概要
ルルCとはアニメコードギアスに登場するルルーシュ・ランペルージとC.C.のカップリングである。
コードギアスシリーズの中でも人気が高いカップリングであり、互いに強い絆と信頼で結ばれている2人であるためか公式CPと見るファンも多いが、作中では明確に恋愛感情や男女の仲・恋人関係であると示されていたわけではない。
一方でドラマCD等ではC.C.にとってルルーシュが異性としても特別な相手である事を匂わせるようなセリフを口走るなど、一概に恋愛感情ではないとは言い切れない様子も垣間見える。
逆にルルーシュがC.C.を異性としてどう見ているかは劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュ I 興道』第1週来場者特典ピクチャードラマDVD「仮面告白大会」を、また2人の関係を周囲がどう捉えているかは『復活のルルーシュ』Blu-ray特典のピクチャードラマ「Re;f 1.05 密談のハマム」を参照のこと。『復活』以降の関係性は同じく特典の「Re;f 103.00 深海のカケラ」で描かれている。
作中での関係(ネタバレ注意)
反逆のルルーシュ
妹のために世界に反逆することを目論むルルーシュと、彼に『ギアス』を与えた不老不死の魔女C.C.は、ある契約を結び共犯者として行動を共にし始めるところから、コードギアスの物語は始まる。
あくまで利害の一致からくるドライな関係性から始まった2人だが、ルルーシュとその妹ナナリーが住むクラブハウスに現れ堂々と居候を始め、挙句「男は床で寝ろ」と言い放つ、ナナリーに対し「自分はルルーシュとは将来を誓い合った仲だ」と爆弾を落として見せるなど傍若無人なC.C.にルルーシュが振り回されるなど、どこかコミカルな様子も見せる。
一方でルルーシュの仮面の男・ゼロとしての活動が本格化していくにつれ、ルルーシュの窮地をC.C.が何度も救い、また過酷な状況や取り返しのつかない事態を招いたことなどに苦悩し始めるルルーシュをC.C.が彼女なりに気遣い慰めるなど、早い段階から終盤まで通して面倒見の良さや思い遣りを見せた。
またルルーシュの側もC.C.が抱える苦痛や孤独に触れた時は、不器用ながら寄り添う優しさと気概で応えた。
特に印象的なエピソードとして、視聴者を含めほぼ全ての人間が知らないC.C.の本名をルルーシュだけが知るシーンやその後のルルーシュがC.C.に感謝を述べる瞬間、ギアスが暴走し迂闊に人と話せなくなったルルーシュに「契約しただろう、私だけはそばにいると」と伝え抱きしめるC.C.、逆に孤独に苦しむC.Cに対し「1人じゃない」と告げたルルーシュなどが挙げられる。
この他にも互いに支え合い寄り添い合って進んでいく二人の関係性は作中の序盤から終盤まで描かれており、全話通して楽しめるコンビ・CPとなっている。
なお反逆のルルーシュにはTVシリーズ版と劇場総集編版の二通りのストーリーが存在しているが、劇場版は尺の都合で欠番となったシーンも多々あるため、ルルCの魅力を深掘りしたいならTV版を先に見るのがおすすめ。
特に重要な会話が交わされる第1期のSTAGE15とSTAGE25、第2期のTURN15、TURN24は押さえておきたい。
(TURN24で二人がとある「約束」に言及するシーンに関しては、後述する新作映画公開の際にプロデューサーがコラボ特番でわざわざ流したほどの重要シーンである。)
復活のルルーシュ
※この項目はエンディングまでのネタバレを含みます※
C.C.は生前のルルーシュとの「約束」を果たして貰うべく、本人やスザクには内密にルルーシュの遺体を協力者から手を借りて引き取る。
しかしコード所有者となったルルーシュは様々な事情から完全には復活できず、彼の意識を取り戻すべく世界各地に存在するCの世界の門へ向かうことに。
C.C.は幼児退行したルルーシュを甲斐甲斐しく世話をしながら2人で旅を始める。
(このときのC.C.の母親ぶりを見て驚いた視聴者は多いはず)
紆余曲折あって無事にルルーシュを取り戻したC.C.。しかし終盤でC.C.は黒の騎士団や最愛の妹のナナリー、無二の親友スザクと和解できたルルーシュを置いて、1人で旅立とうとする。すると、ルルーシュは慌ててC.C.を追いかける。
「C.C.!待てよ、おいC.C.」
「え?」
肩で息をするルルーシュに
「そういうところは変わらないな」
とC.C.
