概要
和名 | ヒャッポダ |
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学名 | Deinagkistrodon acutus (Günther, 1888) |
分類 | 脊索動物脊椎動物亜門四足動物上綱爬虫綱双弓亜綱鱗竜上目有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ上科クサリヘビ科 |
全長 | 80~100㎝。最大150㎝ |
分布 | 中国南東部からベトナム北部。及び台湾・海南島 |
名称
漢字表記は百歩蛇。咬まれると百歩歩かぬうちに死に至るという意味で名付けられた(一部の漢名はさらにエスカレートしている)
属名はDeinagkistrodonギリシャ語で「deinos」は「恐ろしい」、「agkistrodon」はアメリカマムシ属を意味する。
(猶、「agkistrodon」は「ancistrodon」の綴り間違えで、「ancistro」は「鉤」、「odon」は「歯」を意味する)。
種小名acutusはギリシャ語で「尖った」の意。
英名はShrpe-nosed Viper、Hundred Pacer、Long-nosed Pit Viperなど。
漢名は五步蛇、七步蛇、尖吻蝮、白花蛇、百花蛇、山谷虌など。
形態
体色は淡い灰白色から明るい茶褐色を基色とする。体側には直角二等辺三角形の濃い茶褐色の斑紋が16~21個ほど並ぶ。この斑紋の中央付近はやや明るい橙褐色に抜け、周辺は黒く縁取られる。三角形の底辺長は約7~8体鱗。左右の斑紋は頂角(即ち正中方向)で繋がるため、結果として基色が菱形模様にも見える。吻端から眼を通って頸部の起点近くまで、明瞭な黒縦条が走る。腹板は白みが強く、おおよそ2枚ごとに両端に黒斑を呈するものと無地のものとが繰り返される。
頭部のシルエットは三角形に近く、頸部との括れは明確。吻端板が伸長して尖って上方を向き、種小名や英名、一部の漢名の由来となっている。この突起は中に骨がないので柔らかい。瞳孔は縦に長く、虹彩は金色または銀色。眼前板は2枚。眼後板は2枚で下の1枚が前方に彎曲伸長するため眼と上唇板は接しない。側頭板は3枚。上唇板は7枚で第3・第4が最大で眼後板と接する。下唇板は11枚。
胴部は太い。体鱗は瓦状鱗で弱い隆条がある。体鱗列数は21。腹板数は157~174。肛板は単一。尾下版数は51~63。
生態
標高150m~1500mの湿潤な森林に棲み、水辺で見かけることが多い。
ネズミ・鳥類・カエル等、様々な小動物を食べる。
繁殖生態は卵生で、1回に20-30個の卵を産む。
毒性
出血毒。
人間との関係
台湾ではアマガサヘビ・タイワンコブラ・タイワンアオハブ。タイワンハブ・シャムクサリヘビと共に「台湾六大毒蛇」と呼ばれ、恐れられている。
また、台湾原住民のパイワン族の高祖としても崇拝される。
広東料理では、ヒメナンダ・タイワンコブラ・マルオアマガサ・ホウシャナメラと共に五蛇の1つに数え、蛇スープの食材や肝酒や蛇酒にも利用されている。漢方薬の材料としても取引される。