した事で、国家の消滅だけはかろうじて回避。更にそれが転換点となった。
戦後は旧属領全域の再独立を承認せざるを得ず、前身だった旧パールネウス共和国時代まで国土が後退。実質的に日本の属国となり、言いなりになっている。
軍事力の大部分を損耗したが、それでも準列強クラスのリーム王国より高い戦力を保有するなど、周辺国より軍事力は優っており、準列強(地球基準で地域大国)級の国力は残されている。
2022年6月時点でのブログ版最新話では戦後復興もそれなりに進んでいる模様で、ある程度国際的な信用も回復しているとみられる。さらなる信用回復のために、国際的な軍事的脅威(ネタバレのため具体的には記述せず)への対処にあたる自衛隊に協力もしている。後述のワイバーンロードの運用にも改良がみられる。
負けるべくして負けた国
恐怖政治の代償
ルディアスは決して無能ではなかったが、極端な恐怖政治を敷いたため、政府要員はルディアスからの処分を恐れるようになった。また一方で、ルディアスは国に貢献した・しようとしていると判断できる人物を重用し、その結果についても柔軟に評価した。これは必ずしもルディアスの私欲に基づいたものではなかったが、政府要員は政治的に対立する相手を何が何でも蹴落とそうとするようになってしまった。
その結果、ルディアスにそのつもりがなくとも、ルディアスに報告する内容がポジティブなものである方が良いと考える政府要員が多くなった。つまり、「政府要員はルディアスが意図しなくともイエスマン化し、ルディアス自身にはその自覚がない」という、所謂『裸の王様』と化していた。
中央の政府要員はルディアスにネガティブな情報を上げて処分されることを恐れるあまり、そのような情報を握り潰してしまうようになった。すると、その下位の人間は多少の(実際には、他国と比べるとちょっと冗談では済まない程度に)不祥事や独断専行、背任・横領では処分されることがないと考えるようになってしまう。結果、政治腐敗が深刻なレベルに陥ってしまっていた。
それは特にルディアスが直接目にする事がほとんどない中央から遠い属領で酷くなり、進駐部隊の長が独断で属領化した国の王女の身柄要求をするというちょっと信じられないような不法行為まで看過されるようになっていた。
つまり、ルディアスの信念である「皇国は世界を統べるべき国だ」「我こそが、世界の王となるべき男だ」「皇国が世界を支配すれば、世界は平和になるのだ」といった、一見、傲慢・誇大妄想ともとれる内容は、ルディアス自身は属領も含めて国内がうまく回っているという自身に与えられた情報を前提として発言しており、その実態がまるで見えていなかったのである。
唯一、国内の政治腐敗や他国への圧迫外交に懸念を抱いていたのが第1外務局で課長をしていたカイオスだが、ルディアスに対してイエスマン化しなかったがために、一見栄転のように見えてその実左遷という形で第3外務局々長に移動させられてしまう。
ただ、その御蔭でカイオスは日本の得体の知れなさに危機感を抱くのだが、ルディアスと違ってパーパルディアの政治腐敗の全てを凝縮したようなレミールがしゃしゃり出てきて第3外務局を日本担当から外し、自身が直接対日外交を展開する事になってしまう。
ルディアス自身が対日戦の状況を把握したときには、全てが手遅れになっていた。
破綻への途
パーパルディア皇国が日本国を侮って敗北したのは上記の通りであるが、その侮り方は『敗北フラグ』と『死亡フラグ』に満ち溢れていた。
まず、ロウリア王国の大王ハーク34世のロデニウス大陸統一の野望を煽り、クワ・トイネ侵攻を実行に移させた(地球でも中世によくあるっつか某ブリカスがさんざんやらかしたパターンで、地域強国とその周辺国の対立を煽り、支配圏を拡張させるだけさせつつ自国へ反抗する力は持たないようにし、最終的に傀儡政権を打ち立てて植民地化するというもの。日本は帝(天皇)の元に対等であるという考え方なのでこの手の謀略は元々ドヘタクソ)はいいが、突然の日本国の出現でロウリアが逆にボロッカスに敗れると、介入を図っていたパーパルディア皇国国家戦略局は自身達への責任追及を恐れ、同時にあまりに信じられない自衛隊の強さを謀略と斬って捨て、この記録を全て隠滅した。
