「これで素晴らしき朗読への恩は充分であろう、人の子よ。……はて、物語を紡いでいるのは誰なのか。私が“そなた”に?それとも、“そなた”が私になのか?」
「すまぬが、そなたの脚本は採用しない。なぜなら……この先の脚本を記すのは“私”であるからだ」
CV:根谷美智子
概要
千年を生きた『尊厳なる観劇と戯曲と傍観の魔女』。
『うみねこのなく頃に』の物語を、登場人物の誰よりも離れた場所から観測している。魔女達の階級で最上層である元老院に名を連ねる大魔女であり、「大アウローラ卿」と称される。
千年を生き飽きたことで魔女としては年老いており、頭部にある記憶保存装置(角のように見える部分)に自らの名前・容姿・性格などのアイデンティティを全て記録することで、辛うじて存在を保っている。
かつては伝説の大魔女として、数々の名ゲームの進行役を務めた「ゲームマスター」であった。しかし、その伝説も栄光も記憶も全て、既に過去へ消え去り忘却されている。
胸の厳かな勲章だけが、その記憶を留めている。
魔女を殺す唯一の毒である「退屈」から逃れる為、人間に自らの能力を分け与えて物語を朗読させ、その内容を第三者の立場として吟味することを喜びとする。
この朗読者に任命された人間は巫女と呼ばれている。(作中では奇跡の魔女ベルンカステル、右代宮縁寿が巫女)
彼女は魔女の域を極めすぎて、魔女の世界から「造物主」の域にまで達し、至ってはならない境地にまで至った。一度は魔女を殺す「退屈」の病に没するが、飼い猫(ベルンカステル)の助力によって蘇ってきた。
魔女達が人間をゲーム盤の駒と蔑んで上層世界から見下ろせるように、彼女は魔女達の領域さえもゲーム盤の駒と嘲笑って、更に上層の世界から見下ろせる。至ってはならぬ最上層に触れながら、生きて帰ってきた……「神の国より生還した魔女」なのだ。
数々のカケラで起こった物語が記録された、図書館と呼ぶにはあまりにも広大な「図書の都」の主であり、その全てを支配・管理している。
正式名称は「尊厳なる観劇と戯曲と傍観の魔女により厳選されし名誉ある図書の都」
フェザリーヌに仕える事を許された護衛の黒猫達は、別世界のカケラでゲームの主人公を務めた「各界の魔王達」であり、他作品で主人公を務めたキャラクターであった事が判明している(前原圭一、森谷毬枝、レオ・獅子神、アリス(トライアンソロジー)、御岳 都雄など)。
能力
作中で披露した能力は「物語停止と物語改変」。
物語停止に関しては、「時間が止まったと言うよりは、本を捲るのを停止したと言う方が正しい。」と作中で説明されている為、通常の時間停止の概念とは異なる。恐らくだが、うみねこのなく頃に本編は勿論、世界のあらゆる事象や世界そのものが、彼女にとっては観測すると本の中で進んでいく物語に過ぎない。彼女自身が物語を紡ぐ立場である為、彼女が物語を観測するか、あるいは物語を書き記さなければ数々の物語(カケラ)は動かない。よって、これは「常時物語停止」だと解釈して良いだろう。
更に自らが空間に物語を書き記す事で、書き記された内容の通りに世界が反映される。現実改変と非常に似ているが、フェザリーヌは作品を超越した「作者」の立場から改変している為、これも現実改変とは若干異なる。これが「物語改変」と呼べるだろう。
ベルンカステルとの関係
奇跡の魔女ベルンカステルもかつては彼女の巫女だったが、ある日フェザリーヌは彼女自身を過酷なゲームの渦中に放り込み、あろうことかゲームの案内役まで放棄するという暴挙を犯した。
ベルンカステルの作中における性格は、この時案内役を失い彷徨い続けた結果心が壊れてしまった事に由来するらしい。その為、ベルンカステルはフェザリーヌを非常に嫌っている。
