概要
ジュラ紀前期に生息していた鱗骨類。現代の魚ではガーがこれに含まれ、厚くて固いウロコに覆われているのが特徴だ。
ちなみに名前は「ウロコに覆われたもの」という意味。
そのガーと違って口は長くないが、上顎骨が頬骨に癒着していないため、鯉のように口を伸ばすことができたと考えられている。歯は丸く、硬いものを砕くのに適していた。
この二つの特徴から、遠くから口を伸ばし貝や甲殻類を捕らえて砕いて食べたと思われる。
かつては多くの種が含まれているとされたが、ゴミ箱分類(適当にまとめられたもの)だということで振り分け直され、タイプ種(基準になる種類)に密接に関係しているもののみをレピドテス属に含めるようになった。
要するに「いろいろ居ると思ったらそうでもなかった」ということで、この影響で三畳記から白亜紀まで長期間に及んだとされた生息年代が「ジュラ紀前半」に大幅修正されたり、バリオニクスの胃から見つかった魚の化石(かつてはコイツだと考えられていた)は別の種類とされたりしている。
※というかバリオニクスが生きていたのは白亜紀なので時代が合わない
どちらかといえば淡水魚だったレピドテスだが、化石の状況から川や湖だけでなく海にも生息できた模様。
余談
- 丸い歯
中世ヨーロッパにおいては「トードストーン」なる特殊な珠とされており、年老いたヒキガエルを赤い布に乗せることで、カエルの頭の中から取り出すことができるものと考えられていた。
同様に日本ではサメの歯の化石が「天狗のツメ」、中国では恐竜などの化石が「病に効く竜の骨」として珍重されていた事もあり、化石が「ファンタジー的な何か」だと考えられていたのは洋の東西を問わないようだ。
- 海にも川にも
「淡水にも海水にも適応できる魚」そのものは現代にも存在する。
サケやアユのように「淡水で生まれて海で育ってまた川に戻る」というやつだけでなく、ノコギリエイのように体内の水分を調節してどちらでも適応できるやつもいるのだ。
※淡水魚は常に水分が体に入ってくるので余分な水を排出するが、海水魚は逆に海水を飲んで水分を補給し、塩分は排出する。レピドテスもそうした仕組みを持っていたのだろう。
関連タグ
→海にも川にもいたという点ではコイツに似ている。ただし現代のものはそれぞれ海水魚/淡水魚なので、遠い昔の話である。