CV:大谷育江(キュティちゃんと兼役)
概要
御金賀アリスが幼少期に生み出したキャラクター。また、ルンルを始めとしたこのマスコットがモチーフの複数のキャラクターについてもここで解説する。
ルンルーン(マスコット)
丸っこい見た目に大きな耳が愛らしいネズミのマスコットで、多忙な父や病弱な母と過ごす時間を満足にとれなかった幼い日のアリスが心の支えにしていた、イマジナリーフレンドのような存在。
当初は画用紙の中だけの友達だったものを、宝代がぬいぐるみとして立体化。泣いて喜んだアリスは今でもこのぬいぐるみを大事にしている。
アリスにとっては親友であり、いずれは祖父が生み出した世界的人気キャラ「キュティちゃん」からKAWAII王座を奪取するための相棒だが、現状では一個人が生み出したオリジナルキャラクターに過ぎないため、知名度の向上が急務となっている。
ルンルーン(宝代)
「人間になったルンルーン」(下記)と過ごした夢のひと時のせいで拗れてしまったアリスの寂しさを埋めるために、責任を感じた宝代がルンルーンの着ぐるみを纏った姿。
宝代の身長に合わせた結果、胴長の寸胴体型になっており、アリスに付き従って校内をうろつく姿は生徒たちをビビらせている。
アリスの監修という名の指導によって宝代が受け答えを調整しているため、メイドモードでもルンルーンの台詞が飛び出すなど本人にも若干の影響が出ている。
一連の騒動が落ち着いてからも、ルンルーン絡みの話になると自己主張を抑えられなくなるなど、宝代にとってはアイデンティティの一部と化しているらしい。
DXルンルーン
宝代が陰で製作させたハイテク版ルンルーン。最初に作られた人型ルンルーンよりもオリジナルに近づけるべくデザインが一新されており、歩行機能に表情のバリエーション、搭載したAIによる応答パターンの豊富さなど、お友達ロボットとしては申し分のない出来栄え。
ただし答えられない受け答えについてはAI特有の「すみません、よく分かりません」といった断り方をする。
ルンル
ぷにるを羨むアリスのことを思い、宝代が作成した人型ロボット。
薄い緑色を基調とした中性的な容姿をしており、ルンルーンのネズミ耳の名残で天使のような輪っかが2つ頭に浮いている。
元のマスコットと同じく目の周りに影のような模様(モニター)があり、青く光るジト目が映し出される。真一文字の口にはスピーカーを内蔵。バッテリーは充電式。
急ごしらえの突貫作業で作られたもので、特別な機能や人工知能等は搭載されていない。
その実態はキュティランド社の市販玩具「おしゃべりキュティちゃん」を等身大ホビーロボットに改造したもの。
キュティちゃんの口調や動き、セリフ等に合わせて一定の動作をするだけで自立歩行すらできず、移動する際は誰かに運搬されている。
当初は喜んでいたアリスも、周囲の反応からホビーであることに気がつくと「コレジャナイルンルーン(単行本ではキュティロボ)」「ベツモノ」と拒絶し、その場に置き去ってしまった。
以降は引き取り権利を巡る勝負の末、放課後は南波遊助の家に預けられるようになったものの、容赦なく遊び尽くされる様子を見かねて結局は教室で保管することになる。
同じホビーの友達として愛着を抱くぷにるの「アリスと仲直りできるように」という願いも空しく、第15話にてDXルンルーンが完成した際に撤去されそうになるが、紆余曲折を経てアリスから「”ルンルーン”じゃない新しい名前を付けること」を条件に撤去は取り消され、改めてぷにるによってルンルと命名された。
ルンル(注射後)
その後は点検もせず毎日24時間稼働させ続けた結果、第36話にて深刻な故障に見舞われる。
修理するための手段を探すぷにるが真戸教諭の言葉からひらめきを得て、自分の体の一部に微量のグリセリンを混ぜ合わせた“薬”を注射した結果、自律行動ができるようになったばかりか自我まで発生した。
真戸の考察では、ぷにると「形而上核」を同じくしながらも人格情報は共有しない分裂個体であり、ルンルのボディにぷにるの一部が寄生している状態とのこと。融合の際にぷにる本体とは異なる人格が生まれたらしく、真戸はぷにる自身がワルイプニルやカビぷにるといった別人のような振る舞いを見せたケースに関連する現象ではないかと推測している。
性格はぷにると対照的に謙虚でかなり恥ずかしがり屋。会話はするもののフキダシはあまり使わず、手書きのセリフやリアクションだったり、相手がルンルのセリフを反復するなどの表現になっている。教室での就寝時には布団を使うようになった様子。
奇しくも「ロボットのルンル」としてバズってしまった直後の予期せぬ出来事であり、かつての無機質な振る舞いができなくなってしまったために、周囲からの過剰な期待や失望を受け止めきれずに苦悩するが、経緯を知ったアリスから「なりたいものになっていい」と現状を肯定されたことで平穏を得る。
また、バズったルンルを広告塔にしようと目論んだ宝代によって大量のルンルーン情報を叩き込まれる中でルンルーンを好きになったようで、少し遠回りになりながらもアリスとの和解を果たした。
一方で、成り行きから誕生の一部始終に立ち会ってしまった雲母麻美には「ロボバブちゃん」などと呼ばれてお世話対象にロックオンされており、自力で逃げ出すぷにるに対して麻美のなすがままにされてしまいがち。
役回り
ぷにるに対応する立ち位置を伴って登場したキャラクターながら、他の登場人物たちに人格を認められている「ホビー」のぷにると何が違うのか、多くの人に好かれれば「本物」になれるのか、アリスにとって何が「友達」たりえるのか、ルンルーンに自我は宿り得るのか、自我を持ったホビーは他のホビーよりも価値があるのか……等々の視点について考察する読者も多く、一連の流れを「ルンルーン編」と位置付ける声も聞かれる。
後の「ルンル編」でも、アリスが「自分のルンルーン」にこだわったのと同じ文脈で、故障してしまったルンルの挿げ替えに反発するコタローやぷにるの姿が(呆れたような表情のアリスと共に)描かれており、作者・まえだくんも両エピソードへの思い入れを語っている。