概説
『元気爆発ガンバルガー』に登場するヤミノリウスIII世×立花亜衣子のカップリング。
正義のヒーロー・ガンバーチームに敵対する大魔界の魔導士と、ガンバーチームの担任の女教師という接点のなさそうな組み合わせだが、正真正銘の公式カップリングである。
…とは言っても終盤くらいまでは本当にあまり接点はなく、いつも魔界獣で青空町中に騒ぎを起こす悪の幹部と被害者の一般青空市民という関係に過ぎなかった。
よく魔界獣の被害者にされていた亜衣子先生は、ヤミノリウスの命令で昆虫魔界獣バタフラーに羽を生やされて空に飛ばされた挙げ句に人質にされたり、水生魔界獣イカタコブラザーズに消えない墨でヒゲを描かれたり、超魔界獣ドカーンに自宅を打ち上げ花火にされてしまったりなど、ロクな目に遭っていなかった。
二人の馴れ初め
しかし、38話『正義のヤミノリウス!?』で事態が一変。
タキシードを着た緑髪の青年と結婚式を挙げる夢を見た亜衣子先生は、翌朝夢に出てきた人物とよく似た記憶喪失の闇野響史(通称:闇野さん)を助けて自宅に招くのだが、彼の正体は記憶喪失になったヤミノリウスだった。
迷惑はかけられないと帰る所もないのに出て行こうとする闇野さんに対して、亜衣子先生は「生まれながらの悪い人なんかいない」という信念を語り、記憶を取り戻す手伝いをしようとする。
見ず知らずの自分を心配してくれる亜衣子先生を「まるで天使のようだ」と思う闇野さん。彼女に何かお礼をしなくてはと悩み、「この枯れ草が美しい花ならば」と思うと本当にその通りになってしまった。
「もしこの力が知られたら亜衣子先生は怖がって自分から離れてしまうかも」と危惧する闇野さんだったが、超魔界獣イシガッターに襲われた亜衣子先生を救おうと彼女の目の前で力を使う。
闇野さん「驚いたでしょう、亜衣子さん。私には、こんな恐ろしい力があるんです!」
亜衣子先生「例え不思議な力を持っていたとしても怖くはありません。だってあなたは、良い人ですもの」
闇野さん「私が、良い人…?亜衣子さん。やはりあなたは天使だ」
心を通わせて微笑み合う二人。だが、暖かい空気に包まれたのも束の間。
降ってきた石が頭に直撃した闇野さんは気絶してしまい、目を覚ますと記憶が戻っていた。彼は今まで何をしていたか覚えておらず、亜衣子先生を置いて自分が作り出した魔界獣の元へ走り去っていく。
記憶を取り戻し、魔界獣を倒されたヤミノリウスは「記憶を無くしていた間、なにかとても暖かいところにいた気がする」と記憶喪失の間に感じた温もりに困惑していた。
一方の亜衣子先生は突然どこかへ行ってしまった彼に思いを募らせ、彼とのツーショット写真を宝物にしていた。
授業中に完全にぼーっとしていたり、男子トイレに間違えて入ったり、仕舞いには山のような花束を買ってきて花占いに恋の運命を懸けるが、結果はことごとく「キライ」で撃沈(なお、花占いに使った花はコスモス。花びらはほぼ全て偶数なので…)。
それでも最後の一輪で「スキ」になり舞い上がりながら妄想に浸ったりと、完全に恋する乙女と化していたのだった。
ただし、亜衣子先生はそれ以前まで虎太郎らが所属する草野球チーム「青空ゲンキーズ」監督の荒木純に一目惚れされ、本人も魔界獣から助けられたのをきっかけに純監督を意識していたが、闇野さんに恋をしたため、純監督の恋は失恋に終わった。
しかし…
41話『愛した人は魔法使い』でヤミノリウスが掃除機超魔界獣スイトッターに人間達の一番大事なものを吸い取らせると、大事な闇野さんとのツーショット写真を取られた亜衣子先生は悲しみのあまり落ち込んだ…かのように見えたが、
なんと柔道着とハチマキ姿でガンバルガーと交戦中のヤミノリウスに怒りの突撃。「なんですかあ?」と状況を全く理解できていない彼を数メートル先まで放り投げた。
(ちなみに鷹介と力哉のガンバーブレスとコマンダーも吸い取られたが、当のヤミノさんは「子供のおもちゃ」呼ばわりして投げ捨てている)
しかし、写真を見て記憶をなくした間に何があったかを察したヤミノリウスは、作中随一の悪人顔で亜衣子先生を嘲笑いながら闇野さんに変身し、写真を真っ二つに破り捨ててしまう。
亜衣子「愛していたのに…闇野さんを愛していたのに…!」
ヤミノリウス「ん?……お、おい、ちょっと!嫌だなあ、そんなに泣いちゃったりして!おーい、泣くなってば!うわーっ!うるさい、もう知らーん!!ふーんだ」
あまりのショックで泣き崩れた彼女に狼狽して泣き止まそうと声をかけるヤミノリウスだが、さらに泣かれて意地を張るのだった。
そして…
一時は再起不能にまで陥った亜衣子先生だが、二人の様子を見て怒りに燃えるガンバーチームの奮闘を前に立ち上がる。
なんとどこから持ってきたのかメガホンを取り出し、とある宣言をする。