ただし、この戦争は日本はロウリアを「国家を自称する武装勢力」とすることで憲法の制約をすり抜けており、交戦当事国はあくまでクワ・トイネだったため、パーパルディア皇国のみならずより地理的に近い東方文明圏外国にも自衛隊の実力は口コミで伝播していく程度だった。
フェン王国の軍祭の時は、現場の監察軍将兵の証言を全く信用せず、『敗者の戯言』であるとして欺瞞情報と切って捨てた。それどころか日本を異世界からの転移国家とも信じず、単なる新興の文明圏外国だと決めつけていた。────のだが、この時点ではまだ致命的ではなかった。
文明圏外国への監察軍は皇国軍本体とは別組織で、文明圏外国への所謂“砲艦外交”の為に第3外務局が統帥権を持っている武装組織である。その第3外務局々長のカイオスは、転移国家であるという事実には懐疑的ながら、同時に「日本は何かを持っている」と見抜き、なんとかパーバルディア皇国とチャンネルを開きたがっていた日本の朝田外交官と接触、他の文明圏外国のように居丈高に見下そうとする部下を抑えて、日本の懐を探ろうとしていた。
しかし、このカイオスの行動を第3外務局の弱腰ととった皇帝ルディアス、皇族である外務監査官レミール、第1外務局々長エルトは、日本の対応に関してカイオスを外しレミールが直に交渉する方針としてしまう。これがパーパルディアの不幸の始まりだった。
レミールは文明圏外国はろくに文明も持たない蛮族の国と見下し切っており、カイオスのような情報収集をろくに行わず、相手を知らず己を知らずして対日強硬外交(コミカライズ版カイオス曰く「あんなものが外交であってたまるか」)を強行する。
フェン王国のニシノミヤコを攻め落とし、そこで捕らえた日本人観光客を見せしめに全員処刑したのも、その決めつけに等しい認識からであったが、
- 勝利を疑っていなかったために、現場指揮官に日本での降伏の仕方を通達しなかった。
- 日本軍を、降伏すら許さず一兵残らず皆殺しにするつもりでいたため、第三文明圏式の降伏の仕方を通達しなかった。
- 列強仲間のムーが日本に観戦武官を派遣した事を寸前まで知らなかった(この頃この世界では、ムーが観戦武官を派遣した国=確実に戦闘で勝利する方の国というジンクスが出来ていた)。
という幾つものフラグを立てた結果、フェン王国に攻め込んでいた皇国軍は自衛隊によって全滅させられる。第三文明圏式の降伏の合図をしたが、攻撃魔法の儀式と判断され殲滅される。自衛隊側も薄々は気づいていた様子だったが、指揮官が先の虐殺事件の被害者遺族だった影響もあったのか、好意的には受け取ってもらえなかった。そもそも(報復を正当化するアリバイ作りも兼ねると思われる)日本式の降伏の合図を通達している為、それ以外の方法では認めないという前提があった。
ここに至っても皇国側は未だに日本国を侮り、ついには日本国を完全に滅ぼす殲滅戦を宣言するという、見事な死亡フラグを打ち立てた。
しかし殲滅戦を宣言した後、アルタラス王国での戦いで、アルタラス王国を占領していた軍が自衛隊の攻撃で壊滅。その時に現場からの通信で自衛隊の使用する兵器の情報が届いたものの、『敵は飛行機械や旋回式砲塔を備えた軍艦を使用している』という内容に、日本に観戦武官を送っていたムーが、極秘裏に日本に兵器を輸出して支援を行っていると致命的な誤認をおかす。
ムーの大使を召喚して問い質すが、そこでムーから『日本はムーと同じ地球から来た転移国家である』事と、『日本はムーを技術力でも国力でも上回る』事をようやく知らされた。
それまで皇国側は、第三外務局長カイオスを除き勝利を疑っておらず、日本の実力に気付いた時には、悲惨な敗戦を免れる可能性はゼロであり、滅びの道の半ばに差し掛かっていた。
ロウリアの方が強かったんじゃね?
