概要
『山海経』の「南山経」に記載される、洵山という日向には金、日陰には玉(宝石)が産する山に棲む羊のような姿で口が無い幻獣で、患とも表記し中国語ではフエン(Huan)と発音される。
その正体は気が凝って生じたものであり、生き物ではないので殺すことができない。
『捜神記』によれば、監獄の罪人の憂いによって生じた青い目の山羊のような7~10mもある大きな獣とされ、地面に足が沈むほど重いため人力では動かすことはできない。
漢代に武帝が巡幸した際にも現れて道を塞いだが、同伴していた東方朔が患であることに気づいて酒をかけさせたところ、憂いが晴れたのか消え去った。
創作での扱い
- 水木しげる作品
『中国妖怪辞典』において『捜神記』の解説が用いられ、大きな草食獣の姿が描かれた。
なお、この妖怪画の元ネタは『アフターマン』のドゥーガロイド・スノークである。