「あんたを殺して過去にけじめをつけるの。新しい一歩を踏み出すためにね」
CV:雨宮天
概要
テロリスト集団「逆さ月」に所属する吸血鬼の少女。かつて学院でコマリをいじめて引きこもりに追い込んだ張本人。青い髪が特徴で、黒い狐面を着用する。実はオムライスが好き。
動向
過去
実力至上主義であるムルナイト帝国の政治家の家に生まれたミリセントは、父から事あるごとに「強くなりなさい」と教えられ、期待に応えるために努力していた。
11歳の時、父が天照楽土から連れてきたアマツ・カクメイのもとで戦闘の修練を始める。
しかしアマツが用いたのは魔核の効果を打ち消してダメージを与える物干し竿状の神具だった。逃げようとすれば父から叱責され、立ち向かっても実力ではアマツに全く敵わず、ミリセントは傷を増やす日々を送った。
父の目的は、ミリセントに逆境にめげない心を養わせ、心の有りようによって発現するとされる特別な力「烈核解放」を宿させることだった。
しかし一か月が経過しても烈核解放は発現せず、時間を修練に費やしたことで学院での成績も落としてしまい、父からは努力を認めてもらえずにいた。
(後にアマツがミリセントに語ったところによると、親の言いなりになるだけでミリセント自身の意志があまり関わっていなかったため、努力や才能ではなく意志と運命によって生じる烈核解放を獲得するにはそもそもこの修練は無意味だったらしい)
ある時、学院で未来が見える烈核解放を発現させた少女の話を聞く。興味を持ったミリセントはその少女に自分の未来を見てもらうが、同時にミリセントの境遇を知った少女から哀れみを向けられる。
帝都の下級区出身でありながら自分よりも学業で優秀な成績を修め、自分がどれだけ望んでも手に入れられずにいる烈核解放を持つ少女を妬んだミリセントは、取り巻きを扇動して少女を虐めるようになった。
ろくな抵抗をしない少女に飽きた頃、ミリセントは戯れに少女を殺そうとするが、それをある別の少女が止めた。
その少女こそ、父が対抗心を抱くアルマン・ガンデスブラッドの娘であるコマリだった。
コマリを自分の不幸な境遇の元凶だとみなしたミリセントは、虐めの標的をコマリに変えた。抵抗しない一方で屈することもなく、どころか悩み事があるのかと問いかけてくるコマリに苛立ちを募らせ、ある時コマリが大切にしている彼女の母親のペンダントを奪おうとするが……。
目を覚ましたら病院にいたミリセントは、ペンダントを奪おうとしたその日に学院で大量虐殺が発生し、自分がその犯人として大量虐殺罪および国家反逆罪に問われていることを知る。
家もろとも国外へ追放されたミリセントは、実際に虐殺を行ったのはコマリであり、その父アルマンがミリセントに濡れ衣を着せたと確信。
再会したアマツの勧誘で逆さ月に入って3年後、新たに就任した七紅天の話を聞き、ミリセントは復讐のために再びコマリの前に姿を現したのだった。
コマリとの決着
コマリに敵愾心を抱くヨハン・ヘルダースを協力させ、カレン・エルヴェシアス主催のパーティーに潜入。
正体を明かし、コマリを庇ったベリウス・イッヌ・ケルベロを神具で負傷させる。
あっさり殺してはつまらないと転移魔法で逃走し、後日ガンデスブラッド邸に直接潜入。ヴィルヘイズを負傷させ、取り返したければ帝都のラ=ネリエル廃城にひとりで来るようコマリに要求する。
廃城ではヴィルヘイズを磔にするだけでなく、あくまで魔核社会に則った価値観を持つが故に人を神具で傷つけるミリセントを理解できないヨハンも負傷させる。
要求通りひとりで来たコマリの魔法石による攻撃も防ぎ、一向に烈核解放を使わないコマリに業を煮やし、ほとんど一方的にコマリを痛めつけるが、ヴィルヘイズが血を飲ませたことによってコマリの烈核解放・孤紅の恤が発動する。
かつて自分を殺害した烈核解放を超えるために鍛錬を積んできたミリセントだったが、形勢逆転されて今回も手も足も出ないまま追い詰められる。
コマリは烈核解放のことを自覚しておらず、ミリセントによってボロボロにされながらも、他者のために心の強さだけで立ち向かってきた。
ミリセントにとってコマリのその姿は眩しいもので、「こんなふうになりたかった」という思いと、心の弱さ故のこれまでの自身の行いへの後悔を抱く。
直後にコマリに殺害され、蘇生後にムルナイト帝国の牢獄に送られる。コマリの側は、過去と決別するためにミリセントとちゃんと話ができないかと前向きになっていた。
七紅天として
七紅天闘争前、牢獄にいたはずだったが自由の身となっている。逆さ月には戻っていない。
旧ブルーナイト邸を訪れた逆さ月のメンバー・サクナ・メモワールと対面する。サクナには「色々あった」としか語らず自身はサクナの現在の状況を把握し、何かあればコマリに血を飲ませるよう助言する。
六国大戦では、脱落したオディロン・メタルに代わって七紅天となっており、第五部隊を率いて敵を迎え撃った。
吸血動乱では再びコマリの前に姿を現し、同じ任務に当たる。その際にコマリとは和解を果たした。
復讐の完遂と新たな一歩
コマリとの決着から1年近くが経ち、帝都で誘拐事件が発生。黒幕は、新たに六国の脅威となった組織・天文台の愚者のララ・ダガーで、ミリセントは誘拐現場から回収されたララの武器、殲滅外装01-《刻》を管理していた。
ミリセントは常世にいるロネ・コルネリウスに《刻》の解析を密かに依頼し、後日彼女が製作した《刻》のレプリカとともに返却してもらう。
その後、帝都で《刻》を探していたララと遭遇して戦闘に突入し、《刻》のレプリカで隙を作り勝利する。その際、ララが所持していた殲滅外装04-《縛》がミリセントに適合したため強奪し、以降は元愚者のリウ・ルクシュミオに代わる新たな資格者として使用する。
ララの仲間の愚者・ワドリャ・レスコーフの乱入により転移で逃走するが、去り際に、3日後に残り4つの殲滅外装も差し出さなければ《刻》を魔法で破壊すると脅迫する(直後に肝心の《刻》はこっそり川に捨てた。一応、後日無関係の人物に偶然回収されたが)。
ミリセントは天文台には全く興味を示さず、目的は復讐だと独りごちるが……。