フェザリーヌはベルンカステルを「猫」と呼び、ベルンカステルはフェザリーヌを「アウアウローラ」と呼ぶなど、両者の間には深い因縁が刻まれている。
作中での活躍
EP6にて初登場。現実世界では八城十八として登場し、縁寿を巫女に就任しうみねこ内の物語を観測させた後、元々巫女であったベルンカステルを呼び出し姿を現す。
EP7にて「全ての答え合わせがしたい」とゲーム盤を用意し、ベルンカステルをゲームマスターに就任させ全ての真相を暴かせた。
EP8では、六件島の真実を求め続ける縁寿の意向により「一なる真実の書」を世界へ公開しようとした。
が、途中で考えを改めた縁寿や黄金郷の住人達が必死に公開の阻止を試みる。
真相を暴き全てを白日の元に晒す事が目的だったベルンカステル・古戸エリカは縁寿達と敵対し、やがて全面戦争へ発展。(その際に、『絶対のハッピーエンド』を見せると約束した戦人・縁寿側に付いたラムダデルタを上記の能力で瞬殺する。経緯を省き結末から記したため、彼女自身も納得しておらず、その後は決着が着くまで戦いには参加せずに脚本を執筆していた。)
一度黄金郷は完全に滅び去り、縁寿以外の全員が殺される。
しかし縁寿がその後「反魂の魔女」へと至り、「黄金の真実」でベルンカステルを打ち破り全員を蘇らせた。
よって、フェザリーヌは縁寿含めた黄金郷の住人達を黄金郷へと帰す事を約束。
物語は最終局面を迎え、フェザリーヌは八城幾子として現代で戦人を連れ、縁寿と合流。今は戦人では無く八城十八として生きる戦人。六件島での日々を生きた記憶の中の戦人は、縁寿が完全再現した六件島の右代宮家を見せた事で黄金郷へと旅立ち、長い物語に幕を下ろした。
『ひぐらしのなく頃に』との関連性
彼女は『うみねこのなく頃に』の前作にあたる『ひぐらしのなく頃に』の登場人物「羽入」との関連疑惑がプレイヤーによって指摘されている。
・フェザリーヌを英訳して二つに分けるとfeather・in(羽・入る)となり「羽入」となる
・ベルンカステルからの呼び名「アウアウローラ」のアウアウは羽入の口癖「あぅあぅ」に通じる。
また、ベルンカステルを「巫女」にして過酷なゲームに投じたという設定も、『ひぐらしのなく頃に』のストーリーにおける登場人物「古手梨花」の運命に類似している。
このことから『ベルンカステル=梨花』『フェザリーヌ=羽入』とし、ベルンの本編での性格の起源に羽入黒幕説を求めるプレイヤーも存在するが、真相は定かではない。
作品の性質上、推理の妨害のため作品終了後もブラフを出し続けている可能性は否定できないものの、現在の所最新のインタビューでは「頭部記憶装置の破損によりフェザリーヌが一時退行した姿が羽入」との設定になっている。(作品終了前のインタビューでは他人だとの主旨の返答を行っていた作者の主張が二転三転している)
OPにおいて、嘲笑う彼女のような影が確認されている。
CV:日髙のり子
『久しぶりであるな。人の子よ。』
「郷壊し編」にてその姿をついに現す。
フェザリーヌと酷似した風貌だが、彼女はフェザリーヌとは異なる名前であると作者に明言されており、CVも違う。
当初は名前は無いと語るも、物語の流れから「エウア」と名乗るようになった。
カケラの世界へと迷い込んだ北条沙都子に、自覚しない何かを代償としてループする能力者としての力を押し売りのような形で与えた。
そして、それをきっかけに『業』の惨劇は始まった。
実行犯である迷い人こそ惨劇の黒幕だが、全てを観覧して楽しんでいるという意味での真の黒幕がこの彼女である。
ファンの間での評判
上記のようにフェザリーヌの容姿・設定は羽入に類似しており、同一人物扱いされることも多々ある。
pixivでもベルンカステルまたは羽入と同時に描かれることが多い。
よく勘違いされるが、頭の記憶補助具は角ではなく、浮いている。
刺さっていたら一大事である。