概要
Cygames制作の対戦型カードゲーム『Shadowverse』に登場するカードの一枚。
同じCygamesによるゲーム『神撃のバハムート』に登場するアリスと同一人物。
カードイラストも神撃のバハムートの「ファンテサイズ・アリス」の1段階目と4段階目を用いている他、声優も同じく佐倉綾音が担当している。
収録カードパックは第5弾『ワンダーランド・ドリームズ』。
不思議の国のアリスの他にも様々な童話や御伽噺をモチーフにしたカードが多く収録された同カードパックの看板役であり、PVやCMなどでも登場していた。
また、第27弾カードパック『八獄魔境アズヴォルト』では、ワンダードリーム・アリスとして再登場した。そちらについては後述する。
不思議の探求者・アリス
カードスペック
カード名 | 不思議の探求者・アリス |
---|---|
種類 | フォロワー |
クラス | ニュートラル |
レアリティ | レジェンド |
コスト | 4 |
進化前 | 攻撃力:3 体力:4 |
能力 | ファンファーレ 自分の手札のニュートラル・フォロワーすべてと自分の他のニュートラル・フォロワーすべてを+1/+1する。 |
進化後 | 攻撃力:5 体力:6 |
能力 | |
CV | 佐倉綾音 |
収録セット | ワンダーランド・ドリームズ |
※ファンファーレ…手札からPPを支払って場に出たときに発動する能力。
2017/09/28~2019/11/25
進化前 | 攻撃力:3 体力:4 |
---|---|
能力 | ファンファーレ 自分の手札のニュートラル・フォロワーすべてと自分の他のニュートラル・フォロワーすべてを+1/+0する。 |
進化後 | 攻撃力:5 体力:6 |
能力 |
2019/11/25~2023/03/08
進化前 | 攻撃力:3 体力:4 |
---|---|
能力 | ファンファーレ 自分の手札のニュートラル・フォロワーすべてと自分の他のニュートラル・フォロワーすべてを+1/+0する。 |
進化後 | 攻撃力:5 体力:6 |
進化後 | 進化時 自分の手札のニュートラル・フォロワーすべてと自分の他のニュートラル・フォロワーすべてを+0/+1する。 |
カード性能
『ワンダーランド・ドリームズ』のコンセプトである「ニュートラルの強化」を体現するフォロワー。Shadowverseでは初となる、手札にあるフォロワーの能力値を強化する能力を持つ。
デッキの大部分をニュートラル・フォロワーで固めることで、ロイヤルのカードセージコマンダーの強化版のように使用することが当時は可能だった。
また同カードパックには、ニュートラルカードの他に各クラスの固有カードにもニュートラルを指定するカードが多数収録されており、それらを用いて各クラスごとに微妙な変化を付けることができるようになっている。
登場直後(2017年7月)の環境では、序盤から積極的にニュートラル・フォロワーを展開し、そこにアリスを出す事で盤面を一気に強化する戦術で大活躍した。
「カードの枚数によらず一律で強化する」という性質上、低コストのニュートラル・フォロワーとの相性が良く、アリス以下のコスト帯のカードが8割以上ニュートラルであるという構築も珍しくない。
それにより同環境では、異なるクラスのリーダー同士が対戦していても中盤まで使用するカードが全く同じ、といった光景も散見された。
この偏った環境に対し、「ニュートラルバース」「アリスバース」「運営の頭がワンダーランド」「ワンダーランドナイトメア」などと皮肉られることも多々あった程。
往年のTCGプレイヤーなら、かつてのMTGにおいて色の役割による差別化を台無しにした失敗メカニズムとして悪名高い「ファイレクシア・マナ」を思い出す人も多いだろう。
特に前述した低コストニュートラル・フォロワー達のうち、3/1/2で自ターン終了時に1/1/2のゴブリンをトークンとして呼び出すゴブリンリーダーは一枚で複数のニュートラルを並べられ、4コストのアリスとはガッチリと噛み合う最高の相棒となった。
そのため、気づけば盤面が「アリスの他は強化されたゴブリンで埋め尽くされている」という光景が頻発。可憐なアリスが醜悪なゴブリン達を率いているというギャップがネタにされたことも。
その顛末
結局、アリスとの能力相性が良すぎたゴブリンリーダーは、2017年7月31日に実施されたアップデートにて4/2/3へと弱体化調整を受ける。その一方でアリス自身は他のレジェンドカードが弱体化されたのを尻目に上述のカード性能を維持。まさにかわいいは正義!
