概要
本文に直接記載はないものの、伝統的に『ルカによる福音書』『使徒行伝』の著者とされている。
『使徒行伝』がルカ著とするなら、パウロは彼と共に伝道の旅をしていた時期がある事になる。
マリアとルカ
伝承によると、彼は聖母マリアと面識があり、彼女の絵を描いたはじめての人物とされる。
東方正教会の伝承によるなら、このときマリアは幼子イエスを抱いていたという。ルカは最初のイコン絵師とされる。イコンの起源としてはもう一つ、アブガル王に示された「自印聖像」の伝承があるが、こちらは成人したイエスの顔が写されたものであるため、時系列的にはルカによる聖母子像が史上初のイコンということになる。
カトリックにおいても同じ伝承があり、ヨーロッパには『聖母を描く聖ルカ』のような幼子イエスを抱いたマリアの絵を描くルカの絵画が存在する。カトリック側には最初のマリア像を作成した人物と言う伝承もある。スペインに伝わる「グアダルーペの聖母」像は、ルカが作成した実物だと伝わっている。この像のデザインも幼子イエスを抱いた姿である。
ルカ作とされる作品
・ヤスナ・グラの聖母(ポーランド)
・イヴィロンの生神女(ギリシャ)
・ウラジーミルの生神女(ロシア)
・チフヴィンの生神女(ロシア)
いずれも伝承上の位置づけであり、ルカが生きた1世紀に描かれたことが証明されたものは存在しない。