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概要編集

メーティスとは、ギリシア神話に登場する女神である。長母音を省略して「メティス」とも表記される。ゼウスは最終的にはヘーラーを正妻とするが、それまでに何度か結婚と離婚を繰り返していた。その最初の妻がメーティスであった。自在の変身能力を持ち、「​あらゆる神と人のうちで最も物知りな者」と讃えられる知恵の女神でもあった。


かつてゼウスの父クロノスは『自分の子に王座を奪われる』という予言を受け、これを恐れたクロノスは自分の子を片っ端から呑みこみ、自らの腹中に封じていた。最後に生まれたゼウスだけは逃げ延び、母レアーやメーティスと協力して兄姉を助け出し父クロノスを倒した。


神々の王となったゼウスはメーティスを妻として迎え入れるが、ガイアとウーラノスは『メーティスの子がゼウスの地位を脅かすであろう』と予言した。父クロノスのように子に権力を奪われることを恐れたゼウスは用心のため、あるときメーティスを呼び出してこう命じる。


「どんなものにでも変身できるのなら、水に変身してこのコップに入ってみせよ」


メーティスが言われた通りにすると、ゼウスはすかさずコップを手に取り、水となったメーティスをゴクゴクと飲み干してしまった。かつての父クロノスのように、生まれる前の子供もろとも飲み込んだのである。(一説では飲み込まれる際にメーティスは様々な姿に化けて逃れたものの、蠅に変身したところを飲み込まれてしまったともされる。)

こうしてメーティスの存在は失われるが、ゼウスはメーティスと同化したことで知恵の神としても信仰されるようになった。


その後、ゼウスは激しい頭痛に襲われる。やがてゼウスは痛みに耐えかね、ヘパイストスに斧で頭を叩き割るように命じた。すると中からすでに成人した女神が飛び出した。これがアテナであり、ゼウスとメーティスの娘とされる。


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