……と思いきや、2017年9月下旬、第6弾カードパック『星神の伝説』が実装。それと同時に、カードパックを買わせるための目玉としてはもはや用済みだとばかりに効果を+1/+0に下方修正されてしまう。現実は非情である……。
なんにせよ、進化時の「この世界を変えないと!」という台詞どおり、シャドウバースのゲーム環境を大きく揺るがした一枚であった。
Legacy Decks Cup
2019年3月16日、ゲーム内グランプリ「Legacy Decks Cup」が開催された。
このグランプリのルールは、運営が指定した、当時のカード能力そのままの歴代環境デッキ13種類の中からデッキを選択してバトルに挑むというもの。
その中には上述したゴブリンリーダーからのアリスを決められる「ニュートラルヴァンパイア」と「ニュートラルビショップ」が含まれていたため、当時の悪夢を知らないプレイヤーにもそのヤバさを知らしめることとなった。
2枚目のイラストは、最盛期ニュートラルヴァンパイアの理想的な動きを表した一枚。
- アリスとゴブリン達で盤面を制圧
- バフォメットの能力で昏き底より出でる者を確定で引く
- 昏き底より出でる者によってリーダーに16点ダメージ
という圧倒的な強さで環境を席巻した。詳細はリンク先の同カード記事を参照。
なお、そのLegacy Decks Cupの報酬として「幻想の少女・アリス」というバージョンのアリスのエンブレム・スリーブが獲得できたのだが、現時点で「幻想の少女・アリス」はカード化されていない。
その後
2019年11月25日のメンテナンスにて、なんとアリスの能力が上方修正されることになった。
実装当初のままの能力で復活したわけではなく、攻撃力バフは据え置きで体力バフが進化時能力で行うという調整が施された。
カードプールの増加に伴い、5~6ターン目には勝負が決まることももはや珍しい光景ではなくなったアンリミテッド環境におけるニュートラルデッキを強化する意図があったのかもしれないが、中途半端に自重したせいで2020年2月時点の環境では相変わらずほとんど使われていない。
当時の相棒だったゴブリンリーダーは復活せずに下方修正されたままだったという事情もあり、ニュートラルデッキは依然として微妙な立ち位置のままとなっている。
それ以来、長い間新しい動きもないまま月日が経ったが、後述するリメイク版が後に登場。
それから少し経った2023年3月8日には、新フォーマット「マイローテーション」の開催に伴い、カード能力の変更を受け、アリスも実装当初の能力を取り戻すこととなった。
同時期にはゴブリンリーダーを含む多数の相棒がかつての姿を取り戻したが、魔境アンリミテッドにおいてこちらのアリスが活躍するのはさすがに厳しいか。
また今回のカード能力の変更によって、不思議の探求者・アリスは2度もの能力変更を受けたうえで元の能力へと戻ったという、Shadowverse全カードの中でも稀有な立ち位置のカードとなった。
ワンダードリーム・アリス
人気投票の開催
Shadowverse6周年記念となる『6th Anniversary』にて、「収録キャラクター&リーダースキン投票」イベントが開催。
収録キャラクター投票とは、歴代のニュートラルのレジェンドがノミネートされるため投票を行い、1位と2位に選ばれたカードは今後リリースされるカードパックにそれぞれ収録予定となる、今回初開催されたイベントである。
その中には、かつて環境をニュートラル一色に染め上げプレイヤー達に強烈な印象を残したアリスの姿も当然あった。
その後投票の結果、483,584ptの得点でアリスは堂々の1位に輝き、見事カードとして再登場することが決定した。2位となるフラム=グラスとは10万以上の大差を付けての獲得である。
そして、第27弾カードパック『八獄魔境アズヴォルト』のアディショナルカードとして、遂にアリスが新たな能力を持って再登場した。
発表の際は、紹介PVも制作された他、2月19日には記念イラストも投稿された。
カードスペック
カード名 | ワンダードリーム・アリス |
---|---|
種類 | フォロワー |
クラス | ニュートラル |
レアリティ | レジェンド |
コスト | 4 |
進化前 | 攻撃力:3 体力:4 |
能力 | ファンファーレ 「このバトル中、自分のフォロワーが進化した回数」が3回以上なら、カードを2枚引く。進化する。(この能力の進化を含めず)7回以上なら、疾走 を持つ。 |
進化後 | 攻撃力:5 体力:6 |
能力 | 攻撃時 自分のPPを2回復。 |
CV | 佐倉綾音 |
収録セット | 八獄魔境アズヴォルト |
※ファンファーレ…手札からPPを支払って場に出たときに発動する能力。
※疾走…場に出たターンでも攻撃できる能力。
カード性能
「新しい冒険が始まるのね!」
ニュートラルを指定して他のフォロワーを強化するという要素はオミットされたが、代わりに進化を一定数稼ぐ事で自身の能力が強化されるタイプのカードとなった。
ファンファーレによって、バトル中に進化した回数が3回以上なら2ドローし自動進化、7回以上なら疾走を持つ。また、進化後は攻撃時に2PPを回復できるため、能力が働けば実質2コスト分でプレイができる。
ドローと疾走打点という比較的使いやすい能力を持つため、進化を複数稼ぐ事が可能なデッキであればすんなりとデッキに入れられるだろう。
また、実装時点の環境では、三相の女神・バイヴカハや箱庭の追憶・オリヴィエ&シルヴィアといった進化に関する強力なニュートラルレジェンドが存在するため、それらとの組み合わせも考えられる。
余談だが、『八獄魔境アズヴォルト』は「咎人」と「執行者」と呼ばれるグループが「アズヴォルト」という監獄を舞台にそれぞれ戦うというストーリーであり、「アリスもゲームバランス破壊罪で収監されていた」とネタにされる事となった。かつての能力を失った姿は、さながら模範囚として更生・釈放されたといったところか。はたまた懲りない脱獄囚であろうか?