レミントンMSRは、2009年にアメリカのレミントン アームズが開発した軍用狙撃銃。
2013年「Mk-21 PSR(Precision Sniper Rifle:精密狙撃銃)」として陸軍、及びアメリカ特殊作戦軍に採用された。
概要
レミントン M24を基に各部を強化したしたボルトアクション式であるが、外観は大きく変わっている。
第一に、樹脂製で一体型のストックの代わってアルミニウム合金製のフレームが採用されている。従来のM24のごく単純なストックとは打って変わって、AR-15系ライフルのレシーバーに似た意匠の機能性が高いもので、独立したピストルグリップ、距離とチークパッド・バットプレート高さが変更できる折畳式のストック、機関部上面のピカティニー・レールと機関部より前部は上下面にレールが付いた頑強なハンドガードが備わっている。このハンドガードの断面は八角形で、レールの無い左右側面と同斜辺にはレールを取り付ける穴が空いているため、理屈の上では8面全てに何らかの付加機材を装着できる。
機関部もM24(M700)の設計をほぼ受け継いで互換性があるものの新規開発である。M24は原型であるM700同様に丸棒から旋削加工で製造される円柱状だが、MSRの機関部はフレームやレールマウントとのベッティングや軽量化などを意識した角ばった形状となっている。
剛性の高い材料、構造を採用する代わりに材料使用量を抑えたと見えて、大部分が金属製であるにもかかわらず、単体で6kg弱、スコープやバイポッドを装着しても8kgを下回る程度と、この手の狙撃銃としてはまずまずの重さに収まっている。
弾薬は、標準的な7.62×51mmNATO弾の他に、ごく簡単な部品交換作業でより長射程・高威力な .338ラプア・マグナム弾、.338ノーマ・マグナム弾、.300ウィンチェスター・マグナム弾などが使用できる。
最大射程は1,500mほど。但し7.62mmNATO弾では1,000m程度となる。
実績
1丁あたり$15,000(2013年 SOCOM向け)と高価ではあるが、アメリカ以外にもブラジル、コロンビア、フランス、イスラエル、イタリア、メキシコなどに輸出されており、多くが特殊部隊や精鋭部隊向けである。