「違うお前が、勝手に先に」
息も絶え絶えにルルーシュが言う。
「でなんだ。忘れ物か?」
「一緒に行く」
ルルーシュはナナリーとスザクの誘いを断り、C.C.と添い遂げることを選んだのである。
「大体、名前はどうするつもりだ。バレたら大変なことになるんだぞ」
「名前か。じゃあ、ルルーシュ・ランペルージからとって、L.L.(エルツー)というのはどうだ」
「え……?」
「駄目かな?」
そして自ら名を変えることを宣言。
C.C.は涙を流す程喜びを露わにし、2人で手を取り合って旅立つのだった。
エンディングでは本当は非力なルルーシュが人形だけをC.C.に持たせ、自ら重量のあるリュックを背負っている姿が描かれている。雑踏の中でも決してはぐれぬよう、その手をしっかりと繋いで。魔神と魔女と呼ばれ、コード所有者となった2人は、実質的に結ばれる形で物語は終わりを迎えた。
復活以降
ピクチャードラマ「Re;f 103.00 深海のカケラ」にて、本編から約10年後の2人が描かれている。
本編当時よりも色々と距離が近づいたようで、作戦ミスをしたC.C.から「敵の男に髪を触られそうになった」と理由を聞かされたルルーシュが動揺して口ごもる姿や、「お前以外の誰かに触られたくはない」と意味深な物言いをするC.C.の姿が見られる。(ルルーシュ曰く「お前はすぐそういう事を言う!」だが、C.C.曰く「嘘を言ったつもりはないぞ」。)
そのほか、おふざけのシーンではあるが敵に「何をイチャイチャしてやがる!」と野次られる一幕がある。
時を少し遡り、復活のルルーシュのエンディング直後を描く「Re;f 1.05 密談のハマム」では、二人は登場しないもののナナリーらのガールズトークで言及される。
ルルーシュとC.C.の旅立ちは「二人の門出」と祝福されつつ、「C.C.さんにフラれないといいけど…」「そうなったら一生引きずりそう」とルルーシュがいじられる場面もあった。
2024年公開の新シリーズ『奪還のロゼ』でも、ふたり揃って姿を見せた。
余談
スタッフインタビューでは
雑誌Febri(2019年3月号 vol.53)に掲載された「監督・谷口悟朗インタビュー」記事内で、谷口氏は、「少なくとも私はラブストーリーだと思っています」「純粋な男女の……という意味ではないのかもしれないけど、世界に対する愛という意味で、少なくとも私の作品では最も真っ当なラブストーリーになったと感じています」と述べており、TV版終了後から約10年を経て実質の公認CPとなった。
この他、復活のルルーシュ豪華版パンフレットの担当声優インタビューによれば、L.L.と名を変えたルルーシュの一連の発言は「ルルーシュにとって一世一代のプロポーズのようなもの」と監督から指導があったとのこと。
映画主題歌に関するエピソードでは
2019年に開催されたオーケストラコンサートのパンフレットにて、復活のルルーシュの主題歌を決める際に谷口監督が「オープニングは女性ボーカルで、C.C.から男性に贈る歌になるように」「エンディングは男性ボーカルで、想ってくれた女性に対しての返歌になるように」とオーダーしていたことをプロデューサーが証言している。
またエンディングの「リバイブ」には谷口監督監修のPV映像特典が存在する。これは曲に合わせて各種本編映像を繋ぎ合わせたものであるが、2番Bメロや落ちサビの部分は殆どがルルCシーンで占められている。そして落ちサビ最後のフレーズで神根島のキスシーンが流れ、ラストは二人が手を繋ぐカットで締めくくられている。
映画本編での使われ方だけでも十二分に感動できるのは勿論、これらの事実を踏まえることで主題歌の破壊力が倍増するのは言うまでもない。
スーパーロボット大戦シリーズでは
いずれの作品でもルルーシュが死亡することなく生存するため、最後までルルーシュとC.C.は一緒にいる結末を迎えている。こちらもルルC推しはプレイ推奨である。