概要
山崎豊子がサンデー毎日(毎日新聞社)にて1973年から1978年にかけて連載された。
単行本が新潮社から刊行されたが、2024年11月時点では新潮文庫版全5巻が入手可能。
日本陸軍のエリート軍人であった壹岐正が、シベリア抑留という、ある意味この世の地獄をくぐり抜けて帰国、何とか就職出来た商社において、生き馬の目を抜くかのようなビジネスの世界を巧みにくぐり抜けるも、最終的には全ての地位をなげうって、シベリアに散っていった“戦友”達を弔うことに残りの生涯を捧げるまでを描いた。
映像化
東宝の関連会社の一つであった芸苑社の手によって映画化され、1976年8月に東宝系の映画館で公開された。
原作の連載が続いていたため前半の部分を映画化したものだが、メガホンを取った山本薩夫の意向でシベリア抑留の箇所は大幅に省かれてしまっている。
出演は仲代達矢ほか。
原作完結後の1979年には毎日放送の手によってテレビドラマ化されており、その年の4月から10月にかけてTBS系列局で放送された。
出演は平幹二朗ほか。
さらに2009年に再テレビドラマ化されており、同年10月から2010年3月にかけてフジテレビ系列局で放送されたが、視聴率が振るわなかった結果、放送話数が削減されてしまう。そのため終盤部がやや駆け足な展開になってしまい、エピソードのごく一部が削られてしまった。
出演は唐沢寿明ほか。