パーパルディアは責任転嫁と現実逃避から、どれだけ損害を重ねてもカイオスとその周辺以外は日本の実力を理解しようとしなかった結果、終始一方的にボコボコにされた。
そのパーパルディアが格下に見ていたロウリアだが、Web版・書籍版では「プロローグ」として駆け抜けたのとは対照的に、漫画版ではロウリア編に3.5巻を割いて詳細に描いている。
ロウリア軍は信じられない自衛隊の能力を目の当たりにしながら、緒戦はともかく、首都ジン・ハークに自衛隊が迫る頃になると現実逃避はしなかった。装備面での圧倒的劣位を実感しながら、あの手この手でなんとかひっくり返そうと様々な戦術を用いた。特に、「重装歩兵で正面に引き付け、騎兵部隊で包囲する」という戦術は、スワウロの盾という日本・ロウリアどちらにとっても計算外の存在により、鼓舞された騎兵隊は損害を恐れず自衛隊を包囲しかけている。これに焦った自衛隊側は、戦術の前提から戦闘機を呼ばない状況だったにもかかわらず、「敵航空戦力は既に機能しない」という自衛隊側の傲慢がある状況でヘリ部隊を呼び、ターナケイン騎から奇襲される事になった(漫画版では被弾したヘリは作戦離脱して帰投しており、その後作戦に復帰するには被弾箇所及び火炎弾を吸い込んだエンジンのオーバーホールが必要だと思われ、ターナケインは大金星を上げたと言っていい)。
日本側の投入戦力(ロウリア戦はクワ・トイネ救済のための限定戦争である)の問題や、不慣れもあったとは言え、ジン・ハークの決戦ではロウリア軍は自衛隊の作戦を妨害することに一定の成果を上げている。さらに、ハーク・ロウリア34世は自衛隊の力を目の当たりにしつつも最後まで玉座に留まったことも、ルディアスやレミールとは違い、ギムでヒャッハーしてた連中と異なり、圧倒的劣勢に追い込まれながらも精鋭の王都騎士団の士気を挫くことはなかった。
これらを考えると、日本にとってはパーパルディアよりロウリアの方が手強かったとも言える。
使用兵器
マスケット
パーパルディア皇国軍の陸軍兵主力装備。いわゆる火縄銃や火打石銃などの前込め式銃。
これとサーベルが歩兵の基本スタイルの模様。
地球の17世紀の水準と全く変わらず、運用方法も同じ至近距離からの一斉射撃のみ。
ただし、後述の兵器群の運用に加え、これよりも数世紀前の技術しか第三文明圏には存在していないので、実質無敗を誇っていた。
魔導砲
パーパルディア皇国軍の主力火砲。
地球の火砲と違い、炸薬ではなく魔術媒体と、爆裂魔法を封じた砲弾を装填し、魔導師の爆裂魔法で魔術媒体を爆破し、砲弾を撃ち出す。そして砲弾は着弾時に爆裂魔法を解放し、黒色火薬を使用した榴弾と同レベルの破壊力を生み出す。
産業革命が起こる前のヨーロッパ並みの技術水準であるパーパルディア皇国の兵器の中で防衛装備庁をして19世紀レベルのものだと言わしめた兵器であり(地球において榴弾を使用する、射程が2キロ以上の大砲が登場してきたのはクリミア戦争辺りから)、他にも、馬やリントヴルム(後述)で牽引する牽引式魔導砲等を開発・使用している。
リントヴルム
パーパルディア皇国陸軍の陸上戦力。
フィルアデス大陸に棲息する四足歩行の地竜で、口から導力火炎放射を吐き出して攻撃する。
皮膚は通常の弓矢を弾き返す程の防御力を持っており、パーパルディア皇国はこの生物を使役して歩兵戦車と同じ戦術で使用する事により、陸戦において他国の軍を圧倒し、幾多もの勝利を収めてきた。その業績と信頼から、皇国の国旗にも描かれている。
ただし、コンパウンドボウでの狙撃が通用してしまったりと、自衛隊が採用している弾種で防げるものは9mmパラベラム弾と5.56✕40mm NATO弾くらいで、7.62✕51mm NATO弾には早速怪しいという……あっこら地球の黒歴史をほじくり返すのはやめろ!!
