概要
「船乗り風」という意味のイタリア料理。
トマトとニンニク、オリーブオイル、オレガノを材料としたソースの一種で、ピッツァ、パスタ、ラビオリ、アクアパッツァ(魚介類の水煮)といったイタリア料理に使用される。
あるいはこのソースを使用した前述の料理の名前をマリナーラと呼ぶ。
マリナーラソースで肉を煮込んだ料理はマリナーラとは呼ばず、「ピッツァイオーロ(ピザ職人風)」となる。
名前はイタリアの都市ナポリの船乗りがよく食べていたことに由来する。
マリナーラ・ピザ
ナポリの漁師達がなじみのパン屋にあり合わせのトマトとオリーブオイルを使って作らせたのが始まりとされる。その後、ナポリで料理に愛用されていたオレガノとニンニクが加わり、現在ではイタリア全域に広まり、どのピッツェリア(ピザ専門店)でも定番の一品となっており、ナポリで伝統的なピッツァとはマリナーラとマルゲリータのみで、それ以外のメニューが無いのが本格的とされる。
日本ではシラス等の魚介類が具材として用いられることがあるが、本来のマリナーラ・ピザは具材は何もなく、魚介類が乗った物はチチニエリとなる。チーズも乗っていない。
ゲーム『原神』に登場する漁師トーストはマリナーラがモチーフであると考えられる。
パスタ・マリナーラ
ピザ同様にソースのみで具が何もないパスタを指すが、ナポリ周辺ではプッタネスカの事をマリナーラと呼ぶ場合がある。(現在ではイタリアでも具が入っている物が普通になっている模様)
ナポリではこのパスタには粉チーズをかけないという方が多数派らしい。
マーティン・スコセッシ監督による、実在したギャング達の半生を映画化した映画「グッドフェローズ」では、このマリナーラが主人公達の栄枯盛衰を象徴するセリフに用いられている。