概要
リエンとは『中華一番!』に登場する「仮面料理人」の本名。中国語表記は李嚴。
主人公リュウ・マオシンの師匠であるチョウユとは因縁があり、チョウユとその娘であるチョウ・メイリィを異人館に誘い出した。
ハト肉と偽って猛毒のアカガエルを使った疑似料理をメイリィに食わせ、その解毒剤をかけた料理対決を申し込む。
龍蝦三争覇
勝負の内容は伊勢海老こと龍蝦(ロンシア)を使った龍蝦三争覇。
刀工、炸、焼の三番勝負で決着を付けるこの対決方法は、かつてリエンとチョウユが行った因縁の勝負でもあった。
目隠しをしての刀工勝負に挑むチョウユであったが、海老の中に紛れていた蠍に刺されて倒れてしまう。
卑怯だと咎めるマオに対し、リエンはかつて同じことをされたと語った。
復讐は終わったと立ち去ろうとするリエンだったが、マオは一番弟子として勝負を引き継ぐことを申し出る。
第二の勝負「炸(ツアー)」は揚げ物で速さを競う勝負で、どちらか一方が完成した時点で調理は終了。
その時点で互いの料理の試食による相互判定で決着を付ける。
無謀な戦いに挑む雛鳥と侮っていたリエンだったが、マオは恐るべき速度で料理を完成させてしまい、1勝1敗に持ち込まれてしまう。
第三の勝負「焼」では鍋料理で対決。
過去のチョウユとの料理対決当時使う予定だった数十年ものの乾貨(日干しにして保存性を強めた海鮮類)を取り出し最強の鍋料理を作り上げる。
しかし豪華な海鮮類をふんだんに使い過ぎた為、肝心のメイン食材である伊勢海老の風味を殺してしまい、マオの作った山の幸を使った鉱山飛龍鍋に敗れた。
結果としてチョウユとの過去の因縁に拘り過ぎた事が完全に仇となったのである。
で、そのタレは?
・・・・いいか よく聞け小僧
オレの料理は"炸鳳尾蝦"(エビのナッツ衣揚げ)だ・・・・!!
エビをつぶしたナッツで包み きつね色に揚げる
衣と中身 双方への配慮から油温調節に高度な技術を要するのだ
サクサクしたナッツの衣が油で揚げられ香ばしさ倍増 美味この上ない
さらに特性のタレをつければ 極上の味を奏でる
タレとの組み合わせこそ この炸菜(あげもの)の真髄よ
マオ「・・・・・・」
マオ「―――で、そのタレは?」
・・・・・・そ・・そのタレは・・・・
りんご 玉ねぎ等をきざみ 各種調味料を絶妙な配分で混ぜ合わせ・・・・
マオ「だから そのタレはどこ?」
そ・・・・そのタレはだなァ・・・・
あ・・あと一分もあれば余裕で完成したのだ・・・・!!
マオ「つまり未完成ってこと?」
む!!
マオ「未完成の料理に試食の必要はない!!」
第二戦におけるマオとの会話にて、
リエンは自らが提示した「どちらか一方が完成した時点で調理は終了」というルールにより、特性のタレを作成できなかった。
それにもかかわらず長々と未練たらしく料理の解説を続けた結果、自ら真髄と称した「タレとの組み合わせ」ができていないことを理由に試食を拒否されてしまう。
一方、マオはタレを衣の中に封じ込めて共に揚げるという奇策により"雲竜揚げ"を完成させており、リエンは敗北を認めざるを得なかった。
この一連の場面がネタにされ、ファンからは「タレ仮面」と呼ばれている。
時間制限がある勝負なのにエビを三尾も揚げた上に付け合わせまで飾り切りして盛り付けていたリエンの謎のこだわり(対するマオはエビ一尾だけ付け合わせ無しとシンプル)、料理としては一応完成しているのにタレがないだけで一口もせずに箸を置き、未完成と言い放って敗北を突き付けるマオの非情さもシリアスな笑いを生み出している。
過去の因縁
16年前、リエンはチョウユと同門の好敵手で「龍虎」とまで例えられた。
リエンはメイリィの母メイカに片想いしており、チョウユとのメイカをかけた「龍蝦三争覇」を挑むが、痺れ薬を塗った毒針を材料に仕込まれたのが原因で敗北。
これを機にチョウユを憎むことになり、復讐のために裏料理界へと入門し、仮面の料理人と化して再びチョウユの前に現れたのだった。
事の真相
16年前の「龍蝦三争覇」で毒を盛った犯人はメイカであった。
勝負が始まる前に既にチョウユとメイカは恋愛関係にあったが、秘めた関係だったこともあり、その勝負にリエンは立候補してしまい、チョウユに勝たせるために毒針を仕込んだのが真相であった。
リエンの気持ちを知っていたチョウユは、毒針の事実に気付いた時、リエンの恋情が最悪の形で裏切られてしまうと考え、敢えて濡れ衣を被る形で事実を伏せたが、結果的にリエンはチョウユへの復讐心から最悪の道を歩んでしまう。
メイカはその後、チョウユと結婚して娘・メイリィを産むも、毒針の一件から心労を経て病に倒れ、謝罪の言葉をチョウユに託して、若くして息を引き取っていた。
真相を知ったリエンは仮面を外して和解、素顔は傷だらけではあったが男前の部類である。
最後は勝負に負けたけじめとして裏料理界らしく毒を飲み、自決した。
1番目の刀工では毒を仕込んで棄権試合なのに最後まで仕上げ、料理に飾りまで用意したり、2番目の炸では黙っていれば未完成呼ばわりされずに済んだのに、自らタレの解説をして墓穴を掘るなど、根は真面目で作品に対する真摯さ自体は失っていないのがわかる。
敗因は過去に囚われた拘りによる部分が大きく、真面目なまま基本を活かし客のことを考える姿勢で研鑽を積む方が向いているにもかかわらず、復讐心の視野狭窄から裏で技術を学ぶに留まらず搦め手に手を出し、悪い意味で当時の延長でしか成長出来なかったことが惜しかったと言える。
とどのつまり、リエンはそもそも裏料理界には向いおらず、表でこそ活きるタイプなのである。
また、毒をもられたと認識しているにもかかわらず再勝負やチョウユへの糾弾を行っていない事や、マオが「毒をもったのはメイカではないか」と漏らしたのを怒りより困惑が勝った様子で詰め寄っているあたり、本当はリエンも薄々メイカが真犯人ではないかと気づいていたのではないかという説もある(もしリエンが訴えていれば毒を盛った犯人探しが行われるはずであり、万が一それがメイカだった場合彼女が罰されるのを恐れたのではないかという理由)。
台湾での人気
中華一番!は中国語圏でも人気のアニメであり、リエンもまた悲哀溢れるネタキャラとして国外でも愛されているが、特に台湾ではネットミームと呼べるほどの人気を誇る。
- 2016年、台湾のイベント「COMIC HORIZON」で開催された小川悦司のサイン会では、色紙イラストとしてリエンのリクエストが殺到。作者は大いに困惑した。
- 同じく2016年、台湾の老舗中華料理メーカー「日芳珍饌」から、中華一番!のコラボ商品として炸鳳尾蝦の冷凍食品が販売された。パッケージにはリエンのイラストと「所以我説 那個醤汁口尼?(だから そのタレはどこ?)」のセリフがデカデカと描かれている。なおタレも付いているらしいので試食拒否される心配はない。
関連動画
中の人ネタ
バーン・バニングス…………仮面つながり。
竜騎将バラン…………愛する者を奪われ、復讐に走る。