「……名、か。……そんなものは、忘れた――」
概要
精霊消滅後の1年後の世界に顕現した正体不明の精霊。
容姿は色素が抜け落ちた白い髪に、幽鬼のような青白い肌をしている。霊装は擦り切れ切った外套に各所に亀裂が見られる。
本来の精霊の定義である崇宮澪から由来する存在とは、全く定義が異なる精霊。識別名は〈ビースト〉と呼称される。
士道はその顔にどこか既視感を感じている様だが…?。
人物
己の名を忘れ去っている。本能のままに動く獣に等しく、理性と呼ぶべきものはほとんど見受けられず、ただ破壊を周囲に振りまくだけの存在だが、士道が発したある言葉に対してだけは、僅かながらに反応している。
ただしその理由、その正体については謎に包まれている。
能力
十の精霊の天使、全てを大小の剣10本の形で保有するという異常性を有する。
十の精霊の天使とは別に巨大な爪状の天使も有する。
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その正体(ネタバレ注意)
その正体は並行世界から招かれた夜刀神十香である。(要するにコレのこと)
その世界では士道がなんらかの事故により死んでしまい、反転を通り越すほどに絶望した十香が他の精霊を殺し、破壊の限りを尽くしてしまった世界と化してしまっていた。
そちらでの折紙と二亜が十香に殺害された描写が、平穏に過ごしていたところに襲撃されるというものだったため、日常の中で突発的に起こった事故である模様。
彼女自身は、謎の声によって導かれ、鏖殺公のあらゆる条理や概念、世界を隔てる壁すら切り裂く能力によって、こちら側の世界にやってきたのである。
自らの〈爪〉を〈鏖殺公〉に変化させて空間を切り裂いて並行世界へ帰還するが、残していった〈暴虐公〉を使用して並行世界まで追ってきた士道にキスされて、十香としての理性を取り戻す。そして、お互いの世界のことを士道と語り合った後、自分たちの世界で暮らさないかという士道の提案を、シドーとの思い出が残るこの世界に残ると決めて断り、〈鏖殺公〉で切り裂いた空間の傷から士道を元の世界に帰還させる際に、士道の唇に近い頬にキスして 「デートの続きはそちらの十香にしてもらえ」と士道を送り出す。
その後、自身が破壊した並行世界を旅してる途中に、死を偽装していた大人の姿になった並行世界の時崎狂三と再会し、「この並行世界をやり直さないか」と提案される。
この十香の世界では、修学旅行先が或美島ではなく沖縄となっており、八舞姉妹がサーターアンダギー早食い対決をしたり、(十香が二人よりたくさん食べた結果ノーゲームとなった)天央祭ではメイドカフェではなく猫耳喫茶となっており、士織が猫耳でステージに立っていたり、七罪が夕弦に化けていたり、同人誌対決でバニーガールではなくナース服だったり、折紙の精力剤の材料のスッポンとオットセイの比率が違っていたり、幻書館で士道が変貌したのが白雪姫だった。