「すべては、我が主のために」
概要
声優は羽多野渉。愛称はフェンリっち(命名はフーカ)。年齢は2079歳。
同作品の主人公であるヴァルバトーゼの執事で、主人に絶対的な忠誠を誓う狼男。
「すべては、我が主のために」が口ぐせ。
固有魔ビリティーが全てヴァルバトーゼ関連の内容、ドラマCDの解説で「閣下への忠誠心は半ば狂信的」とまで書かれたほどであるなど、主に心酔しているのがよく分かる。
かつては暴君と呼ばれる程の悪魔であった主が、今やプリニー教育係という閑職に落ちぶれている現状を快く思っておらず、主を支配者の座に押し上げるため、日々画策している。
悪知恵が働き、嘘や詭計が上手く機転が利く。人間の血を飲む事を自ら禁じている主人に、人間の血を仕込んだイワシを食べせようとする、主人を庇って怪我をした時はこれ幸いとばかりに、一芝居打って自分の血を飲ませようとする(人狼なので多少該当している)など、主の為には主すら騙す。ちなみに「またしても」と言う主人のセリフから察するに、頻繁に仕掛けてる様子。(本人曰く「冷静沈着がモットー」)
時にはアホ呼ばわりしながらも上手く主人を支えている忠臣である。
人間の事は過去にヴァルバトーゼが地獄に落ちた経験もあって基本的にアホ呼ばわりして見下している。
まあディスガイア4の人間は、そう呼ばれても仕方が無い事ばかりやっているのだが・・・。
また、あまりにも主人に心酔しているためか、周囲からゲイの疑惑をかけられたり(「覇道に女は不要」、「世界の覇者に恋愛要素は無用」と言いきった)、ツンデレ扱いされることもある。
ヴァルバトーゼに出会う前は自らの野望をかなえてくれそうな者を探すがてら傭兵家業をしており、『月光の牙』と呼ばれる腕利きだった。ある日、ヴァルバトーゼを快く思わない悪魔から彼の暗殺依頼を受けたのが、出会いの始まり。
いろいろあった後にヴァルバトーゼから『全ての人間の畏怖の対象になる』という野望を聞き出し、さらに自分の窮地を身を挺して救った彼の強さに心酔し、ついていくことを誓った、という。ちなみに、フェンリッヒ自身の野望は「秘密だ。」とのこと。
(本編でフェンリッヒEDを迎えると、自身の野望について話してくれる)
性能とプレイヤーからの評価
初期加入の固有キャラ。
ヴァルバトーゼと隣接することで能力が30%上昇する魔ビリティー「暴君のしもべ」を持つ。
ほかMAP上のヴァルバトーゼのHPが少ないほど能力アップの「あだ討ち」を習得する。
最序盤で全能力30%アップの効果は強烈であり、防具を3つ装備させるなどしてDEFのパラメータを強化すれば、敵の猛攻をものともしない強固な壁となる。また得意武器がSPD(回避)と反撃回数を強化する拳であるため、SRPGの基本である敵を釣り出して反撃で倒すという戦術を取りやすい。
戦闘ではヴァルバトーゼと並べて待機させるだけで、近づいてきた敵を反撃で次々と殲滅していく脅威の殺戮マシーンと化す。敵が通常攻撃しか使ってこない間は間違いなく最強キャラである。
問題は特殊技に対しては無力という点で、ゲームが進み、戦闘が特殊技の応酬になる段階まで来ると強みであった反撃による殲滅力がほとんど活かせなくなる(『4』は特殊技に対して反撃ができない)。
また風祭フーカが「特殊技の被ダメージ50%軽減」という壁向きの魔ビリティーを持っているため、ゲームが進むとフーカの方がより多くのダメージに耐えられるようになり、彼女に壁役としての立場を譲らざるを得なくなる。
そのためゲーム中盤から攻撃役にシフトする必要が出てくるのだが、覚える固有技が全て風属性という偏った性質により非常に使い勝手が悪く、動かすのには難儀する(ディスガイアは耐性でダメージが増減する)。
武器技に頼ろうにも拳技は予備動作エリアを必要とするものが多く、「ヴァルバトーゼに隣接」という制約との両立が困難なため、使い勝手の悪さは変わらない。別の得意武器として斧があるが、そちらも射程が短いという弱点があり、やはり固有魔ビリティーとの相性は悪い。
無/星属性で耐性をほぼ無視でき、おまけに固有技の範囲も広いヴァルバトーゼ/デスコ、三属性の魔法を習得し常に敵の弱点を突けるエミーゼルと比べると、あまりに不憫である。
固有魔ビリティーの発動に拘らなければ普通に動かせるが、その場合固有魔ビリティーの効果がないも同然の状態となり、あらゆる汎用キャラの劣化となってしまう。
エトナもそうだが、ストーリー上では強い人物ほどゲームのステータスでは微妙な性能になる傾向がディスガイアシリーズにありがちなことがうかがえる。
こうした事情から主要6キャラどころか全体で見ても弱いとして、当時のプレイヤーの間で、
「フェなんとか」「投げ係」「魔拳ビッグバン引換券(※)」「月光の牙(笑)」
などの不名誉なあだ名を付けられるハメになってしまった。
※稼ぎステージである練武山4で必須とされている特殊技。フェンリッヒはLv500で覚える。上位の武器技は本来、高ランクの汎用キャラでなければ習得できないが、魔拳ビッグバンだけはたまたまフェンリッヒが覚えたため、貴重な継承元として育てる人が多かった。
暴君ヴァルバトーゼ編で新魔ビリティー「月光の牙」が追加されたが、その効果が「風属性のダメージ20%アップ、風属性の被ダメージ20%ダウン」というピンポイント過ぎるうえに貧弱なものだったため、これもネタキャラ扱いに拍車をかけた。
なお流石に開発サイドも問題だと思ったのか、移植作品である『4 Return』では固有魔ビリティーの効果が、「ヴァルバトーゼに近いほど能力アップ」に変更されており、その最大値も+50%と強化されている。
隣接の制約がなくなり、(よほど悪い地形でなければ)常に+20~40%の強化を維持できるため、使い勝手が大幅に向上している。あだ討ちも併用すれば更なる能力アップが望め、最弱扱いされていた無印時代から一転、名実共に「閣下の最強のしもべ」と呼べる、頼れる前衛となった。
余談
- 『D2』のキャラ説明文には「特殊技が風属性。」の一文が何故かわざわざ付け加えられている。ほか、概要にもある女性人気の高さを意識した台詞がある。
- 格闘ゲーム「ブレイブルーシリーズ」のトッププレイヤーに「フェンリっち」というHNのプロゲーマーがいる。
関連イラスト
ヴァルバトーゼと一緒に描かれたイラストが多い。
関連タグ
デス様…吸血鬼の主に絶対の忠誠を誓う従者つながり。
エトナ…こちらも主人公の従者つながりである。ただし、エトナは正確に言えば主人公の父親に忠誠を誓っており、肝心の主であるはずの主人公に対しての接し方は結構ひどいなど違いがある。
アルティナXENO…ソシャゲに登場した同僚。ただし関係は険悪。