亜衣子先生「闇野さん!」
ヤミノリウス「な、何の真似だ」
亜衣子先生「私は決心しました! 今日から私、あなたを説得します!」
ヤミノリウス「な、なんですかぁ?」
某童謡のミミズとオケラとアメンボを例に善の心を説きながら、混乱して逃げる彼を追いかけ回すのだった。(ちなみに、亜衣子先生は止まったのにヤミノリウスは一周余計に走りすぎて捕まってしまい、かなりマヌケである)
それ以降、魔界獣が負けて悔しがるヤミノリウスに「あなたは本当はいい人です!」とメガホンで絶叫する亜衣子先生と、まともに捨て台詞も言わせて貰えないまま退散するヤミノリウスの姿が見られるようになった。
ヤミノリウスが二大魔王を復活させる儀式の途中でさえ、
ヤミノリウス「ゾイワコヨスマデ ゾイワコノスマデ、サーラサラサラ、マカイヤゾイゴス!今こそここに~」
亜衣子先生「闇野さん!」
ヤミノリウス「はいぃぃっ!」(直立不動)
という感じで緊張感皆無。まるで不良と熱血教師である。
ちなみに亜衣子先生、24時間体制でヤミノさん出現を待機しており恋する女は強い。よくクビにならなかったものだ…。
魔王復活後
二代魔王であるレツアーク、サイアークが甦ると共にヤミノさんの悲願だったゴクアーク復活も果たされるのだが、ヤミノさんは以前余計な援護攻撃をしたばっかりにゴクアークを敗北させた責任を取らされ見限られてしまう。
ゴクアークが人間達同様に自分をエネルギーとして吸収するつもりだと気づいたヤミノさんだが、直後に地面に頭が埋まった亜衣子先生が苦しがっているのを見て咄嗟に魔法で救う。
それを見ていた千夏が亜衣子先生に「ヤミノリウスが助けてくれた」と教えると、「ふーんだ。ただの気まぐれだよーだ」ともはやツンデレ状態。
その後もヤミノさんをずっと気にかける亜衣子先生。一人で三大魔王に戦いを挑むイエローガンバーを「なぜあんなにも頑張れるのか」と驚くヤミノさんに、「彼はこの街を愛しているから」だと答える。
三大魔王敗北後、青空町の人々から詰め寄られて潔く罰を受けようとするヤミノさんだったが、亜衣子先生が彼を庇おうと立ち塞がった。「この人は魔王の命令に従っただけ」という亜衣子先生の訴えを聞いた町の人々は、「もう平和になったんだから」とあっさり納得する。
未だに亜衣子先生が自分を信じている事に驚きを隠せないヤミノさんだが、目の前の光景にプライドを傷つけられ、彼女の言葉を否定しながら姿を消してしまった。
最終回では
最終回で生き残っていたゴクアークが地球をバラバラに破壊し、哲哉を庇って地割れから転落した亜衣子先生を救ったのはヤミノさんだった。
『地球の大魔界化』から『地球の破壊』に目的が擦り変わったゴクアークに反発するヤミノさんは、自分のプライドを賭けてゴクアークに逆らう意思を固める。
「闇野さんもう止めて!それ以上やったら死んじゃうわ!」
「私は…いい人などではない……だが!この地球を壊させはしない!」
地球を魔法で修復しようとするヤミノさんだが、激怒したゴクアークに吹き飛ばされてしまう。再度立ち上がろうとするヤミノさんだったが、亜衣子先生が引き止めた。
「もう、もう十分です。ありがとう、ありがとう。闇野さん…」
彼の手を握りながら涙を流す亜衣子先生に、ヤミノさんは記憶喪失以来初めて彼女の名前を呼び、その手を握り返す。亜衣子先生の想いが報われた瞬間だった。
ゴクアークが倒された後、ヤミノさんは「もうお前達の前にこの姿を表すことはないだろう」と言い残し、引き止めようとする亜衣子先生の声を振り払うようにガンバーチームを称えて何処かへ飛び去っていく。
そして残された亜衣子先生は一人泣き崩れるのだった…
この時のヤミノさんはどこか一点を見つめており、目線の先には亜衣子先生がいたと推察できる。彼の心中は如何なるものだっただろうか。
その後…
そして月日は流れ、ウエディング人形が飾られたショーウィンドーの前で、闇野さんとの写真を寂しそうに眺める亜衣子先生。
しかしその瞬間、ガラス窓にとある人物の姿が映る。驚いた彼女が振り向くと、そこには闇野さん形態のヤミノさんが立っていた!
そして、亜衣子先生は満面の笑みと共に彼の元へ駆け寄って行くのだった…
この後、二人には結婚する未来が待っているのだろう。お幸せに!
後番組の熱血最強ゴウザウラーでは「お似合いのカップル」として一瞬だけ出演。ペアルックのセーターを着て、お馴染みの通行止め標識に乗り空中デートしていた。
突然出現したにもかかわらずかなりの人気があるCPで、BDの表紙ではヤミ亜衣が絡んでいたり、オーディオコメンタリーもヤミ亜衣回だらけだったりと公式が最大手状態。
pixivでは最終回後の様子を描いた二次創作が多い。