ロウ(アンデラ)
ろう
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する武闘家の男性。
中国でファン=クーロンの一番弟子として初登場した。後に入門した少年期のシェン=シアンと修行を共にし、彼の兄弟子となった。
だが物語開始時点だと、ロウは既に故人である。
真面目な人柄のようで、真摯に武術の修業へ向き合っていたと思われる。少年期からケンカで大人を倒していたシェンを打ち倒すほどの実力を有しており、修業を共にしてからもシェンはロウに一度も勝てなかったという。
ある場面では、シェンの妹・メイを肩車して花火を見物する様子があり、優しい一面もある大人だったのかもしれない。
ロウの最期
ファン=クーロンの趣味「自身の天下無双を証明すべく、強者を育て上げ自分を脅かす程に強くなったら殺す」という外道により、武の才覚をみせたシェンとメイのシアン兄妹を殺し合いさせる凶行へ抗議をするロウ。もしかしたら、師匠の蛮行を力づくで止めようと立ち向かったのかもしれない。
だが弟子の声は老師匠に届かず、ロウは死亡遊戯を身に着けていたファンの殺人拳により殺害された。そして一番弟子は古代遺物(アーティファクト)の効力により死亡遊戯の珠(たま)へ封じられ、ファンの殭屍(キョンシー)に変質されてしまうのだった。
弟弟子との再会
実は物語の時系列上だと、上記の経緯により殭屍(キョンシー)のロウとして、組織(ユニオン)のメンバーであり嘗ての弟弟子・シェン=シアンと課題(クエスト)の任務地・台湾で邂逅するのが初登場となる。因みに、この時点では人相を隠していた風貌と"ある変化"もあって、シェンは対峙するキョンシーの主人(アンダーのメンバー)をファン=クーロンだと気付いていなかった。
この時はUNION(ユニオン)とUNDER(アンダー)の交戦中だった事もあり、すぐさまキョンシーのロウ含む4体の殭屍(アンデッド)たちを相手に、戦闘狂気質なシェンは喜々として応戦する。かつてケンカに明け暮れた少年は、武の達人になっても強者を求める青年へ成長していた。更にUNTRUTH-不真実-の否定者(ひていしゃ:世界の理を否定する業の器になった者)でもあるシェンは、自身の否定能力を組み合わせた功夫で、瞬く間に4体の殭屍(アンデッド)たちを打ちのめした。
そして二度目になるロウの最期。
この時は、シェン=シアンが背負わされた否定能力「視認した対象の刹那に抱く嘘偽り無い意識を否定し、行動・発言が真逆になる」の理(ルール)によってか、言葉は不要な死体(キョンシー)であったロウは、シェンの拳で倒れる間際に「…いい拳だ」と、本当なら語る必要のなかった意識が否定されて喋ったかのように、成長した弟弟子に止めをさされるのだった。
またキョンシーのロウが喋った偶然により、死亡遊戯で使役するキョンシーには生前の意識が残っていると推察される要素が判明した。この真実(ルール)を知ったシェンは、後に選択する手段へ進むに当たって、成功の見込みがあると理解を得られたのかもしれない。