「魔戒騎士…俺が斬れるか!?」
「ようこそ!長い歴史の中で、ホラーの体内に呑み込まれた魔戒騎士は、貴様が初めてだ!」
登場話:第3話「時計」
声:濱野雅嗣
概要
人の陰我(負の感情)ではなく、「流れる時の陰我」から生まれたホラー。
あらゆる時計の姿に化けられる能力を駆使し、標的の人間が欲する時計に化けて餌となる人間に拾われ、体内に侵入して内側から喰らい、砂に変えてしまう。かなりの暴食で、言い伝えによれば村1つ壊滅させたことさえあるという。また憑依された人間はモラックスに操られるため高い身体能力を獲得するが、最後は狂った笑いをあげながら命を啜りつくされる運命にある。
姿は素体ホラーのままなため直接戦闘には弱いが、「人間を斬れない」という鋼牙の“弱み”に漬けこんで討伐を逃れる狡猾な面を持つ。
活躍
ヤクザ風の男性や女学生を喰らい、ついに鋼牙に見つかるも、陸上部女性部員の片割れに憑依して逃走する。その果てにトラックに轢かれて負傷し、橋にて「ここから飛び降りれば娘の命はない」と脅迫するも、飛び降りた際に鋼牙に救助されてしまう。
しかし投身時のはずみで彼女の身体から離脱することに成功し、別の時計に姿を変えてまた別の女性に憑依し逃亡。
逃亡の果てに時計台に変貌し、カオルを餌および人質にとって鋼牙を迎撃。「カオルは“血に染まりし者”である以上100日後に死ぬ身、だから今ここで喰っても構わない」として鋼牙に退散を迫るも、「彼女には残された時間を生きる権利がある」と否定する鋼牙に斬られ、最期は時計台を棄てて素体ホラーとしての本体を表して逃亡せんとするも、そのまま両断され消滅した。
余談
名前の由来は悪魔学における悪魔の一体・「モラクス」。もしかしたら大手時計メーカーの「ロレックス」も掛かっているかもしれない。
時計から蟲を思わせる多脚を生やして潜伏や追跡を行う姿や矮小な本性はダニそのものである。
時計台の戦闘にて機械の腕で戦闘を行うシーンは同年公開された映画『妖怪大戦争』に通ずるものがあり、「クリーチャーと機械の融合」という表現から牙狼シリーズに参加した韮沢氏のデザイン観や(モラックスをデザインしたのは雨宮慶太氏だが)、ひいてギーガーの時代から受け継がれてきた「無機物+有機物」という異形の一表現論を感じさせる。