戦列艦
パーパルディア皇国海軍の主力を担う軍艦。
50門から150門までの魔導砲を装備し、高い砲撃戦能力を有する。
地球の戦列艦との違いは、艦砲が魔導砲である事以外にも、
- 『風神の涙』と呼ばれる人工的に風を起こす魔法具により、無風状態でも航行が可能(装甲なしで速力は最大15ノット、装甲ありは最大12ノット)
- これに関連して、船体に『対魔弾鉄鋼式装甲』を張り、敵艦の魔導砲に対する防御力も有している(地球の戦列艦だと、装甲を施すと重量がかさんで速力が落ちるが、『風神の涙』がその分をサポートしていると見られる)。
といった点が上げられる。
そのため、戦術も大きく異なり、地球の戦列艦が文字通りの戦列を組んで数十mの接近・切り込み戦を行うのに対し、パーパルディア皇国海軍は戦列を組んで最大射程の2㎞から一斉砲撃を行い、弾幕をもって敵艦を吹き飛ばすのが主戦術となっている。
フィシャヌス級戦列艦
パーパルディア皇国海軍戦列艦隊の中核を担う艦級。
殆どが100門級で、中には120門~150門の魔導砲を装備した『超フィシャヌス級』も存在する。
旗艦級となると通常の木造船を吹き飛ばす炸裂魔法が付与された大弩矢をほぼ無傷で弾く装甲を誇る。
なお、コミカライズ版では戦列艦はサイズ(≒搭載備砲数)によって区別されており、『フィシャヌス級』は下記の竜母のネームシップになっている。
竜母
召喚世界独自の艦級で、左舷側に出っ張る様に設置された長大な飛行甲板を有し、ワイバーンの搭載・運用を行う。
大きさは80メートル程が一般的で、搭載数はワイバーンロードが15騎から20騎程度。
基本は非装甲だが、フェン王国侵攻艦隊には最新鋭艦として装甲竜母『ミール』が実戦投入されている。
フィシャヌス級(コミカライズ版)
コミカライズ版では『ミール』が装甲されているかどうかは不明。そもそも『ミール』はネームシップではなく、小説版では戦列艦のネームシップとなっていた『フィシャヌス』級とされている。
装甲よりも運用能力の改善・恒常を目指しているようで、従来型では右舷側は左舷側の飛行甲板のカウンターウェイトのアームが張り出しているのが、フィシャヌス級では両舷とも飛行甲板となっている。
ヴェロニア級竜母
ワイバーンオーバーロード(後述)を搭載・運用するために開発・建造された大型竜母で、木造船の現界を超えた全長130メートルの巨体を有し、その分建造・整備コストも非常に高くなっている。
ワイバーンロード
文明国で主力とされているワイバーンで、魔法技術を使った品種改良により、生殖能力と寿命を削った分速度を時速350キロにまで上げられており、ワイバーン原種に対して高いアドバンテージを有する。
本編及び外伝では、某ザクや某ジム並みに主力兵器としても、やられ役としても大活躍している。
ワイバーンオーバーロード
パーパルディア皇国が開発した、新型ワイバーン。
ムーの戦闘機『マリン』や、神聖ミリシアル帝国の天の浮舟に対抗すべく、生殖能力を完全に削除して製造されており、速度は時速430キロにも達し、旋回能力や戦闘行動半径も向上している。しかし竜騎士の身体で耐えれる風圧ではなくなったため、新たな鞍の開発に苦慮している。
また、飛行時に大量の魔力を必要とし、滑走距離も伸びたため、先述のヴェロニア級竜母が開発された。
本編では原種よりも速いだけのF-15J改の単なるカモ。
被害者(国)一覧
- 日本国
- フェン王国
- アルタラス王国
- クーズ王国
- クワ・トイネ公国(間接的に被害者側)