概要
東方Projectに登場する今泉影狼に関連した二次創作的アプローチの一つで、その衣装、あるいは職業などに「メイド」の可能性を織り込んだものである。
「メイド服を着用した影狼」というデザイン的想像をはじめ、「メイドとしての職業に就いている影狼」あるいは「ごっこ遊びをはじめとした交友関係の中で生まれてくるメイド的存在となった影狼」などのストーリー的「メイド影狼ちゃん」のように、それぞれの創作に合わせて「メイド影狼ちゃん」のあり方は様々である。
「メイド影狼ちゃん」は2016年春から夏頃に流行が始まった二次創作的アプローチであり、その後には「メイド影狼ちゃん」をモチーフとした合同誌も制作されているなど、影狼に関連した二次創作の一角ともなっている。pixivでも様々な形での作品の発表が今日でも行われている。
影狼とメイド
デザインアプローチとしての「メイド影狼ちゃん」は主に「様々なメイド服を着用した影狼」であるが、メイド服には古今東西様々なデザインやそれぞれの歴史があり、「メイド影狼ちゃん」においても影狼が着用することとなるメイド服もまた多様である。
今日の幻想郷に見るメイド文化としては、例えば紅魔館のメイド長である十六夜咲夜をはじめ同じく紅魔館の妖精メイドたちといったメイドが存在している。和風が主軸の文化圏である人間の里には稗田家など使用人を雇うものもあり(具体的描写としては例えば『東方鈴奈庵』)、メイドにあたる職も存在している。
こういった咲夜や妖精メイドたちが着用するような西洋風のメイド服文化や和風のメイド的職業もあり、時には物品や資料文献などの形での外の世界の文化が流入したりあるいは迷い込んだ外来人たちや宇佐見菫子などによってリアルタイムの外の世界の文化が持ち込まれることもあるため、影狼が着用し得る「メイド服」の在り方は非常に幅広い。メイド服は例えば日本ではサブカルチャーにおいても独自の展開をみせているが、「メイド影狼ちゃん」においてもこういったサブカルチャーの影響を受けたメイド服を纏う「メイド影狼ちゃん」という可能性も想像されている。
加えて、博麗霊夢の独特な巫女服をはじめ和装をベースとした服装でも独自のアレンジが加わることも多かったり、また幻想郷にはメイド服に限らずフリルを多用する服飾文化も見られていることから、今日の幻想郷ならでは、あるいは影狼ならではのオリジナルのメイド服が想像されることもある。
ストーリーを含むアプローチとしては、影狼の交友関係が同時に交錯することも多い。
例えば影狼全般の二次創作としてわかさぎ姫や赤蛮奇たちとの交流が描かれることが特に多いが、この二人または両者のいずれかが「メイド影狼ちゃん」と深く関わることになる、という想像もある。
このうちわかさぎ姫はその生活環境が霧の湖にあり、霧の湖は先述の紅魔館と近接しているため地理的な観点から咲夜をはじめとしたメイド文化に触れやすい。
直接的な人間関係の面では、咲夜は『東方輝針城』で異変調査側として登場しておりその道中では同作が初登場であるわかさぎ姫、赤蛮奇、影狼のいずれにも出会っている。三者はいずれも原作中で咲夜を通して「メイド」に触れることともなった。
また影狼は『輝針城』での騒動以後、暇になると外に出かけてもいるようで、例えば香霖堂でパーティゲーム(「 汝は人間なりや? 」)に興じていたり文々春新報の取材に応えたりと、外部との接触を行っている(『東方文果真報』)。このゲームもまた元は先述のような外来のものであり、伝わったものを幻想郷流にアレンジしたものである。このとき「 汝は人間なりや? 」のアレンジ者は森近霖之助。
先述のような幻想郷と外の世界のミックスは、影狼の活動シーンの周辺にすでにみられているのである。
「メイド影狼ちゃん」では原作の要素をはじめ多様に想像され蓄積されてきた影狼に関連する様々な二次創作的想像も織り交ぜながら、創作ごとに「なぜ影狼はメイドとなるのか」といった展開の在り方や「メイドとしての影狼はどのように振る舞うのか」といったメイドとしての実際の姿などが、オリジナルデザインを含むメイド的服装の選択肢の多さとあわせて広く探求されている。
影狼の衣装などにまつわる様々な二次創作
東方Projectのキャラクターに関する二次創作では様々な服装アレンジや服装アレンジを含む二次創作ストーリーが生み出されており、影狼にも「メイド影狼ちゃん」以外にも様々なアプローチがある。
例えば「花札服影狼」では影狼の服装に花札のデザインを織り込んだりした様子が想像されており、「バニー影狼」ではバニーガール衣装を着用した影狼の姿が想像されている。
関連イラスト
- メイド影狼ちゃんの多様な可能性
- 和風メイド影狼ちゃん
- わかさぎ姫や赤蛮奇たちとともに