概要
元々は当時イタリアの植民地であったソマリランドからバナナを欧州に運ぶための貨物船として計画された、やや小型ながら高速で冷蔵設備を備えた貨物船。
植民地省傘下の「王立バナナ専売公社」の所属船ということもあって、戦時には仮装巡洋艦へ改修することを前提に設計されていた。
輸送のローテーションを組むために4隻が建造され、1937年から38年にかけて竣工・就役した。
就役から2年間は貨物船としてソマリアとイタリアを何度も往復してバナナをはじめとして様々な品物を輸送した。
1940年にイタリアが第二次世界大戦に参戦するとイタリア海軍に徴用され、仮装巡洋艦や病院船として就役することとなった。
No | 艦名 | 造船所 | 起工 | 進水 | 竣工 | 戦没 |
一番艦 | ラム1 | アンサンルド社・ジェノヴァ | 1936/10/29 | 1937/07/22 | 1937/12/06 | 1941/02/27 |
二番艦 | ラム2 | CRDA・モンファルコーネ | 1936/12/14 | 1937/06/07 | 1937/09/06 | 1945/01/12 |
三番艦 | ラム3 | アンサンルド社・ジェノヴァ | 1936 | 1937 | 1938/4 | 現存 |
四番艦 | ラム4 | CRDA・モンファルコーネ | 1937/01/04 | 1937/06/07 | 1937/10/27 | 1942/05/10 |
知名度は低いものの、姉妹それぞれ数奇な運命を辿っており、姉妹4隻で計5カ国の軍籍を持ち、計6回の撃沈or自沈を経験したのは後にも先にも彼女ら4姉妹だけだろう。
詳細は各ページに譲るが長女以外は非常に個性に富み、ネタも豊富なのだが、マイナーさ故かメディアに取り上げられることは少ない。
…皆さん、擬人化のネタとしてどうですかね?
補足
船名について
ラム級の船名は、日本では「ラム○世」と表記されることが一般的。
しかし、ラム(RAMB)は上述の「王立バナナ専売公社(Regia Azienda Monopolio Banane)」の略称であり、「ラム○」と表記するのが正確と言える。
関連項目
バナナ:本来はこれを輸送する予定だった。