リング(絶狼)
りんぐ
「理想を理解しない愚か者、理解しつつ無視する愚か者、聞く耳さえ持たない愚か者……不毛な戦いは終わりにしましょう!」
演:セイン・カミュ
紳士的でホラーの中では珍しく人間との共存を考えており、その一環として“コミュニティ”と呼ばれる集落を作っている。
やがて争いの無い世界を望むイユを愛するようになり、コミュニティの設立へと繋がった。
コミュニティ内では教祖的な存在として振るまい、窮地に陥った人間に対しては穏やかな口調で救いの手を差しのべているが、その実態は「多数の人間を生かすために少数の人間を共存のための『礎』として犠牲にする」という独善であり、コミュニティのルールに従わない人間に対しては容赦なく処罰する冷酷さも持ち合わせている。
それらの思想故に番犬所からは危険視されている。
人間とホラーが一緒に暮らしている集落。
表社会で生きられなくなった人間達を保護する駆け込み寺的側面もあったようだが、その一方ではホラー達が安全に人間を喰らうための餌場という役割も兼ねている。
定期的に住人達の中から1人が生け贄に選ばれ、対象となった人間は血のドルチェにされてホラー達に喰われてしまう。
なお、リング自身は人間を喰らう事を極力避けており、イユの歌でホラーとしての本能を抑制している。
劇中で直接描写されたシーンは少ないが、住人の大半がただ目先の保身しか眼中にない者ばかりであり、中には保身のために平気で他人を犠牲にして助かろうとするエゴイストや逃亡中の犯罪者まで含まれる。
また、コミュニティ内のホラー達は表面上はリングに付き従っているが、そのほとんどが住人達をただの餌としか見ておらず、血のドルチェの調達が遅れたら即座にリングを裏切る事も辞さない模様。
早い話が羊と狼を同じ檻の中に入れるようなものであり、絶狼こと涼邑零から「人間をドルチェにして喰うのが共存か!?」と全否定されている。
人間とホラーの共存という理想のために暗躍していたが、人間達を思うがままに味方に付けたコミュニティも、イユを除く住人達との思想の不一致、零の介入、一部の住人の想定外な自己保身、イユの娘ユナ等といった様々な要因で次第に綻びが生じ始めてしまい、更には配下のホラー達が次々と零達に討伐されてしまった。
終盤では「零を殺した者には生け贄に選ばれずに生活できる身分を与える(意訳)」と住人達を扇動して(人間を殺さない)零を追い詰めたものの、直後にユナの存在でイユの歌の効力を失った途端に本能を押さえられなくなって本来の魔獣となり、その姿を目の当たりにした住人達が我に返って逃走。
トドメと言わんばかりに本能に負ける形でイユを喰らってしまい、理想を台無しにした零達に襲いかかった。
最期はユナのサポートを受けた零の斬撃で敗北。利害無しで人間を護る魔戒騎士の信念を「思考の放棄」と一蹴しながら消滅した。
なお、コミュニティから逃走した住人達の末路は不明であるが、魔戒騎士には人間社会に干渉する義務が無いため、逃走後に法の裁きを受けた者もいたと思われる。