つまり、私はグレンと決着をつけるべき。
そういうこと?
CV:小澤亜李
概要
アルザーノ帝国宮廷魔導士団特務分室に所属する魔導士で、執行官ナンバー7《戦車》。
赤い紐で無造作に束ねた青い髪をした小柄な体躯の少女。特務分室の現メンバーでも年少の部類ながら、数々の外道魔術師を打ち倒してきた実力者。
ただし、出自の特殊性ゆえに精神面は未成熟で、感情表現や論理的思考が苦手である。一般教養も備わっておらず、任務中でも非常識な行動をしてはグレンをはじめとした周囲の手を焼かせていた。
帝国魔術学院の魔術競技祭において「天の智慧研究会」の暗躍が本格化してからは、彼らの標的であるルミアの護衛のため学院に編入する。彼女はあくまで囮であり、陰で見守るアルベルトが露払いをしていた。しかし、編入直後に参加した遠征学修で自分の本当の出自を知ってからは、それでも自分を認めてくれたルミアたちを「守るべき友達」と認識し、共に日常を過ごしつつ護衛任務をこなしている。
学院編入後に食堂で食べて以来、苺タルトが好物(それまでは軍が支給するレーションくらいしか食べた事がなかった)。
過去
『Project: Revive Life』と呼ばれる、魔術を用いたクローン技術によって生み出された「魔造人間」という存在。「リィエル」という名前は『Project: Revive Life』の略称『Re=L(リィエル)計画』から命名された。
コピー元は「天の智慧研究会」の掃除屋イルシア=レイフォード。なお創造者が意図してそうしたのか否かは未だ不明ながらそのまま受け継がせることに問題が無い要素においても完全にコピー元のイルシアと同じ存在というわけではない(グレンに拾われた時点で既に『髪の色が淡青色』という点が赤毛であるイルシアと異なっている)。
2年前に生み出されたが、創造者たちのいざこざの末に研究施設に置き去りにされ、施設を襲撃したグレンに保護され特務分室預かりとなった。
彼女が実験動物として扱われないようにとグレンとアルベルトが隠蔽工作をしたこともあり、当初はイルシアの経歴が自分のものだと認識していたが、遠征学修で自身の創造に関与したライネルと邂逅したことで真実を知りパニックに陥る。しかし、グレンの説教を受けて立ち直り、「シオンとイルシアの罪を背負い、2人の分まで生きる」ことを胸に、未来へと歩み続ける道を選んだ。
能力
コピー元であるイルシアの戦闘能力を継承しており、さらに特務分室に加わってから幾度もの実戦を経験したことで、優れた戦闘勘を身につけている。また、魔造人間としての性質により常人より丈夫な身体を持ち、治癒速度も高く負傷してもすぐ戦線に復帰できる。
反面、特殊な環境下で育ったイルシアが一般教養を身につけられなかったこと、そしてリィエル自身の性質・性格が原因で論理的な考えをすることが大の苦手であり、常人が理解できることでも内容をほとんど理解できない。早い話が「バカ」である。
その欠点は魔術にも及び、まともに使いこなせるのは身体強化魔術と錬金術のみで、基本的な攻性魔術ですら発動こそできるが狙った的を大きく外す有様になっている。基本的な攻性魔術での攻撃しかできない試合に初めて参加した際には現役軍人故に本来の実力が発揮できれば当然クラス一の戦闘能力を持っていたにもかかわらず全く攻撃できない囮として使われた。なお次に同様の試合に参加した際には直接触れた相手に攻性魔術で攻撃と成長(?)していた。
このため、戦闘スタイルはイルシアから受け継いだ「魔術で肉体を強化し、接近戦で戦う」ものに限定されてしまっている。
- 隠す爪(ハイドゥン・クロウ)
武器を高速錬成する錬金術の一種。本来は魔術のバグを利用した禁術に近い代物であり、少しでも扱いを間違えれば精神が崩壊し廃人になってしまう危険な魔術だが、イルシアは数少ない例外として正気のままこれを使いこなし、コピーであるリィエルにも同様に受け継がれた。
白兵戦用の武器ならば術者次第でどんなものでも錬成できるが、リィエルの場合は大剣を使用する。また、専用の武器を使わず有事の際即興で使い捨ての武器を用意するという都合上、相手に向かって剣を投擲するなど意表を突いた使い方が可能。
一度武器を創った後はその武器が壊されない限り再発動する必要性が低い魔術であるため、グレンの「愚者の世界」にとっては味方ならば優秀な仲間だが敵に回れば天敵の魔術となる。
関連人物
特務分室時代からの兄貴分。死んだシオンの代わりとして守るよう己に言い聞かせており、強く依存している。
学院に通うようになってはじめてできた友人たち。当初は無頓着だったが、共に生活することで愛着がわき、彼女らに加えクラスの面々も大切な存在になった。
同僚。グレンが帝国軍を除隊してからは彼と組んでいたが、意思疎通がうまくいかず散々迷惑をかけている。ちなみにグレン除隊後に初めて会った時および魔術学院編入の際の2回リィエルがグレンに襲いかかったのは彼にそうするよう吹き込まれたため。
- シオン=レイフォード、イルシア=レイフォード
自身の創造者とコピー元。実の兄妹であり、リィエルにとっても兄と姉のような存在。
- ライネル=レイヤー
創造者の一人にして、シオンとイルシアを殺した仇。自身の出世のためにシオンになりすましてリィエルを利用したが、グレンの鉄拳制裁を受けて帝国に捕縛された。
短期留学した聖リリィ魔術女学院の生徒。行き違いから敵対するが、誤解が解けてからは背中を預けられる友人に、後に特務分室の同僚になる。彼女からは百合ムーブをかけられているが、恋愛に無頓着のため気づいていない。
- エリエーテ=ヘイヴン
かつてセリカと共に邪神と戦った六英雄の一人「剣姫」。製作段階で彼女の霊魂の断片が実験的に組み込まれている。ある事件により魂までも彼女に上書きされかけたことで、固有の秘技を継承する。
関連タグ
夜刀神十香...同一レーベル作品のヒロインで、特殊な生まれゆえの世間知らず、パワータイプの剣士、特定の食べ物をよく食べるなどの共通点があり、共演作品『ファンタジア・リビルド』でも触れられている。