概要*
ミズナギドリ科フルマカモメ属の鳥。見た目はカモメに似ているが、鼻の部分がチューブ状になっていることからわかるようにカモメではなくアホウドリに近い。
フルマとはノルウェー語で悪臭を意味する。フルマカモメは危険を感じるとミズナギドリ目特有の独特な胃液を吐いて身を守る。この胃液は消化用の分泌物ではなく、謂わば食事の残飯である。ミズナギドリ目は魚類や甲殻類や軟体動物を餌とし、餌から出来たこの液体を前胃に貯蔵する。鳥類は餌を前胃に一時的に貯蔵することが可能で、後からそれを栄養として吸収することができる。フルマカモメの胃液もこうして蓄えられた栄養であり、反撃に使わなかった場合は雛や自身の栄養として使える。
ともあれ、フルマカモメの吐く液体の正体が腐った魚介と言えばその臭いの酷さが想像しやすいだろう。しかもこれは鳥の羽根を絡ませて飛行や水面での浮遊を損なわせる効果もあるので鳥類相手には特に有効である。哺乳類相手にはこの効果は生きないがそれら相手には臭いだけで充分追い払える。水で洗っても落ちないのでもし仮に近付くのであれば充分注意するように。
他にも大量の海水を摂取するため、塩分を体外に排出するための腺が鼻の部分にある。
オオフルマカモメは上記のように魚介を食べる他に、腐肉を漁ったり、海鳥を襲って食べることも知られる。