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概要編集

イギリスの作家チェスタートンが創造した名探偵

風采の上がらない神父で、蝙蝠傘を置き忘れる癖がある。しかし、並外れた想像力と、聖職者でありながらタブーをも乗り越える逆転の発想で、真相を明らかにしてきた。

もともと怪盗であったフランボウは、神父の能力と人柄に感嘆し、カタギとして生きることを誓った。

代表的な事件に短編「折れた剣」「神の雷(いかずち)」「銅鑼の神」などがある。


その驚異的な能力は後世の名探偵と呼ばれるキャラクターに多大な影響を与えている。また探偵としては神懸り的ながら、むしろその能力を発揮するまでは昼行灯で凡庸な人物という印象を受ける者も多く、逆にそんな人物であるからこそ真相を指摘する部分でのカリスマ性が際立つ、という造型はむしろ現代では類型にすらなっている。


また、「犯罪者は独創的な天才だが、探偵はそれに対する批評家にすぎない」はブラウン神父シリーズの第一作目「青い十字架」にでてくるセリフ(吐いたのはフランスの探偵ヴァランタン。予断ながらこの台詞は実は「青い十字架」内で最大のトリックのための前振りである。つまりそうヴァランタンはそう言ったが、ブラウン神父自身が……)であり、青山剛昌が創造した怪盗キッド最大の盗品(また、同作に登場する警察官茶木神太郎は、このブラウン神父が名前の由来となっている)。


なお、イギリスでは少数派であるカトリックの神父だが、作者のチェスタトーン本人もイギリス人ではあるがカトリックの熱心な信者であり、信仰していたカトリックの観点から「合理主義や現実主義とは、本当に合理的・現実的なのか?」「神秘主義とは本当に神秘的なのか?」というような逆説を述べた著作も多々有り、一歩間違うといわゆる「馬鹿ミス」(例:フィクションに良く出て来るようなタイプのいかにもなお堅い牧師が登場する→実は「フィクションに良く出て来るようなタイプ」なのも当然で、キリスト教各派の教義の違いなどを良く知らない役者がある理由で牧師に化けてただけ→ブラウン神父の事件についての感想「イギリス人がカトリックの事を知らないのは仕方ないが、不思議な事にイギリス人の多くは英国国教会の事も全く知らんのですよ」)になるような逆説的な話も多い。


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