ヘッドカノン

へっどかのん

英語圏のオタク界隈で用いられるスラング「Head canon」のこと。直訳的には「頭の中の公式」を意味する。所謂「脳内設定」のこと。

概要

ヘッドカノン（Head canon）あるいはヘッドキャノンとは直訳すると「脳内正典」（「カノン（canon）」は「正典」や「正史」、「規範・基準」の意味でスラング的には「公式設定」を意味する）であり、主に二次創作などにおける個人的な脳内設定や二次設定などの非公式設定を指す語。

ヘッドカノンとされるものはあくまで二次創作の作者が創作した設定であり、公式の設定ではない。pixivをはじめとしたファンの創作活動が盛んなサイトでは注意書きなどで時々見かける単語である。

英語圏由来の用語であるため使用者は英語話者が中心だが、国内においては海外原作の作品のファン層で使われる傾向がある。

時には非公式でありながら多くのユーザー間で共有される人気の設定もあり、作品をよく知らない層から公式設定と誤解を受けることもあるため、各自界隈では場合に応じて適宜ヘッドカノンであることを明確にしておく必要を呼びかけられていることもある。

ニュアンスとしては日本語で言うところの「脳内設定」や、俗に「妄想」と称される類の極めて個人的な理想に基づく独自設定に該当するため、大抵の場合は自虐的なニュアンスを込めて使われることが多く、第三者が使う場合はやや侮蔑を含んだ意味合いになることが多い。

ほぼ同じ意味の言葉にファンカノン（Fan canon、「ファン独自の設定」や「二次創作設定」に該当する）という言葉もあるが、こちらはヘッドカノンに比べるとより柔らかく丁寧な印象があるため、ヘッドカノンと呼べるものに対する第三者からの呼称としてはファンカノンと呼んだほうが角が立たない。（一例として、公式が二次創作に関する規定を定めているコンテンツなどにおいて、「ファンカノン」は公式からの規定文等でも使われる一方、「ヘッドカノン」はそういった場面ではまず使われることはない。）