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概要
艦船を突撃させて船首に取り付けられた衝角を敵艦に衝突させること。「衝角攻撃」。
「衝角」の記事にある通り、現実でも一応行われていたが近世には廃れた戦法である。
ちなみにラムは『衝角』の意味で、決して体当たりを敢行したヤツらがラム酒を好んでたからライム野郎的なスラングとか、ラム酒を積んでた船が突撃して燃やしてきたとかそういう逸話が由来ではない。
ラム酒の綴りが『rum』に対してこちらは『ram』である。
船底の進行方向の先端が異様に尖っていれば、その船はラムアタック用のものとして判別出来る。
船底に穴を空ければどんなに強固な装備を搭載した船でも沈むため、このような位置に有る。
あれこれ
中世時代までは度々行われていた。
当時は殆どの艦船が木造であったため、ラム先端に金属を施して突撃すれば容易に沈めることが可能で、軍や海賊等で知られていた戦法であった。
やがて金属製の装甲艦艇が出現し始め、実装された当時は火力不足の艦砲では撃沈が難しかったため、物理的な方法で破壊するべく、最新鋭だった蒸気機関の出力と速力をもってラムアタックが再び行われていた。
しかし艦艇の性能が上がり、速力で避けられたり、現在では避けられた挙げ句に艦船と共にレーダー等で命中精度が上がっていった艦砲で沈められるのがオチで、更に間接的に爆薬を積んでラムアタックしてくれる魚雷の台頭で艦船同士の近接戦闘が厳しくなり、何より金属製で出来ている昨今の艦艇同士で衝突すればお互いに沈みかねないので、再び廃れていった。
現代でも味方艦同士が衝突して被害を被る事例もチラホラ散見されている。
現在はむしろ、海底軍艦(電光艇or轟天号)の「回転衝角」やリーンホースJrの「ビームラム」、少し違うがSDF-1_マクロスの「ダイダロス・アタック」のように、創作で用いられる場合もある。
一部の艦艇ゲームでも攻撃手段として用いられ、これに由来したのか、ネット界隈でラムアタックと言うと専ら比喩的に『体当たり攻撃全般』を指す。
創作作品では
主に宇宙戦争ものでよく使われる。有名なのはアルカディア号による体当たりだろう。2013年に公開された3DCGで作られた作品では攻撃手段の一種と言わんばかりに敵艦に体当たりをかましまくってる。
宇宙戦艦ヤマト2199ではガミラス本星の戦いにおいてヤマトがデストリア級に体当たりをかましており、クロワッサンのように湾曲してひしゃげたあと爆沈した。
デストリア級は旧作ヤマトを少し上回る270mもあり、その巨艦をひしゃげさせるほどの威力で突っ込んでるあたり(波動防壁を展開していたとはいえ)いかにヤマトの防御力が桁違いなのがわかるだろう。